日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

ジョン・ボン・ジョヴィ ②人種差別 揺れるアメリカを歌に

2021-01-09 07:00:00 | 報道/ニュース

12月3日 NHKBS1「国際報道2020」


アメリカのロックバンド BON JOVIのボーカル
ジョン・ボン・ジョヴィさん。
デビューから間もなく40年。
今年 激動のアメリカ社会に様々なメッセージを投げかける作品を出した。
2020年10月に出したアルバム「2020」である。
大統領選挙の年にアメリカを二分した黒人人種差別の問題。
それをジョンさんは葛藤を抱えながらも歌い上げた。

2020年
アメリカはまたもや人種差別の問題に揺れた。
それに正面から切り込んだ曲をジョン・ボン・ジョヴィさんはアルバム「2020」に加えた。
タイトルは「American Reckoning “アメリカの報い”」。
(American Reckoning ユニバーサル・ミュージック)
♪ アメリカが燃えている
  路上では抗議活動
  国の良心は略奪され
  その塊は包囲された
  またひとり母親が泣く
  歴史の繰り返しで
  “息ができない”
(ジョン・ボン・ジョヴィさん)
「ミネアポリスでジョージ・フロイドさんが警察官に殺されたことで
 この曲を書かずにはいられませんでした。
 そしてアルバムは時事的になると理解しました。
 政治的なアルバムではありませんが
 時代の証人として作ったのです。」
♪ なんて長い8分間だったんだ
  顔を地面に押し付けられ
  腕には手錠
  通行人たちは慈悲を乞い
  警察官は群衆の子どもを押しのけた
  いつから裁判官と陪審員は警察官のひざに取って代わられたのか
この事件で“アメリカは報いを受けるべきだ”と憤ったジョンさん。
一方で警察に対する日頃の感謝の念からためらいも生じたという。
(ジョンさん)
「私は常に警察に最大の敬意を払っています。
 警察・消防・救急隊の人たちに感謝しています。
 ニューヨークで暮らすと自分がどれほど弱いのか自覚するものです。
 同時多発テロ時はもちろん
 普段も家事や事故・銃撃などで常にサイレンが響きわたっています。
 彼らに守られていることに感謝しているのです。」
それでもジョンさんはこの曲を作ると決断。
“果たして自分にジョージ・フロイドさんの気持ちが理解できるのか“と自問自答しながら。
(Amerian Reckning ユニバーサル・ミュージック)
♪ 決して彼の追体験はできない
  あんな悲劇は話さずに済む
  自分の身には起こらないだろうから
(ジョンさん)
「この20年間で
 白人と有色人種の格差
 白人の特権の存在に気づかされました。
 私はそうした特権の広告塔になりえるのです。
 年配の白人で裕福な男性でそしてセレブです。
 私が警察官に止められて車に押し付けられる可能性はまずないでしょう。
 そうした格差を我々がもっと意識すれば
 肌の色の違いを乗り越えられるでしょう。」
しかし人種差別への抗議に対する賛否は大統領選挙の大きな争点になっていった。
(ワシントン 6月 トランプ大統領)
「この国はプロの無政府主義者や暴力的な群衆
 放火犯・略奪者・犯罪者・暴徒・アンティファなどの極左勢力に脅かされている。」
(民主党 バイデン氏)
「結束して癒しと正義を実現し
 暴力をやめ
 構造的な人種差別を終わらせよう。」
アメリカの分断はさらに深まった。
Q.大統領選挙の年に「ブラック・ライブズ・マター」をめぐる曲を発表することに
  ためらいはありませんでしたか?
(ジョンさん)
「ためらいはあってはならないと思います。
 アーティストとして妥協するようなら人間としての自分も曲げることになるからです。
 この時代に自分としての真実を語らなければ自らの価値観を見失います。
 私の真実ではなくなります。
 自分の目で見て生きて読んだことを
 歴史の証人として
 記者のように曲を書きました。
 そのために誰かがアルバムを聴かないというのなら仕方ありません。
 実を言えばこの曲をかけるのを拒絶したラジオ局もありました。」
Q.アメリカはなぜこれほど分断したのでしょうか?
  何が現在の状況をつくったのでしょう?
(ジョンさん)
「この状況は以前からくすぶっていたのです。
 そして4年前にトランプ氏が大統領に選ばれたことで一種の“目覚め”が到来しました。
 これまで軽んじられてきたと感じていた人たちが声をあげるようになったのです。
 今はソーシャル・メディアが事態を拡大させていると思います。
 陰謀説を唱える人々
 そうした説を真に受けてしまう人々はニュースを読みません。
 SNSの見出しだけ見るのです。
 あるいは読んだ話を検証しないのです。
 すぐに事実だと思い
 陰謀説のサイトへの書き込みに騙されてしまうのです。
 それは恥ずかしいことです。
 歴史の書物を読み
 複数の新聞に目を通すべきです。」
Q. アメリカはバイデン氏のもと少しずつ団結できると楽観的ですか?
(ジョンさん)
「バイデン陣営が言う前から私も述べてきましたが
 今は傷を癒すべき時です。
 政治的に自分とは違う立場の人であっても同じアメリカ国民なのです。
 “勝ったのはこっちだ!”と相手を非難すべきではありません。
 手を差し伸べ“傷を癒そう”と語りかけるべきです。」
Q.傷を癒すうえで音楽はどのような役割を果たせるでしょうか?
(ジョンさん)
「音楽はバランスを保つのに優れた手段です。
 言語・政治信条・文化や世代的な違いがあっても
 音楽は人々をひとつにするのです。
 光のように広がり
 輝きます。
 ポップカルチャーは人々をまとめる可能性を持っています。」
♪ 生きろ 生き続けろ
  光を灯して 生き続けろ
  声を上げて 私を思い出してくれ
  アメリカの報い
  アメリカが受けるべき報いの中で

 


コメント    この記事についてブログを書く
« ジョン・ボン・ジョヴィ ①コ... | トップ | 恩納村 琉球の牛 恩納本館  »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

報道/ニュース」カテゴリの最新記事