11月13日 おはよう日本
日本の造幣局が南アジアのバングラデシュの2タカ硬貨を受注することになった。
造幣局が外国で流通する一般の貨幣をつくるのは戦後初めてである。
12日 大阪の造幣局で行われた貨幣大試験。
硬貨が定められた重さになっているかを検査する。
500円硬貨の場合1000枚の重さが7㎏と定められ誤差は13g以内。
(財務省 網屋信介政務官)
「すべての基準を満たして規制であると確認。」
造幣局の技術は重さだけではない。
たとえば500円硬貨は文字が浮かび上がる特殊な加工が施されている。
側面の溝を斜めに刻む技術など偽造はほとんど不可能とされている。
バングラデシュの入札にはイギリスやドイツなど5か国が参加したが
日本の入札価格が最も低く世界トップクラスの鋳造技術も評価された。
製造するのはバングラデシュの2タカ硬貨5億枚。
ステンレス製で日本円で約2円にあたる。
なぜ日本の造幣局が外国の貨幣の製造を目指すのか
その背景には電子マネーの普及による貨幣製造量の減少がある。
貨幣の製造量は最も多かった昭和49年が56億1,000万枚。
去年は7億3,800万枚とピーク時の7分の1以下にまで落ち込んだ。
このため財務省と造幣局は日本の優れた技術を積極的にアピールして
外国の貨幣製造の受注拡大に乗り出していた。
生産設備を有効に活用する狙いもある。
10月には記念貨幣の海外発注を検討しているオマーンの中央銀行総裁を
造幣局の工場に案内した。
(オマーン中央銀行総裁)
「世界に打って出て競争しようという日本の造幣局の取り組みは歓迎したい。」
(造幣局 新原芳明理事長)
「我々も競争の中で品質や値段で受注をとれていければいい。
ほかの国と同じような立場で競争できると思う。」
造幣局は近くバングラデシュ中央銀行と正式に契約を交わし
年内にも大阪の工場で製造を開始することにしている。