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原油安 ベネズエラを直撃

2015-03-18 07:30:00 | 海外ネットワーク

3月8日 NHK海外ネットワーク


原油生産量が世界第7位の産油国である南米のベネズエラ。
その豊富な石油資源を基にした国づくりで貧困層の支持を集め
反米左派の急進的な言動でも知られたのがチャベス前大統領である。
亡くなってから2年になり首都のカラカスでは追悼集会も開かれた。
しかしそのチャベス氏亡き今
原油安に見まわれたベネズエラは経済的に苦境に立たされている。

ベネズエラではこのところ政府に抗議するデモが相次いでいる。
時には暴徒化した人々と警官隊が衝突する事態も。
2月末には西部の町でデモ隊に向け警察官が発砲し14歳の少年が巻き込まれて死亡した。
市民がデモに訴えるのは原油安によるインフレと物不足で生活を圧迫されているからである。
物価上昇率は去年実に70%近くとなった。
信じられないような値段で物が売られている。
コロンビア産の洗剤は1個7、500円。
国産品の20倍以上の値段である。
原油安は外貨不足を招き商品の輸入が難しくなっている。
多くの輸入品は品不足である。
カップ麺は1個5,000円。
中国製のほうきは1本5万円である。
(市民)
「死活問題だ。
 手に入らない薬がたくさんある。」
「この国はめちゃくちゃよ。」
高価な輸入品に庶民は手が出ない。
そこで政府が価格を安く統制している国産品を買おうと人々が列を作る。
しかし店内の棚は空っぽである。
国産品はすぐに売り切れてしまう。
あ目当ての品を探して店を何件もまわるのは当たり前。
安い砂糖を見つけ5キロもまとめ買いをした女性。
「1時間半並んだのよ。
 何件も店を回らないと必要なものがそろわないわ。」
原油の値下がりで国の歳入の大幅な落ち込みが見込まれるとして
ベネズエラ政府は国家財政の立て直しへ方針を打ち出した。
マドゥーロ大統領は自分自身も含め政権幹部の給与を削減すると発表。 
さらに友好国のロシアや中国を訪問し経済支援を訴えるなど現状打開に向けた協力を求めた。
そして政府は財源が不足しているとして公共交通機関の料金を見直すことにした。
3月からバス運賃の値上げに着手し
夏までには40%値上げする方針を打ち出した。
しかしさっそく反発が出ている。
首都カラカスでは20人ほどの市民がプラカードを掲げてバスターミナルに立ち値上げの撤回を訴えた。
(抗議行動の参加者)
「高級車に乗っている閣僚は私たちの声に耳を傾けるべきだ。」
(市民)
「ほとんどの人たちが影響を受けるだろう。
 とりわけ貧しい人たちは困るでしょう。」
「これ以上値上げされると高い給料でももらわないとやっていけない。」
オイルマネーに頼ってきた国家運営をすぐには変えられないベネズエラ。
先の見えない原油安で混乱はさらに深まろうとしている。

 

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マレーシア初の盲導犬“理解を進めたい”

2015-03-17 07:30:00 | 報道/ニュース

3月7日 おはよう日本


マレーシア初の盲導犬 2歳のラブラドールレトリーバー ラショーン。
飼い主はスティーブン・チャンさん。
去年4月 盲導犬を支援する国際的な福祉団体からラショーン君を紹介された。
(スティーブン・チャンさん)
「とても賢い犬ですよ。
 本当に賢いです。
 指示をよく聞いてくれるんです。」
経営コンサルタントだったスティーブンさんは13年前に緑内障を発症した。
9回も手術を受けたが視力は回復せず
仕事を辞めざるを得なかった。
日常生活さえ満足に送れず自殺すら考えた日々。
しかしラショーン君と出会い再び生きる希望を取り戻したと言う。
(スティーブン・チャンさん)
「盲導犬がいることで言えることはひとつあります。
 それは目に障害があっても何かを成し遂げられるということです。」
しかしラショーン君と外出できるようになったものの
新たな壁にぶつかった。
マレーシアでは盲導犬を連れて利用できる施設がほとんど無い。
この日スティーブンさんは妻が運転する車で近所のショッピングモールに出かけた。
犬とともに歩く姿にたちまち厳しいまなざしが集中。
すぐに警備員が駆け付けた。
結局スティーブンさんとラショーン君は追い出されてしまった。
(スティーブン・チャンさん)
「この犬は視覚障碍者のための盲導犬だと説明しましたが
 ダメだ 出ていけ 犬は外にいろと言われました。
 これまで何度もありましたから慣れてしまいましたよ。」
イスラム教ではブタと同じように犬を不浄な生き物とみなしている。
マレーシアでは国民の6割以上がイスラム教徒名だけに犬に嫌悪感を示す人が多いのである。
「もし犬を触るとしても 
 布で巻いたりして直接触れないように手を守らないといけないわ。」
「不幸にも触れてしまったらその部分を清めないとね。
 イスラムの教えに従わないといけないからね。」
イスラム教徒ではないスティーブンさんは犬への抵抗は無い。
盲導犬が果たす役割を知ってもらうため
映像作家に日々の行動を撮影してもらいインターネットに公開している。
バスやタクシーの乗車を断られる場面は実際の出来事である。
盲導犬が拒絶される日常をあえてさらけ出した。
(スティーブン・チャンさん)
「視覚障碍者が盲導犬を連れて
 行きたいところに行けるよう社会を変えたい。」
そうした思いは少しずつ伝わっている。
この日会ったのは映像を見たというイスラム教のタクシー運転手。
運転手はスティーブンさんとラショーン君の現状に心を痛め
初めてタックシーに犬を乗せることを決めたのである。
さらにスティーブンさんは視覚障碍者の日常を体験してもらおうと
暗闇の中で食事をするイベントも開いて盲導犬への理解につなげている。
「視覚障害がある人たちと同じ体験が出来て理解が深まりました。」
「盲導犬はもっと認められるべきだよ。
 視覚障害があっても買い物に出かけたりごく普通に過ごせるからね。」
(スティーブン・チャンさん)
「マレーシアはイスラム社会ですが希望はあると信じ続けています。
 どれだけ時間がかかっても私が元気な限り
 盲導犬への理解が進むよう取り組み続けていきます。」
イスラム教徒にも盲導犬を受け入れてもらえるよう
スティーブンさんとラショーン君は歩み続けている。

スティーブンさんが盲導犬を知ったきっかけは
盲導犬の一生を描いた日本の映画だったそうである。
将来は盲導犬を育成する施設を作っていきたいということである。




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津波被害の文化財 試行錯誤し修復

2015-03-16 07:30:00 | 報道/ニュース

3月7日 おはよう日本


東京国立博物館で開かれている展示会。
修復された陸前高田市博物館の文化財 約70点が展示されている。
破れてカビが発生した教科書
「尋常小学 修身書 卷四」昭和二年(1927)
こうした書籍の中にも修復されたものは多くみられる。
(来場者)
「日本の技術は素晴らしいと感心した。
 きれいに直っている。」
陸前高田市博物館は暮らしに根付いた道具などを主に展示していた。
しかし津波でそのすべてが被害を受けた。
陸前高田市には修復が必要な文化財が約46万点あった。
これまでに修復されたのはその5分の1である。
修復作業が行われている陸前高田市の旧生出小学校。
作業を担うのは地元の人たち15人余である。
その1人 陸前高田市博物館の学芸員の熊谷賢さん
文化財のほとんどは市民から寄贈された。
ひとつひとつに暮らしの営みや人々の思いが込められていると熊谷さんは言う。
(陸前高田市立博物館 熊谷賢さん)
「博物館に資料を託した人の思いや
 今まで残してきた人の思いもある。
 心の復興
 文化財をはじめその部分が復興することで本当の意味での復興が成し遂げられる。」
しかし津波の被害を受けた文化財の修復は世界的にもほとんど例がなく
困難で時間がかかる。
小学校には作業が手つかずの文化財がいまも20万点保管されている。
東京国立博物館の神庭信幸さんは現地で技術指導をしている。
最も大変なのは塩分を取り除くことだと神庭さんは言う。
塩分が残っていると湿気を帯びてカビが発生しやすくなるからである。
どうやって塩分を取り除くのか。
試行錯誤が続いている。
和紙で墨で書かれた書物の場合は毎日水につけながら水を変える方法を考えた。
塩分濃度をこまめに計り水につける期間を調整しなければいけない。
塩分を取り除いたら丁寧に乾燥し手作業で和紙を貼っていく。
どの和紙が適しているのか探しながらの作業である。
修復には約1か月かかり
破損がひどい場合はさらに長い期間が必要だと言う。
さらに難しいのは油絵である。
水分を含むとキャンバスが縮んで絵の具がはがれやすくなるため
水につけることが出来ない。
1年以上 方法を探し続けてたどり着いたのがゼリー状の物質。
改装から取り出した成分で作ったものである。
これをキャンバスに貼ると塩分を吸収してくれることが分かった。
絵画の修復方法にひとつの道が開けた。
(東京国立博物館 神庭信幸保存修復課長)
「今まで体験したことのないことを全部白紙の状態から進めていく。
 お手伝いが出来れば携わったかいがあったと
 今までやってきている。」
陸前高田市のすべての文化財を修復するにはあと10年はかかる見込みだということである。

 

 

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中国 いまだ低迷続く不動産業界

2015-03-15 07:45:00 | 報道/ニュース

3月3日 キャッチ!


9か月連続で住宅価格が下落傾向が続く中国。
国内の不動産市況が低迷するなか
資金を海外に振り向ける動きが拡大している。
不動産仲介会社が開いた海外不動産の説明会は来場者がこの1年弱で60%増加した。
(来場者)
「アメリカへの投資を考えたい。
 北京よりも物件が安いからです。」
(不動産仲介業者)
「中国経済の先行きは不透明です。
 海外不動産に投資した方が得策だと多くの人が考えています。」
その一方で国内の不動産関連企業はいまだ不況にあえいでいる。
今年1月の商談会に参加した企業の幹部からは厳しい現状が聴かれた。
(参加企業 幹部)
「不動産市況低迷の影響は大きいです。」
「もう不動産で大きく稼ぐことはできません。」
講演した業界団体の幹部も業界の先行きに厳しい見方を示した。
(不動産企業団体 会長)
「中国の不動産は供給過剰の状態です。
 業界全体で資金繰りが厳しくなっています。」
北京で住宅向けの鋼材卸売業者は
去年10月には「1年前より15%値下がりした」と答えたが
今年1月春節前には3か月でさらに10%値下げをしていた。
それでも年明け以降ほとんど取引がなく赤字に陥り
経営の先行きに不安を抱いていると言う。
(鋼材卸売業者)
「1年以上値下がりが続き在庫は持ちたくありません。
 資金繰りも厳しいです。」
不動産関連を中心に生産が振るわず内需に弱さが見える中
中国の今年1月の輸入額は3か月連続で前年同月比を下回った。
輸出額もヨーロッパ経済の先行き不透明感などを背景に10か月ぶりに前年比で減少に転じ
貿易面でも景気減速が懸念されている。
(国家統計局 馬建堂局長)
「国内には矛盾が依然として存在し
 経済を押し下げる圧力も大きいです。
 これらの困難を直視して危機感を持たねばなりません。」


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手を遊ばせる暇のない5年目に入る

2015-03-14 20:30:00 | 編集手帳

3月11日 編集手帳

 

10年連用の日記帳を使って6年目になる。
1年分の幅が狭く、
執筆のテーマと飲食を記録したメモ書きにすぎない。
〈坂上二郎氏追悼。同期I君と神田、焼き鳥〉。
3月10日欄、
今年の4段上にある。

「われわれは後ろ向きに未来へ入ってゆく」とはフランスの詩人バレリーの言葉だが、
人はすぐ後ろに待ち受ける災厄に気づかない。
家族の団欒(だんらん)であったり、
友人との語らいであったり、
それぞれの“前夜”を思い起こしている人は多いはずである。

震災から4年たった。
天の高みで犠牲者が目にしたくない光景は二つだろう。

一つは被災地の再生が滞り、
この世に残した家族の生き惑う姿である。
もう一つは南海トラフ巨大地震などで災禍が繰り返されることである。
霊前に合わせる手。
復興へ、
政府と東京電力の尻を押す手。
すぐ後ろにいるかも知れぬ災厄に注意を怠るなと、
おのが頬を叩(たた)く手。
手を遊ばせる暇のない5年目に入る。

あの日の日記には、
ただ〈社泊〉とだけある。
会社のザコ寝など何ほどのこともない。
避難所の〈避泊〉。
仮設住宅の〈仮泊〉。
つらい二文字の1461回つづいた日記帳を思う。

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東京大空襲の記憶

2015-03-14 07:30:00 | 編集手帳

3月10日 編集手帳

 

9年前に87歳で亡くなった詩人の宗左近(そうさこん)さ んは、
罪の意識を十字架のように背負って生きた人である。
東京の空襲で炎の海を逃げまどい、
握った手を離して母を死なせた。

〈母よ呪ってください息子であるわたしを
 あなたを生きながら焼いたことをではなく
 あなたを生きながら焼いたのにもかかわらず
 そのことのために生きながら焼かれていないわたし を…〉
 (詩集『炎(も)える母』)

宗さんが母を亡くしたのは1945年(昭和20年)の5月25日、
数度にわたる東京大空襲のなかでは「山の手大空襲」として知られる。

約10万人の命を奪った下町一帯 の大空襲は同じ年の3月10日、
きょうで70年になる。
火炎をのがれて水辺に逃げた人たちの遺体からにじみ出た脂で、
隅田川が濁ったという。
親を、
子を、
弟や妹を救えなかった無念にみずからを責めつづけた、
数限りない宗さんがいることだろう。

〈墓一群「三月十日歿(ぼつ)」と雪に〉(加藤楸邨(しゅうそん))。
そこに眠る人々が忌日を同じくする墓碑ほど、
手を合わせて胸の痛むものはない。
三月十日歿。
三月十一日歿。
気がつけば、
普段より口数の少ない春の日がつづく。

 

 

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“反腐敗”アピールする中国指導部

2015-03-13 07:30:00 | 海外ネットワーク

3月1日 NHK海外ネットワーク


習近平指導部は汚職の疑いのある党や政府の摘発をメディアを通じて大々的にアピールしている。
最近特に力を入れているのが国外逃亡をしたり資産を外国に隠したりした幹部の拘束である。
メディアに“反腐敗”という言葉が登場しない日は無い。
習近平指導部になってkら設置されたホームページには毎日のように汚職の疑いで摘発された幹部の情報などが発表されている。
2月からは有罪判決を受けて反省する元高官らの映像まで公開し始めた。
さらに政府機関の公用車の削減にも乗り出している。
幹部が個人的な目的に利用しているといった批判が絶えないためである。
政府はこの半年で公用車を3,000台余減らしたと言われ
オークションで市民への販売まで始めた。
こうした取り組みもメディアを通じて全国に伝えている。
汚職の摘発に溜飲を下げる国民も少なくないが
専門家は他にもねらいがあると指摘する。
(北京大学法学院 賀衛方教授)
「これは政治闘争の一環だと思う。
 反腐敗を口実に政治的なライバルを消すのが狙いだ。」
汚職摘発には賛同しつつも
メディアを最大限に利用する今の手法はパフォーマンスだとして批判的に見ている人たちもいる。
内陸部の市民たちは地元政府による汚職や土地の強制主用などの問題を取り上げている。
市の幹部たちが生出演する新しい形の討論番組で
自分たちの訴えを取り上げるよう市政府に要請しているが取り上げてもらえないと言う。
「番組で地方政府は問題を解決すると言うが私たちとは会ってもくれない。」
「私たちは本当の状況を言いたいのに。」
この市民たちが出演を断られ続けている討論番組。
この日は市政府の幹部が日ごろのぜいたくを反省する姿勢が強調された。
市政府の建物に保管される高級な酒やたばこの数々。
番組のキャスターから「事務所というより高級品の倉庫では?」と揶揄される。
「高級品が事務室に置いてあるがあなたの部下は特殊な収集の趣味がある。
 どう思います?」
(地元政府の幹部)
「責任は私にある。
 厳しく調査して処理したい。」
しかしこうした番組ン大部分は地元政府とテレビ局が一緒に脚本を練り上げているとみられる。
政府が書く脚本に沿わない人たちは番組に出演できず
土地の強制主用といった身近な社会問題は置き去りにされていると感じている。
(張人強さん)
「困難な問題を持ってくる人は出演させてもらえず
 これでは本当の問題は解決できない。
 政府が市民の問題を一番にとらえてこそ市民の信頼を得ることが出来る。」

 

 

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ギリシャ 政権の対応に反発の声も

2015-03-12 07:30:00 | 海外ネットワーク

3月1日 NHK海外ネットワーク


一時は財政破たんも指摘されていたギリシャ。
EUによる支援の延長で市場にも安堵感が広がった。
その一方で支援延長と引き換えにチプラス政権が示した構造改革案の内容について
ギリシャ国内では反発の声も上がっている。

2月26日にギリシャの議会前で行われたチプラス政権に抗議するデモ。
(デモ参加者)
「チプラス政権に投票したのに後悔している。
 裏切られた。」
「選挙前の約束は守られなかった。
 信用できないから訴えている。」
一部は暴徒化し警察の機動部隊が出動した。
ギリシャの新聞はチプラス首相を鼻が伸びたピノキオになぞらえ“うそつきだ”と揶揄した。
チプラス政権はEUなどとの間で合意にこぎつけた金融支援の延長
その前提としてEU側に示した構造改革案の内容が首相の選挙公約と矛盾する内容になっているというのである。
構造改革案では財政再建を推進することを約束
選挙公約だった低所得者対策も財政に悪影響を与えない範囲でのみ行うと説明している。
事実上EU側が求めていた緊縮路線を踏襲する内容である。
緊縮策の見直しを掲げ誕生したチプラス政権。
それだけに改革案には与党の議員からも“公約違反だ”との批判が出ている。
これに対しチプラス首相は強気の姿勢を崩していない。
(ギリシャ チプラス首相)
「緊縮策は名実ともに終わった。
 政府は着実に公約を実行していく。」
専門家はこのままでは党内の亀裂が深まり
新政権は再び選挙で信を問う状況に追い込まれかねないと指摘する。
(アテネ大学 コンドヨルギス教授)
「新政権が経済危機を脱するのは容易なことではない。
 早急に対策をとらねば各地でデモが起きるだろう。」
一方で国民の中には新政権に期待を抱き続ける人もいる。
エフロシ二・アルヴァニタキさん(65)は2月の選挙でチプラス政権に初めて投票した。
夫と離婚し今では息子と婚約者の借りている月4万円の部屋に同居させてもらっている。
緊縮策のあおりを受け
一昨年 役所での清掃員の仕事を解雇された。
苦しい生活が続いている。
(エフロシニ・アルヴァニタキさん)
「とても憂鬱だ。
 子どもたちのお荷物になるとは思いもしなかった。」
アルヴァニタキさんは復職を求め役所の前で座り込みを続ける。
チプラス政権なら何とかしてくれるだろうと望みを託している。
(エフロシニ・アルヴァニタキさん)
「選挙のあとは前向きな気持ちになった。
 これからはうまくいくと信じている。」


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イギリス王室支える“イメージ戦略”

2015-03-11 07:30:00 | 海外ネットワーク

3月1日 NHK海外ネットワーク

一昨年 ロイヤルベビーが誕生し
世界中の関心がウイリアム王子と妻のキャサリンさんに集まった。
行き先々に人だかりができ
イギリス王室の顔となっている。
注目はキャサリンさんのファッションにも。
庶民的なブランドを着こなす気取らない姿が共感を呼んでいる。
(市民)
「王室に親しみを感じる。」
「若い世代は一般の人の感覚に近い。
 王室の一員としても自覚も十分。」
多くの人をひきつけるウイリアム王子夫妻。
この人気を支えるのがイギリス王室の優れたイメージ戦略である。
王室はツイッターやフェイスブックなどのメディアを駆使し
女王や王族の日常を発信。
“親しみやすさ”の演出に力を入れている。
イメージ戦略を強化するきっかけとなったのは18年前。
国民に人気が高かったダイアナ元皇太子妃が交通事故で亡くなった。
その後 国民の王室の支持率は過去最低の約30%まで落ち込んだ。
さらに国の財政状況が厳しいことを理由に年間66億円の王室費も廃止された。
危機を乗り越えようと王室はエリザベス女王のもと“開かれた王室”を掲げイメージ戦略に取り組んでいる。
かつてバッキンガム宮殿で報道官を務めたディッキー・アービターさんは
王室のウェブサイトを立ち上げるなどイメージアップに努めてきた1人である。
(バッキンガム宮殿 元報道官 ディッキー・アービターさん)
「女王陛下はすっかり変わった。
 服装もカラフル。
 王室は誰からも親しんでもらえるよう努力している。」
経済的な自立も求められた王室。
所有する土地を利用したビジネスにも力を入れている。
ロンドン中心部 世界のブランド店が軒を連ねるリージェントストリート。
この通りのほとんどが王室の土地である。
テナントからの賃料など都市部の不動産収入は年間450億円を超えている。
洋上でもビジネスを展開。
イギリスの海岸線の50%以上を保有していて
風力発電事業を行う企業に用地を貸出し収入を得ている。
さらに王室はブランド力の強化にも余念がない。
王室のメンバーがデザインした雑貨などを販売する店。
売り上げは年間数億円にのぼるが収益はすべて環境保護や教育などに取り組む慈善団体に寄付される。
(日本人観光客)
「チャリティーになっているそうで非常にいいと思う。」
今では60%以上にまで回復した王室の支持率。
王室のビジネスにも追い風となっている。
イギリス南部のパウンドベリー。
王室所有の土地に住宅やオフィスが建ち並んでいる。
チャールズ皇太子が20年前から開発を手掛けてきた。
最近町に移り住む人が相次いでいる。
開発前と比べ地価は10倍以上も上昇。
周辺の地域も合わせた土地の賃料は年間53億円にのぼる。
王室のブランドに魅かれ企業も続々と進出。
有機栽培の原料でシリアルを製造販売する会社も町の発展を歓迎している。
(シリアルメーカー マーケティング責任者)
「王室とつながりの深いこの町に居られてとてもうれしい。」
存続の危機をもくぐり抜けてきたイギリス王室。
新しい世代も誕生しそのブランド力はますます高まりそうである。
(バッキンガム宮殿 元報道官 ディッキー・アービターさん)
「上の世代が築き上げてきたものを引きつぎ
 新しい世代が様々な取り組みを行っている。
 国民は王室のことを好意的に見ている。」

 

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ドイツ 「借金ゼロ」予算の背景は

2015-03-10 07:30:00 | 報道/ニュース

2月25日 キャッチ!


ユーロ圏経済のけん引役を担っているのがドイツだが
かつて自国の債務拡大でハイパーインフレに陥ったという苦い経験がある。
ドイツは今年の予算策定では国債を発行しない
いわば「借金ゼロ」という思い切った決断をした。

去年11月 ベルリンの連邦議会で行われた予算審議。
賛成多数で2015年の政府予算案が可決された。
可決されたのは国の借金にあたる国債を一切発行しない「借金ゼロ」の法案である。
ドイツが借金をせずに予算を組むのは
西ドイツ時代も含めて1969年以来 
46年ぶりという大胆な決断だった。
(ドイツ ショイブレ財務相)
「きょう我々が決めた予算案は未来に向けた義務でもある。」
今年のドイツの国家予算は歳入歳出ともに2,991億ユーロ(約44兆円)。
堅調な経済を背景に歳入の9割以上を税収が占める見通しである。
伝統的に財政の均等を重んじてきたドイツ政府。
しかし旧東ドイツ地域の復興に多額の支援を行った1990年代や
世界的な金融危機が広がった2000年代後半には国債の割合が歳入の2割に迫ることもあった。
それが超緊縮財政へと舵を切った最大の要因は
ヨーロッパの信用不安である。
ギリシャなど南ヨーロッパの国々で債務が膨らみ
市場から容赦なく国債を売られ次々に危機に陥ったことがある。
(ドイツ メルケル首相)
「政府は国民や経済に信頼と安心を保証しなければならない。
 それは我が国だけでなくEUやユーロ圏に対しても同様です。」
ドイツが抱える累積債務は対GDP比で約77%。
ギリシャの175%やイタリアの128%に比べると小さいものの
EUが定める基準の60%は満たしていない。
国内で少子高齢化が進む中で社会保障費の負担もさらに膨らむ見通しである。
専門家は信用不安の再燃を防ぐためにもドイツはいまこそ財政の健全化に取り組むべきだと主張する。
(ケルン経済研究所 ブリューゲルマン上席研究員)
「ドイツが歳出を増やして借金をする理由はありません。
 労働人口の減少と社会保障費の増大が進む中
 やるべきことは借金を減らすことです。」
その一方でドイツ国内では緊縮予算の影響が広がっている。
ベルリン市内の幹線道路に架かる橋にひとつは老朽化で車の通行が去年から禁止されている。
ある公立の学校ではあちこちに修理に必要な個所があるが危険性が低いとして修理の費用がなかなか出ないと言う。
(公立学校 校長)
「政府は改築資金を確保すべきです。
 子どもたちは国の将来を担うのです。」
世論調査によると政府の「借金ゼロ」予算に賛成と回答した人は54%
反対は43%とほぼ拮抗している。
(賛成派 市民)
「今から少しずつ返済しないと次の世代に返済不可能な借金がのしかかることになる。」
(反対派 市民)
「政府の緊縮策は必要なインフラ整備に配慮しないで進められています。」
「借金ゼロ」の決断で内外に財政再建への強い意志を示したドイツ。
決意を貫き通すことが出来るのか手腕が問われる。

緊縮財政への強いこだわりはドイツの歴史も関係している。
ドイツは第1次大戦 後膨大な借金によりお金の価値が下がる「ハイパーインフレ」を経験した。
これは過去の教訓として現代にも語り継がれている。
借金はできるだけ避けるべきという考え方は他の先進国に比べても非常に強い。
ウクライナ情勢や新興国経済など懸念材料はあるもののドイツ経済は堅調さを保っている。
去年の経済成長率は1,6%
内需がけん引する形で予想を上回る成長率を達成した。
堅調な経済を背景に税収も伸びている。
ドイツ政府は先端技術や教育など日張娜分野には積極的に投資をしつつ
今後も「借金ゼロ」の緊縮予算を続ける方針である。
景気対策よりも財政再建を優先させるドイツの姿勢にEU各国からは反発の声があがっている。
フランスは 
ヨーロッパの経済が低迷する中財政に比較的余裕があるドイツはより積極的な景気対策を行うべきだとしている。
(フランス マクロン経済相)
「ドイツはフランスより投資の余地は大きい。
 我々はともに投資を増やすことが必要だ。」
ただ今回のドイツの「借金ゼロ」は他のEU諸国の姿勢を見せるという意味合いもある。
ギリシャなどの国々に対して
支援に頼るのではなくまずは構造改革や緊縮策を徹底するよう求める狙いとみられる。
こうしたドイツの姿勢は
かつて痛みを伴う改革によって経済の回復を成し遂げたという自信に裏打ちされている。
10数年前 ドイツは失業率が10%を超え景気停滞が続き
「ヨーロッパの病人」とまで呼ばれていた。
これに対して当時のシュレーダー政権は
手厚い社会保障費の見直しなどの痛みを伴う改革を断行した。
国民の強い反発を受けて政権を失うほどだったが
これが現在の堅調な経済の築く土台となった。
厳しい環境の中でも支援に頼らずに改革を実施し経済を回復させた過去の体験から
ギリシャなどの南ヨーロッパの国々なども苦しくても同じ道をたどることが不可欠だとみている。
ドイツから見た日本は
ギリシャやスペインといった南ヨーロッパの国々と同様の問題を抱えた国と映っている。
経済の専門家は
日本は債務の削減に直ちに取り組むべきだといった意見が目立つ。
構造改革で民間企業の投資やビジネスの立ち上げを活発化させる一方
歳出を削る努力も同時に行うべきだと提言している。
ヨーロッパの中でも財政出動による景気対策か
緊縮策による財政再建か
どちらを優先させるべきかは意見が分かれている。
「借金ゼロ」のドイツの決断が今後どのように推移するのか
先進国の中でも異例といえる方針だけに注視していきたい。



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インド北東部 インフラ整備の狙い

2015-03-09 07:30:00 | 報道/ニュース

2月24日 キャッチ!


インドの北東部とは首都ニューデリーから約1500キロ離れた8つの州からなり人口約4,500万。
周りを中国、ミャンマー、ブータン、バングラデシュに囲まれている。
この地域はモンゴル系の住民が多いのが特徴で
チベットやミャンマーの言語に近い言葉を話す人々も多く
少数民族の数は100以上にのぼる。
去年5月に就任したモディ首相はこの地域と東南アジアとを結びつける政策の実行を明言し
日本も具体的な支援に向けて準備を始めている。

インド北東部 ミゾラム州アイゾール。
「ミゾラム」は高地に住む民族の土地という意味の通り
標高約1,000mの山の斜面に町が広がっている。
地元民「ミゾ」の先祖は16世紀に国境を接するミャンマーから移住してきた中国系の人たちだとされている。
経済的につながりが深いのもミャンマーである。
ミャンマー製、さらには中国で作られた日用品など様々なものが国境経由で運ばれてくる。
北東部の課題はインフラ整備である。
インドからの独立や自治を求める少数民族と政府軍などとの戦闘が長引いたため
特に道路の整備が遅れてきた。
北東部の1人当たりのGDPは全国平均を約30%下回っている。
この現状を変えようとしているのが経済手腕への期待が高いモディ首相である。
去年12月には北東部の祭りに首相として10年ぶりに出席し
インフラ整備に力を入れる方針を強調した。
(インド モディ首相)
「私は北東部の経済発展に優先的に取り組みます。」
インドの経済発展を実現するため北東部のインフラを整備し
成長が続く東南アジアとの結びつきを強う目ようとするモディ首相。
インドが1990年代から掲げてきた東南アジアなどとの関係を重視するルックイースト政策を
アクトイースト政策
に改め実行に移すと意気込んでいる。
このインドの動きを後押しするのが日本。
去年9月 両国は北東部と東南アジアを結ぶインフラ整備の協力で合意した。
1月からはJICA(国際協力機構)が日本から道路建設の専門家を派遣。
インド側から協力を求められている合わせて1200キロを超える幹線道路などの整備に
円借款の供与が可能か調査を始めている。
調査対象のひとつがミゾラム州とミャンマーを結ぶ約370キロの国道である。
人や物資を運ぶ重要な道路だが路面状況が悪いうえに土砂災害が頻繁に起きている。
(タクシー運転手)
「道路の状態が悪くて危険です。
 パンクすることが多いし車も長持ちしません。」
調査を指揮するのは日本や海外の山岳道路を指揮してきたベテラン技術者である。
地滑りが起きそうな危険な場所を探したり
水はけを良くする排水溝の状況を確認したりして
どうやったら安全で走りやすい道路に改良できるかを調べている。
(トラック運転手)
「道路の状態が良くなれば暮らしも良くなります。」
(日本工営 片桐英夫さん)
「ノウハウをすべて出し切って
 インドのために日本の技術を紹介するために限りなく挑戦したい。」

インドはこれまでルックイースト政策を掲げながらも東南アジアとの結びつきを強める動きは乏しく存在感が薄かった。
モディ首相としてはアクトイースト政策をでこの現状を変えることを目指し
インフラ整備はもちろん政治的な関係強化も進めようとしている。
去年11月のASEAN首脳会議でモディ首相は南シナ海の領有権問題について中国をけん制する発言をした。
専門家はインドは中国の影響力の拡大を警戒する立場からも
積極的に政治・経済両面で東南アジアとの結びつきを強めていくと指摘している。
(オブザーバー研究財団 ジョシ特別研究員)
「東南アジアなどの重要性が高まるにつれインドは連携を強めようとする。
 中国がインド洋に進出するように我々も国益を守るため行動する可能性がある。」
ただインドは中国との経済的な関係も深く過度に刺激したくないのも本音で
アクトイースト政策が今後どのような変化をもたらすかはもう少し時間をかけてみていく必要がある。
日本としても間接的に大国インドの東南アジアへの接近を後押しすることで中国とのバランスを取る狙いがあるとみられる。
1月に岸田外相がインドのスワラジ外相と会談した際もこの北東部のインフラが議題のひとつになった。
JICAの現地調査は今年10月まで行われ
その後 円借款の内容が具体化する予定である。
インフラ整備を急ぎたいインド政府と日本政府の思惑は一致しており
インド北東部の開発のスピードが速まる可能性がある。




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フランス 「マクロン法案」働き方は変わるか

2015-03-08 07:30:00 | 報道/ニュース

2月23日 キャッチ!


フランスのバルス首相は議会下院に当たる国民議会で
マクロン経済相がまとめたいわゆる「マクロン法案」を憲法上の規定を行使して採決を経ずに採択した。
(バルス首相)
「成果は数年後に現れますが法案を通すため政府は何でもします。
 この法案はフランスに恩恵をもたらします。」
法案を取りまとめたのは去年8月 36歳という若さで経済相に就任したエマニュエル・マクロン氏である。
彼の名前をとったこのマクロン法案は
様々な分野の規制緩和を行い景気回復を目指すというもので100を超す条文がある。
この中にはたとえば初めての試みとして
パリのシャンゼリゼ通りやニース、カンヌなど観光客が多い地域の商業圏を「国際観光エリア」として
毎日午前0時までの営業を認めるというものもある。
しかし労働環境の悪化を懸念して身内の与党社会党からも法案に反対の声が相次いだため
バルス首相は年に1回しか行使できない憲法上の規定を行使して
議会の採決を経ずに法案を採択する道を選んだ。
今回の法案の中で特に議論を呼んだ条文が80条の日曜営業の規制緩和である。
長年フランスではキリスト教の思想などから日曜日は“家族で過ごす安息の日”とされている。
労働法でも日曜日は休む日と規定され原則として営業はできないが
特例として小売店は年間5日間まで日曜日の営業が可能で
県などによっては条例などで日曜日の営業が認められている。
今回のマクロン法案では日曜営業の規制をより緩和して年間12日まで営業できる日を増やそうとしている。

労働時間と日曜営業の問題でフランスではある論争が起きている。
去年 最優秀パン職人に輝いたカズヌーブさんは毎日休みなしにパンを販売。
突然の警察の呼び出しに驚いた。
ランド県では条例によりパン屋は週1日の休業が義務付けられていたからである。
(パン職人 カズヌーブさん)
「労働監査官が調査のために来て警察からは悪党扱いを受けて訊問されました。
 『私たちはパン職人を尋問するほど暇じゃないんだ』とはっきり言われました。
 次は裁判所行きです。」
週1回休業日が出来たことにお客さんも驚いている。
(買い物客)
「びっくりしたよ。
 法律なら仕方ないね。」
「休まざるを得ない・・・。
 バカバカしい条例だね。」
一方で条例を支持する声もある。
その多くが従業員が少なく週7日の営業が不可能な小さなパン屋である。
(パン店 従業員)
「すべてのパン屋が週7日営業ができるワケではありません。
 できない店はシェアを失いそのぶんが7日営業できるパン屋の儲けになります。
 特に大型店が有利になるのです。」
カズヌーブさんは苦い思いをしている。
利益が下がり従業員を週2日休ませなくてはならなくなった。
(パン職人 カズヌーブさん)
「損失は25万ユーロ(約3,400万円)です。
 近いうちに従業員を何人か解雇しなければならないでしょう。」

フランスでは外資系企業やネット通販などの台頭で小売店の中で生き残りをかけた競争がますます激化している。
(一橋大学大学院 田中拓道准教授)
「法案の可決は社会党政権が政策転換を行ったという帰結だと思う。
 マクロン経済相はもともとサルコジ政権で自由主義的な企業寄りの政策を推進する委員会のスタッフだった。
 オランド政権は去年8月にいわば人々の購買力を強化する分配政策から
 企業寄りの自由主義的な政策に転換を図ったということになる。
 今その延長上にマクロン法案が提出されたが
 これを巡って社会党の中で分裂が起こり
 こうした手段を取らざるを得なかった。
 労働組合から見れば日曜労働の禁止というのはいわば自分たちが勝ち取った休息の権利だと考えられていた。
 休息の権利を侵害して強制的に働かされることに反対が強い。
 去年12月に行われた世論調査で
 国民の6割は日曜労働の規制緩和に賛成で
 過半数は労働の休息の権利よりも今は経済成長を優先すると考えている。
 今回の法案は一部業界の規制緩和や日曜労働が年5日間から12日間の拡大など
 まだ一握りの改革で雇用規制全般に踏み込んでいるとは必ずしも言えない。
 おそらく長期的にはフランスもフレクシキュリティ(転職などしやすい柔軟な労働市場と手厚い社会保障)に向かうと思うが
 今回の法案だけではまだ入り口に立っているだけだと思う。
 非常に大きな転換点となる可能性はあるがマクロン法案は先ほども言ったように
 ごく一握りの業界の改革で労働規制全般に踏み込んだものではない。
 この段階で憲法49条3項を使わなければ可決できないという状況にあるので
 今後さらに自由主義化が進んでいくのはかなり難しいのではないかと見ている。」

 

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インドネシア ニシキゴイ 大人気

2015-03-07 07:30:00 | 報道/ニュース

2月28日 おはよう日本

錦鯉は江戸時代以降 日本国内で品種改良が進んだ日本が誇る観賞魚。
インドネシアでは錦鯉をそのまま「KOI」と呼ぶほど人々の心をつかんでいる。

インドネシアの首都ジャカルタ。
ショッピングモールの池では子どもたちがコイのエサやりを楽しんでいる。
エサを買ってニシキゴイに与えられるとあって多くの家族連れでにぎわっている。
「コイ大好き。」
「色がとても鮮やかで見ていて飽きることがありません。」
インドネシアでは富の象徴とされてきた観賞魚の日本のニシキゴイ。
かつてはごく一部の裕福な人しか飼育できなかった。
しかし最近では経済成長に伴い多くの人たちにすそ野が広がっている。
今では愛好家は4万3,000人を超えるとみられ
毎月 各地で品評会が開かれている。
ジャカルタで開かれた品評会では250人以上が自慢のコイを出品した。
色や艶、それに模様や形を判定しどのコイが一番美しいかを競う。
(愛好家)
「稚魚から育て品評会に出すまで成長を楽しめます。
 きょうは100匹出品しました。」
「数十種類いて
 それぞれがユニークさを持っているのがニシキゴイの魅力です。」
愛好家の中には世界の頂点に立つ人も現れた。
西ジャワ州のバンドンで海運会社を経営するハルトノ・スクワントさん。
世界で最も権威が高いとされる日本の品評会で一昨年、総合優勝をする快挙を成し遂げた。
ニシキゴイの飼育を始めたのは4年前。
エサや環境によってみるみる変わるコイの姿にすっかり夢中になったと言う。
(ハルトノ・スクワントさん)
「エサの種類によって太ったり痩せたりするし
 体の色も黄色や白に代わるところが面白いですね。」
美しいコイを育てるためならお金に糸目はつけない。
色を鮮やかにするためのエサは一袋7,500円もする日本製の高級品。
病気にならないよう水温を一定に保つ装置や水を常に浄化する装置をそろえた。
これまでに使った金額は日本円で7,700万円余。
しかしニシキゴイのおかげで富裕層の間に友人が増え
本業の海運会社の顧客拡大にもつながったと言う。
(ハルトノ・スクワントさん)
「ニシキゴイなしの人生なんて考えられません。
 コイのおかげで有名になれたんですから。」
2月にバンドンで3日間にわたって開かれたインドネシア最大級の品評会では
観客を含め500人余りの愛好家が訪れた。
審査員として参加したのが日本の業者12人である。
ニシキゴイブームの盛り上がりに期待を膨らませている。
日本のニシキゴイの輸出額はこの10年で欧米向けは大きく減少している一方
インドネシアは20倍近い2億円余に急増している。
審査員の1人 広島県でニシキゴイの養殖業を営む阪井健太郎さん。
短い休憩時間の間に積極的に愛好家たちにあいさつ回りを続けた。
(阪井健太郎さん)
「新しい愛好家の方も増えていると感じましたのでビジネスチャンスも広がってくると思います。」
阪井さんの会社で出荷するニシキゴイの95%はいまや海外への輸出向け。
巨大市場インドネシアに活路を見出そうとしている。
(阪井健太郎さん)
「どうしても海外に打って出ないと今後成り立っていかないので
 インドネシアではコイが広がる可能性が無限大にあるので
 コイのプロモーションなどしっかりやっていきたいと思います。」
“泳ぐ宝石”とも称されるニシキゴイ。
インドネシアの人々を魅了する日本のブランド品として確固たる地位を築こうとしている。

 

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逆境こそチャンス 被災地続々 ベンチャー

2015-03-06 07:30:00 | ビズ プラス

2月22日 BIZ+SUNDAY


震災直後に設立されたMAKOTO。
被災地のベンチャー企業を支援している。
100人以上の企業家に対し経営相談や資金調達を行ってきた竹井智宏さん。
漁業や農業など既存の産業が大きな打撃を受けた被災地。
竹井さんはこの逆境を新しいビジネスを生み出すチャンスととらえている。
(MAKOTO代表理事 竹井智宏さん)
「今 東北は分岐点にいる。
 生まれ変わる東北を私たちは作る。
 今のチャンスしかない。
 今のチャンスに全力を尽くしていくことが必要。」
MAKOTOによってこれまでにないビジネスが被災地に生まれている。
たとえば寝たきりに近い人でも楽に移動できる足こぎ車椅子。
高齢化社会の新たなニーズにこたえるビジネスである。
将来を担う1、000人のIT技術者を被災地で育成するプロジェクトも始まっている。
若手のエンジニアが地域の子どもたちにアプリの開発を指導している。
(イトナブ代表 古山隆幸さん)
「たくさんの思い 夢 希望を残したまま亡くなった方がたくさんいる。
 だからこそ自分たちが変えられるところを変えなきゃいけない。」
2月 MAKOTOは企業家を応援するイベントを開催した。
竹井さんが大切にしているのが人と人との新しいつながり。
壇上にのぼったのは震災後事業を始めた企業家たち。
ビジネスにかける熱い思いを語った。
(福島・いわき市の企業家)
「私の実家の製氷会社は津波で流され
 父親も流されました。
 元通りになってしまったら復興にかけた5年10年はロスだと思って
 どうせかけるのであればさらに良くなった副島 東北 日本を作りたい。」
客席を埋め尽くした700人の聴衆。
その中には企業家に投資したいと考える人も数多くいた。
「私自身も今日 感染した。
 社長の意気込みに観戦したみたいなそんな感覚を受けた。」
「情熱の塊のような人が集まっている。
 来てよかった。」
震災によって失われた多くの命。
人と人のつながりをもう一度取り戻したいという思いがイノベーションを支えている。
(MAKOTO代表理事 竹井智宏さん)
「いろんな人たちにここに参集していただく。
 その中から新しい結合 機運を生んで次につなげていく。
 もっと目指す先は遠くにある。
 これは一個の通過点に過ぎない。」

 

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逆境から生まれた震災イノベーション

2015-03-05 07:30:00 | ビズ プラス

2月22日 BIZ+SUNDAY


震災が起きる前 被災地を支えていたさまざまな産業は
原発事故や津波によって壊滅的な打撃を受けた。
そうした既存の産業を取り戻そうという動きとは別に
これまで被災地になかったビジネスを生み出す挑戦が始まっている。

いま福島で新たな産業が生まれようとしている。
ロボット産業。
仲間とともにロボットの開発会社を立ち上げた馬場法孝さん。
人間が立ち入れない過酷な災害現場に遠隔操作で入ることが出来るロボットの試作機が間もなく完成する。
(アイザック 馬場法孝さん)
「ちょっと感動した。
 ここまで来るとは思わなかった。」
何故ロボット開発なのか。
多くの住民に避難生活を強いることになった東京電力福島第一原発の事故。
廃炉作業に欠かせないロボットを自分たちの手で作りたいと考えたのである。
ふるさとを取り戻したいという思いが生んだイノベーションである。
(アイザック 馬場法孝さん)
「避難されている方もいる。
 そういう思いは続いているからそれを受け継ぎながらロボットをやる価値がある。
 地元で地元の人間がやるのはすごく重要だと思う。」
副島では下請けからの脱却というイノベーションも起きている。
震災前 大手企業の下請けとして原発で使われるタンクを作っていた鉄工所。
津波によってすべての機械が壊れた工場。
タンクの受注も無くなり倒産の危機に追い込まれた。
(会川鉄工社長 会川文雄さん)
「今までの受注先が無くなるからおさめるもの作るものが無くなる。
 企業を存続するか考えた。」
倒産の危機をどう乗り越えるか。
これまで下請けとして部品を納品するだけだった会川さん。
自ら製品を開発する自立した企業に生まれ変わろうと考えた。
ふるさとを取り戻すためロボットを作る。
70年続いた下請けからの脱却を決めた。
(会川鉄工社長 会川文雄さん)
「皆さんから“会川鉄工がロボット出来るはずない”と否定された。
 勉強して“ロボットでやるんだ”と声を高々にしたら徐々に。」 
会川さんがいま開発しているのは山林火災が発生したとき人に代わって現場に行けるロボット。
その名も“がんばっぺ1号”、。
さらにf改良をすすめ将来は廃炉作業に役立てたいと考えている。
会川さんのように下請けを脱却しロボット開発に取り組む企業がいま増えている。
副島にこれまでになかった新しい産業が生まれようとしている。
(会川鉄工社長 会川文雄さん)
「福島の企業集団がロボット産業として雇用を生み日本、海外までロボットを売る。
 それで初めて我々の計画が実現する。
 “福島変わったね”“すごいね”と言われるように努力したい。」
震災後 被災地を埋め尽くした大量のがれき。
このがれきを処理する中で生まれたイノベーションがある。
それはこれまでになかった新たな技術である。
100万トンのがれきが発生した岩手県釜石市。
海水に使った瓦礫は塩素を含んでいるため
燃やすとボイラーの一部が壊れてしまうという問題を抱えていた。
これを解決しようと動いたのがボイラーメーカーの野上和利さん。
(ビー・エス・ティ 事業部長 野上和利さん)
「塩素が水蒸気と反応しボイラーをいためる。」
ボイラーが壊れればがれきの処理が滞り復興が遅れてしまう。
野上さんは試行錯誤を続けた。
そして発案したのがボイラーを3分割する方法。
ボイラーがいたんでもそこだけ交換すれば済む。
修理に時間がかからないためがれきの処理が滞ることがない。
しかしさらなる課題が。
がれきに含まれるケイ素という物質が燃えるとボイラーにこびりつき燃焼効率が著しく下がるのである。
野上さんはこの課題にも取り組んだ。
ボイラーの試作を繰り返しケイ素がこびりつかないよう内部の構造を作りかえることに成功した。
がれきと格闘する中で生まれたイノベーションである。
(ビー・エス・ティ 事業部長 野上和利さん)
「不可能なものに挑戦するのがとても大事。
 私たちは人がしないことに挑戦する使命を持っている。
 責任感がたきつけられた。」
この新しい技術はいま巨大なビジネスを生み出そうとしている。
東南アジアの大国インドネシア。インドネシアは国産のパームオイルを取る際に出る大量の廃棄物の処理に長年悩んできた。
廃棄物にはがれきと同じ塩素とケイ素が大量に含まれているためボイラーで燃やすことが出来ずにいた。
そこで白羽の矢が立ったのが野上さんのボイラーだった。
(インドネシア技術評価応用庁 エルラン上席研究員)
「ボイラーは我が国の問題解決の助けになる
突破口のひとつとして期待している。」
インドネシア政府は野上さんのボイラーの購入を検討していて
実現すれば1500億円の巨大ビジネスとなる。
(ビー・エス・ティ 事業部長 野上和利さん)
「がれきで技術を蓄積しそれを基に世界に出る。
 発想の転換によって震災をチャンスにとらえた。」



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