またバス話となります。
私の横に立った女性、おそらく私より若いけどそこまでかけ離れた若さではなさそうな女性が、
ぱぱぱっと本をだし読み始めた。
右手は吊革、左手には文庫本を開き、ぐぐっと集中して字を追っている。
いやぁ、すっごく知的に見えちゃいます。あ、そもそも知的な方なんでしょね。
で、いつものごとく、気になる。
いったい何を読んでいるのですか?その本のタイトルは作者は感想はいかがなもんでしょか?
訊きたい訊きたい教えてちょ。
ひょいと横から本をつまみ、取り調べしたくてむずむず。
普通に声をかけて訊く勇気はなし。
でもすっごく気になってたまらんので、バス車内後方をみるふりをして、
(私は進行方向、彼女は私の右側に立っている)
ぐるっと、なにげに後方を見る動作をして、その途中彼女の手元の文庫本に1,2秒目をとめ注視っ。
そこまでして他人が何を読んでるか知りたいのかなんですけど。
で、彼女の読んでいた本はなんだったのか。
結果、不明。
だってよぅ、カバーというか表紙というか裏返しにかけてて真っ白だったのよ。
あぁ、その手は確かに使うことあるよな。ちょっと人目にはって感じのタイトルや装丁のときやったりする。
あぁ、私の努力と冒険が。無意味なアタックだった…。
さらに私のちら見や行動が不信感を与えたのか、集中の邪魔だったのか、
彼女は私の真後ろに移動してしまった。
虚しく恥ずかしい。
だけどね、この私が逆に何を読んでるか訊かれちゃったのよ(笑)。
場所は某所。
『いつも本読んでるけど何を読んでるの』と顔なじみの男性。歳はかなり上。
訊かれたので、読んでる本の表紙を見せたら。
『ほぅ。面白いかい?私はこの本読んでるんだけど、これも面白いよ』
差し出された本は、「シルバー川柳 誕生日ローソク吹いて立ちくらみ 」
ど、どう反応したらいい?
面白いのはわかるけど、実際ばりばりシルバー世代から差し出され、
さらにその目の前でどんな顔して読めばいいんだい。
すっごい自虐よ、○○さん。
結局何を読んでるのか訊かれたというより、自分はこれを読んでるぞと言いたかっただけなのか?
おぉ懐かしい。