ピーター・ジャクソンの冒険作。原題は愛すべき骨たちなんですよね。
猟奇的殺人の被害にあった少女たちに贈る鎮魂歌らしいストーリーのように思えるが。。。。どうも悲しみや憤りを露骨に表した作品ではないようだ。
東宝シネマズ二条にて鑑賞。
いきなり14歳の主人公の少女が殺害されたところから始まる不思議な物語。
同名小説「ラブリーボーン」の映画化。何と世界30カ国以上で1000万部以上売上げ、出版界に一大センセーションを巻き起こした驚異のベストセラー。
監督ピーター・ジャクソンが原作と出会ったのは2002年。最初に原作を読んだのは、「ロード・オブ・ザ・リング」の脚本を手がけているフィリッパ・ボウエンで、そのあとピーターの内縁の妻であり、製作に携わっているフラン・ウォルシュが読み、最後にピーターが読んだ。映画化についてはまったく考えず読んだが、3人ともこの小説に魅了されてしまい。。。気がつけば映画化という言葉が頭に浮かんだと話す。
しかしそれは非常に難しくチェレンジングなものになることはピーター自身わかっていたという。でもだからこそやってみょうという気になったと語っている。
いきなり14歳の少女スージーは、殺され亡くなってしまう。そこから物語は始まるわけで。死んだ人間が死後の世界でどんな風にどんなところでどうしているなんて、正直想像できる話ではないが。本作ではその世界がくまなく描かれている。
死んだらどうなるのか?って一度は誰でも頭の中をよぎったことだろう。それは身近な人が亡くなった時、一番感じる事じゃないだろうか。という意味ではこの物語にはある意味、凄い関心を持たせるものだったかもしれない。
まあ肩透しを食らう場面は多かったけれど。もし亡くなってこの主人公スージーのような同じ立場だとしたら、自分は何をどういう風に感じたり、思ったりするんでしょうね。そんな事を合わせながら鑑賞しました。
STORY
私の名前はスージー・サーモン。お魚みたいでしょ。
1973年12月6日。学校からの帰り道に、近所に住むある男に呼び止められた。
そして、私は14歳で殺されたーーー。
優しい両親とかわいい妹弟に囲まれ、楽しく幸せな毎日を送っていた14歳の少女、スージー・サーモン。初恋の予感に胸をときめかせていたある冬の日、彼女は近所の男に無慈悲に殺されてしまう。最初は自分が死んだことにも気づかなかったスージーだが、やがて天国の入り口に辿り着く。そんな中、犯人は警察の捜査を切り抜け、平然と日常生活を送っている。一方、愛する娘を失った家族は深い悲しみに暮れていた。やがて、父親は残された家族を顧みず犯人探しに妄執し、自責の念に苛まれていた母親はそんな夫に耐えられずに、ついに家を出てしまう。バラバラになっていく家族を、ただ見守ることしかできないスージーだったが…。
スージーの死は両親に大きな悲しみを与えることに。。。。
ピーター・ジャクソン監督とスージー役のシアーシャ・ローナン
シア―シャちゃんといえば、キーラと共演した「つぐない」で、何と13歳でアカデミー賞にノミネートされた注目若手女優さんです。現在15歳です。
そしてこの男が、スージーを殺した憎き犯人ジョージ・ハーヴイ 。
よく見たら「ジュリ―&ジュリア」でメリル扮するジュリアの優しい夫を演じたあのスタンリー・トゥッチ さんじゃあないですか!
実はスタンリーさん、この役を引き受けるかどうか悩んだらしい。極秘の犯○者の自白映像も見たらしい。きつかったと話す。
ジョージは結婚していたらしいけど、子供はいないという設定。一人で大きな家に住んでドールハウスなんぞを作っている得体のしれないおっさん。まさに変○野郎です。
スージー・サーモン シアーシャ・ローナン
物語の主人公。1973年12月6日、14歳で殺害される。以降天国から家族や友人、そして犯人の人生を見届ける。
ジャック・サーモン マーク・ウォールバーグ
主人公の父親。犯人(ハーヴイ)を探すことに執着している。そして犯人を見つけ独自に捜査する。
※父親のジャック役にはライアン・ゴズリングが配役されていたが、制作方向性の相違により降板。その後マーク・ウォールバーグが起用されたらしい。
アビゲイル・サーモン (右)レイチェル・ワイズ
主人公の母親。娘を守れなかったことが罪悪感になり苦しんでいる。夫が犯人のことばかり考えていることに嫌気がさし家を飛び出す。
リンジー・サーモン(右)ローズ・マクアイヴァー
主人公の妹。「殺された少女の妹」と言われつらい思いをしている。犯人を怪しいと感じ犯人の家に乗り込む。妹役のローズは現在22歳だそうです。実はシア―シャちゃんよりお姉さんでした。
スージーの弟バックリー・サーモン クリスチャン・トーマス・アシュデイル
リン スーザン・サランドン
主人公の祖母(母方の母)。お酒と派手なことが好き。娘(母親)とは仲はよくないが本人なりのやり方で家族を励ましている。 えらい化粧が濃かった。
大好きな家族に会いたい。
もっと恋がしたかった。
私を殺した犯人のこと、伝えたい。
やり残したことがいっぱいある。でも地上へこの思いは届かない。
天国?では、何でも願いが叶うのに・・・。
初めは自分の死を受け入れられないスージーは遠くの国から見守るうちに、成長していくお話。。。。そんな感じですかね。
大好きなレイ(リース・リッチー)ともキスも出来て良かったんだけど。。。。
ただ彼女の遺体が金庫に入れられたまま土の中に埋められるというあのシーンは凄く痛い。
妹のリンジーが危うく犯人に捕らえられるとハラハラしましたが、何とかセーフ
また憎きジョージ・ハーヴイが捕まるのか?と思いきや何故か上手く逃げてしまいます。でも最後は自ら○爆
スージーの天国のような“中間の地”を作りだす
中間の地という限りない領域を創る時、ピーター・ジャクソンは、スージーの希望や喜び、そしてもっとも深いところにある恐れを反映させる視覚的なメタファーを使う事にした。中間の地はスージーの感情が元になっている。この辺はかなり難しかったようだ。
個人的は結構好きな作品でした。色々腑に落ちないところもありましたが、ピーター・ジャクソン監督の冒険作には拍手を贈りたい気持ちです。
アリス・シーボルドの同名ベストセラーを「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのピーター・ジャクソン監督が映画化した異色のファンタジー・ドラマ。わずか14歳で残忍なレ○プ殺人犯の犠牲となり天国へと旅立った少女が、崩壊していく家族に魂を寄り添わせ、その再生を見守る中で自らも悲劇を乗り越えていく姿を、優しい眼差しでファンタジックかつサスペンスフルに綴る。出演は、14歳のヒロインに「つぐない」のシアーシャ・ローナン、その両親にマーク・ウォールバーグとレイチェル・ワイズ。また、「ターミナル」「Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?」のスタンリー・トゥッチが憎々しい犯人を好演。
メディア | 映画 |
上映時間 | 135分 |
製作国 | アメリカ/イギリス/ニュージーランド |
公開情報 | 劇場公開(パラマウント) |
初公開年月 | 2010/01/29 |
ジャンル | ドラマ/ファンタジー/サスペンス |
映倫 | G |
製作総指揮にはスティーヴン・スピルバーグ
そして字幕はあの戸田奈津子さんでした。
http://www.lovelyb.jp/
シアーシャ・ローナンちゃんはすごい美人だし、スタンリー・トゥッチは素晴らしくキモいしと、出ている人は結構気に入ってるし、個々のシーンそれぞれにもあまり文句は無いんです。妹のファーストキスのシーンとか切なくて良かったですよね。
ただ、全体としてみると、どうも登場人物の絡み具合が薄いというか、バラバラな気がして。それぞれの行動による因果関係が見えてこないのがどうにも…。
あとは最後ですかね、やっぱり。日本人的感情としてはどうもスッキリしないです。
この作品、私は未見なのですが、
世間では賛否両論分かれているようですね。
『ジュリー&ジュリア』のスタンリー・トゥッチの悪役って想像つかない私。。。
映像は美しそうだし、
シアーシャ・ローナンの演技は好評のようですね☆
私は意外にも好きな作品でした。
ピーター・ジャクソン、難しい作品に
あえてチャレンジした事には拍手したいです。
死後の世界ってどんなものなんだろう?
皆誰しも思う事を映像にするなんて、
本当に凄いと思うのですが。。。。
わたしも全体通して楽しめたのでOKです。
後半はあれぇ?って思う所も多かったけど、、、
でもあの映像世界は劇場でみる価値あるし、
ファンタジーだと思えば少女の行動もなんか納得出来ますよね
結構楽しめましたよね。
ピーター・ジャクソンのチャレンジ
は成功したと思います。
美しい映像でしたね♪
そうですね、ああいう病的な殺人犯役になるのは、結構悩むでしょうね。印象はあとあとまで残りますし、よっぽど役作りに集中しないといけない。
よく演じていたと思いますね。
ジャクソン監督がこの映画で何を伝えたいのかがよく解りませんでした。
題名の「THE LOVELY BONES」も、直訳ではなく、何か日本人には解らない慣用句のような物だと思っていました・・。
しかし、mezzotintさんが記事の冒頭で、
>原題は愛すべき骨たちなんですよね。
と、書かれてあるのを読んで、頭の中で「そうか!!」と思ったのです。
的を得ているかどうかは分かりませんが、
この「愛すべき骨たち」という題名には、現実の世界で、今までに犯罪によって殺されてしまった少女(あるいは少年)たちに対する鎮魂の意味と、
その子たちの肉親の深い悲しみ、そして
「おまえが死んでしまっても、いつまでも“LOVELY”だよ」という親の思い、
そして「こういう悲しい事件は、もう二度と起こしてはいけない」という原作者アリス・シーボルトの強い思い、
これらが全てニュアンスとして含まれているのではないか、と気付いたのです(当たっているかどうかは分かりませんが)。
もしそうだとすれば、劇中でスージーが、今まで犠牲になった子供たちを一人、一人紹介するシーンの意味が理解できるような気がします。
ふと気が付いて、書き込み過ぎました。ごめんなさいm(__)m。
もう一度本作を観てみたくなりました。
素晴らしいヒントを有難うございました(^^♪
難しい映画をよくぞここまで頑張った・・・というかんじですね。
実際、迷宮入りの事件とかあるわけで、犯人が見つかりそうで見つからないもどかしさなど、すごく現実味があるように感じました。
妹ちゃんは、スージーよりずっと大人っぽいと思ったら、やっぱり年上でしたね。
そのむずかしさみたいなもんが描かれていたんではないかと思うんですが、こうでも思わなきゃ、救われない・・・みたいなね。
で、この狭間の世界なんですが、かつて見た「奇蹟の輝き」って言う映画をほうふつさせました。
ま、この映画は、あの子をすえた時点で、クオリティがぐぐっと上がりましたね。