京都シネマにて鑑賞。「サラエボの花」のヤスミラ・ジュバニッチ監督作品、これってサラエボシリーズなのかしら?
前作「サラエボの花」、鑑賞しましたが、結局記事に出来ず、、、。
サラエボって街の名前は良く耳するけど、さて何処にあるの?と聞かれるとう~ん?分からないわ(汗)
実はボスニア・ヘルツツェゴビナ連邦の首都がサラエボだそうです。しかしボスニアという国もどのあたりにあるのか?というと、ここだよとはっきり答えられない。情けない話だが、、、、。
とにかく知っているのはボスニア紛争。
詳細は以下の通り(ウィキぺディアより拝借)
ユーゴスラビア解体の動きの中で、ボスニア・ヘルツェゴビナは1992年に独立を宣言したが、独立時に約430万人の人口のうち、民族構成の33%を占めるセルビア人と、17%のクロアチア人・44%のボシュニャク人(ムスリム人)が対立し、セルビア人側が分離を目指して4月から3年半以上にわたり戦争となった。
両者は全土で覇権を争って戦闘を繰り広げた結果、死者20万、難民・避難民200万が発生したほか、ボシュニャク人女性に対するレ○プや強制出産などが行われ、第二次世界大戦後のヨーロッパで最悪の紛争となった
レ○プも強制出産も民族浄化の見せしめの一つの方法らしい。
そんな凄い内戦があったボスニアだが、15年も経った今では街もすっかり復興し、人々の暮らしも落ち着いている。そんな現在のボスニアの首都、サラエボで暮らすボスニア人(ボシュニャク人)のルナとアマルは同棲中の恋人同士。
アマルはアルコール依存症(戦争体験の後遺症が原因のようだ)
ルナは両親を目の前で殺されるという辛い体験があった。
それぞれ深い心の傷を負って生きていたが、お互いに愛し合っている幸せなカップルだ。
ところが、空港の管制室で仕事をしていたアマルが勤務中に酒を飲んでいたため、6カ月間の停職処分と禁酒セラピーへの出席を義務づけられるという試練を受ける事に、、、、。
2人の関係は何と。。。予想も出来なかった方向に、、、、。
それはある日、アマルは旧友バフリヤにばったり出会ったことからでした。その友人はイスラム原理主義を信仰。仕事を失ったアマルに仕事を世話すると言って自分たちの主催するキャンプに誘うのでした。ルナはどうもその誘いに心配、断るように説得しますが。ルナの心配をよそに、アマルは行ってしまいます。
イスラム原理主義とはどんなものなのか?ルナがアマルの後を追っていく事になります。
顔を布で覆った女性ナジャが車で迎えに来ます。そうそうナジャ役の女優さんですが、前作「サラエボの花」の主人公を演じた方らしいです。前作では母役でした。以前よりお痩せになったようですね。
車→船に乗ってある島へ渡ります。島で彼らはキャンプをしています。独特の雰囲気があります。飲酒もだめらしく、かなりいろんな面で制限もあるようですね。アルコール依存症のアマルにはある意味、良いのかな。
この雰囲気にいたたまれないルナは帰ります。
その後、アマルは別人のように変貌。ルナの祖母を中心として親戚一同が集まった断食明けを祝う場で、突然アマルが「みんながきちんとイスラム教の教えを守らないからダメなのだ!」と宗教指導者のようにお説教をしだすのです。
案の定、祖母たちとトラブルとなり、、、。アマルはこの場を出て行きます。
酒をたち、毎日熱心にモスクに通い、祈りを捧げるアマル。まったく人が変わったアマルを何とか理解しようと努力するルナでしたが。
驚いたのはこの宗教は一夫多妻制を推進している(という表現が良いのかどうか?)という事実。モスクに訪れたルナが見たのは若い女性がその多妻におさまるというシーンである。これを見てルナはショックを受ける。
見ている私も、こんなのありか?と疑問を持ちましたが。。。。。
こういうことを目のあたりにすると、イスラム原理主義という宗教に対して偏見を持ってしまいがちですが、、、、。一概に否定的な風に見るのはいけないなあと思います。それにどんな宗教なのかを理解しないで真っ向からダメだとも言い切れません。
後半はルナとアマルのお互いの価値観の相違が大きくなって行きます。あんなに愛し合っていたのにもかかわらず、アマルは「正式な結婚をするまではSEXをしない」だとか」「肌を露出するドレスはやめろ」と言いだす始末。
その上成功確率の低かった人工授精が成功し、ルナの妊娠が明らかになるのです。何とも皮肉な運命に。アマルは産んで欲しいと言いますが、、、、。さて彼女はどう決断を下すのか。
タイミングが悪すぎるといえばそうかもしれませんね。でもこれがやはり運命なのかもしれません。
さて原題のNa Putu ボスニア語で何かに向かう途中にいるという意味だそうです。邦題とは随分全く違いますね。希望という言葉がタイトルについていますが、、、どうも少し違うような気もします。
あらすじ(allscinemaより拝借)
紛争から10余年が経ち復興が進むボスニア・ヘルツェゴビナの首都、サラエボ。この街に暮らす若い女性、ルナ。かつて、目の前で両親を殺されるという過酷な経験をした彼女だったが、現在はキャビン・アテンダントとして働き、今を大切にして充実した日々を送っていた。目下の悩みは、同棲中の恋人アマルの飲酒癖と、彼との子どもが欲しいのになかなか妊娠できずにいること。そんな中、アマルが勤務中の飲酒が発覚して停職になってしまう。ほどなくして、偶然再会した旧友から仕事を手配してもらったアマル。しかし、その旧友がイスラム原理主義を信仰していたことから、アマルも急速にイスラム原理主義に傾倒していく…。
メディア | 映画 |
上映時間 | 104分 |
製作国 | ボスニア・ヘルツェゴヴィナ/オーストリア/ドイツ/クロアチア |
公開情報 | 劇場公開(アルバトロス・フィルム=ツイン) |
初公開年月 | 2011/02/19 |
ジャンル | ドラマ |
映倫 | R15+ |
解説(allcinemaより)
「サラエボの花」のヤスミラ・ジュバニッチ監督が、紛争の傷を心に抱え、現代のサラエボに生きる一組の男女の愛の行方を描いたヒューマン・ドラマ。異なる民族、宗教が共存していたかつてのサラエボが、紛争を経て、イスラム教徒が大半を占めるようになり、その中で新たな不寛容も台頭してきているという社会情勢を背景に、困難に直面したヒロインの不安と、それでも前へと踏み出すひたむきな姿を繊細に綴る。
http://saraebo-kibou.com/
※ボスニア紛争のことも、宗教的な背景も分からないので。まずはこの国のことを知るべきだと思いました。
ところで、イスラム原理主義についてはちょっと調べてみました。でも全くチンプンカンプン状態でした。
ルナ綺麗だな~^^
オシム監督、ボスニア出身なんですね。
全く知りませんでした。
鑑賞前に調べておく方が観やすかも、、、。
一つの国に色々な民族が一緒に暮らしている
って、難しいですよね。その上に宗教問題が
絡むともっと複雑です。同じ場所で生きているわけじゃないし、文化や歴史を理解するのは、やはりその場所へ行かないと分かりませんものね。
あ!ルナさん、KLYさんの好みなんだ(笑)
ユーゴの紛争は複雑ですからね。わかりにくい。
当時は国は一つだけど、ばらばらの民族、宗教、言語、多くの分境など、とにかくばらばらな国家をたるに押しこめるようにしたのが、オスマン帝国と、その後のハンガリー・オーストリア帝国、そしてソ連と。
まあ、いいようにされてきたわけです。
すべては、要地バルカン半島に存在していたのが、起因するのですが、悲惨な状況を表した映画がいっぱいありましたね。
特に民族浄化がひどかった。
アレから10何年。ずいぶんと再建したんだなあと思う同時に、忘れたい、でも忘れちゃいけない。その辺の複雑な気持ちがよーく出てたと思いました。
あれって、人工授精が成功したんじゃなくて、その前に意外に妊娠してた。人工授精がどうしても出来ない・・・と思ったら、妊娠してた、という設定だと思いました。
ですが、、、。内容は本当に空恐ろしい事ですよね。日本に住んでいるとピンときませんが。
歴史に疎いもんで、もっと他国の情勢を
知らなければいけないのですが。
いやあsakuraiさんに教えてもらわないと
いけませんね。