銅版画制作の日々

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誰がため FLAMMEN & CITRONEN

2010-01-28 | 映画:ミニシアター

 FLAME & CITRON(英語)


京都シネマにて鑑賞。デンマーク史上最大級の製作費をかけた作品!国民の8分の1を動員した驚異的大ヒット作らしい。

ひたすら暗い、重い。。。。。デンマーク映画ってあまり馴染みがありませんね。原題は主人公2人の名前です。
23歳の若者のコードネームは、フラメン。これはデンマーク語で炎という意味。そして相棒の男は33歳で妻子持ち、コードネームはシトロン。同じくデンマーク語でレモンという意味です。それぞれの本名はもちろんあります。

NATISUドイツが、デンマークも占領したとは知りませんでした。つくづくドイツという国は何処までもえげつない国だと思いました。本作は実際あった話だそうです。主人公の2人ももちろん実在した人物。


実在したレジスタンス2人組。フラメン(煙草を吸っている若者)には、トゥーレ・リントハート。「天使と悪魔」で国際的にも脚光を浴びたデンマークの若手NO。1俳優。

後ろがシトロン役のマッツ・ミケルセン。この方のお顔を見るとあれって思われると。すでに公開されていて皆さんご覧になったあのシャネル映画第三弾目作品、シャネル&ストラヴィンスキーイゴール・ストラヴィンスキー役を演じておられる方です。
また2006年公開の「007カジノロワイヤル」にも出演されています。

デンマークにおける抵抗運動

1940年4月9日、デンマークはドイツ軍の占領下におかれる。占領当初は、「保護占領」の名のもとにデンマーク政府の存続が許され、その分、抵抗運動そのものが他のドイツに占領された諸国と比較してはっきりと目に見えるような展開に至るのが遅かった。しかし1943年までには多くのデンマーク人が非合法新聞の発行から諜報活動・激しい破壊工作に至るまでの幅広い地下活動に参加するようになり、最終的には、ドイツ占領軍やNATI組織に対して他国のいかなる抵抗運動にも劣らない大規模な破壊活動に展開した。
43年8月、増加する破壊活動に対し、占領当局はデンマーク政府の統治権を剥奪。「対決」は決定的となり、破壊工作は激化し、ドイツと戦うというデンマークの原質を疑っていた連合国側もデンマークを同盟国とみなすようになる。1945年4月30日ヒトラー自らの命を絶ち、5月5日ドイツ軍降伏。終戦時、活動家の犠牲者数は850人を上回る人数となった。彼らは活動中、または逮捕され国内に収監中、そしてドイツの強制収容所の中で命を落としている。また、そのうちの102人がドイツ側の軍法会議にかけられたのちSYOKEIされた。

う~んそれにしてもドイツという国はあちらこちらを抑えて、酷い仕打ちを繰り返していたんですね。

デンマークの王国公文図書館が当時の資料を公開せず、語ることの許されなかったタブーとされる史実を、65年経った今、何と目撃証言に基づいて映画化されたというのは、やはり国がそのことを公表したくないわけなんだろうけど。。。。拒否するのは、何故なのかしらね?

 


純粋がゆえに、使命感に燃え愛に翻弄されながらも戦うことしか選べなかったフラメン。


若いベントはターゲットには躊躇なく引き金を引くが、妻子のいるヨーンは殺し屋になりきれない。自分の有能さを示そうと命令を忠実に実行するベントに対し、ヨーンはどこか暴力を嫌っている。

STORY

第二次世界大戦末期、打倒NATISUを掲げた地下抵抗組織(ホルガ・ダンスケ)の一員であるコードネーム、フラメンとシトロンの任務は、GESYUTABOとNATIに寝返った売国奴のANSATUであった。確固たる信念のもと任務をこなしていく2人だが、ある標的と対峙したとき、“何かがおかしい”と初めてANSATUをためらってしまう。更に、フラメンの恋人であるケティ(スティーネ・スティーンゲーゼ)へSUPAI容疑がかかりANSATU命令がくだったことで、組織に対する疑念が急速に膨らんでゆく。


組織は?ケティは?本当に信じることができるのか?誰が敵で誰が味方か?疑心暗鬼に苛まれ苦しむ中、フラメンとシトロンは危険な立場に追い詰められていくことを感じ始める。自分たちがしていることは正義なのか?何のために戦っているのか?
そして己の果てを悟った2人がそれぞれ選択した驚愕の結末とは・・・・?


愛する娘や妻のために強盗までして食料を手渡すシトロン(本名ヨ―ン)
それなのに妻ボーディルは愛する男がいると言い。。。。愕然とするヨ―ンの姿に、何とも言えない寂しさを感じる。

フラメン(本名ベント)は愛する闘士のひとりであるケティが二重スパイであり、抹殺しなければならぬとの指令に苦しむ。


ところがこのケティはGESYUTABOのボスホフマン(クリスチャン・ベルケル)の女だった。本当にフラメンを愛していたのだろうか?

こんな寸評がありました。

小国ゆえに戦火を免れたデンマーク、誰が敵で誰が信用できるのか、抵抗組織の若者は徐々に己の任務に疑問を抱いていく。中立でもなく大規模な蜂起でもなく、中途半端なREZISUTANSUに終始した国民の悲哀をリアルに再現する。

ところで感想ですが。
中途半端なREZISUTANSU終始したというなら、この作品自体も何処か中途半端な流れのように感じました。はっきり言って物語が分かりづらかった。それからラストの2人の最期は彼らが選んだも結末のようですが。。。。。何か現実離れしたような映像のように思えましたけどね。ああいう終わり方をそれぞれ望んだのかしら?

  映画
上映時間 136分
製作国 デンマーク/チェコ/ドイツ
公開情報 劇場公開(アルシネテラン)
初公開年月 2009/12/19
ジャンル ドラマ/戦争
映倫 PG12

監督:オーレ・クリスチャン・マセン

公式サイト (デンマーク語)

公式サイト (日本語)

 

 

Comments (2)    この記事についてブログを書く
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2 Comments

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Unknown (KLY)
2010-01-28 23:38:19
そもそもデンマークとナチスが結びつかない。まだまだ不勉強だなぁと痛感しました。戦争は人を殺すけれど、人の心も殺しますね。シトロンの顔がどんどん狂気に染まっていくのが凄く哀しかったです。

ちなみにシトロンのマッツ・ミケルセンが『シャネル&ストラヴィンスキー』のイゴール・ストラヴィンスキー役だとこの間気づきました。(笑)
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中途半端!! (sakurai)
2010-07-06 12:24:40
ほんと!なんだか中途半端って言う言葉がぴったり来ました。
それが正しいのか、残念なのかはわかりませんが、このレジスタンスを表しているように感じます。
デンマーク映画というと、すぐに頭に思い浮かんだのが「バベットの晩餐会」ですが、これはおいしそうで、かつよく出来てた。
「ペレ」っていう往年の名作も素晴らしかったです。サッカー選手の話じゃないですけど。
日本戦でいきなりフューチャーされてますが、やっぱマイナーですよね。
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