揺れる高校生たちの心を支配したものとは?
ドイツ全土を席巻! 240万を動員! ドイツ国内映画興行成績第1位!
京都みなみ会館にて鑑賞。3月4日~10日の1週間限定上映ということもあって、多くのお客さんでした。さてこの話は実際に起きた事件を基に、ドイツで映画化された作品です。それにしても、凄い話ですね。一瞬にして人間の心理ってこんな風に変ってしまうのでしょうか?
始まりは、ごく普通の高校生たちが軽い気持ちで始めた、独裁政治を摸した体験授業だった。クラスの皆で決めた“独裁者”には何と“様”をつけて名前を呼ぶなど、ルールはわずかで簡単なものばかりだった。しかし、そのゲームに夢中になった若者は急速に暴走し始め、“THE WAVE”と名付けられた。その集団はたった5日間で学校全体を呑みこんでいくことに。。。。。
洗脳されたということですよね。それも短期間でです。平常心は無くなるんですね。一体どうしてこんなことになるのかしら??
指導者のもとでクラスの生徒は一体感を強めていき、これまで体験したことのない充実感を味わうそうですが。これってその渦中にいないと分からない気分なのでしょうかね。
つまり人間って組織という枠がないと行動出来ないってところがあります。変な話、何処にも所属していないと不安な気持ちがあります。だから皆で一緒に目的に向かって一致団結しょうという連帯感って気持ちって意外に快感かもしれません。その心理を上手く掴んだ話のような感じじゃあないかな?なんて思ったりしましたが。どうでしょうか。
STORY
ドイツのごく普通の高校で、特別授業週間が始まった。教師ライナー・ベンガ―(ユルゲン・フォーゲル)は東ドイツで反政府運動をしていた過去を持ち、無政府主義を担当しようと張り切っていたが、割り当てられたのは独裁制だった。
若く自由な雰囲気のベンガ―は、生徒たちとの距離も近く慕われていた。まったく独裁制を教える準備をしていなかったため、探りながら授業を開始するも行き詰ったベンガ―は、生徒たちにある提案をする。
「幸い実習では何をしても自由だ、気楽に行こう」
「独裁には指導者が必要。この実習では誰がやる?」
授業に登録したのは様々な生徒たち。
万年負け続きの水球部を何とかしたいマルコ(マックス・リーメルト)とその彼女で美しく優等生のカロ(ジェニファー・ウルリッヒ)。
裕福な両親を持つ不良のケヴィン、いつも一緒につるんでいるトルコ移民のジナン、デブのボンバー。
それから、いつもボンヤリしていてクラスの仲間からバカにされているティム(フレデリック・ラウ)。
5日間でどう変化したのか。
実験1日目(月曜日)
生徒たちは新鮮な衝撃を受けたーー。
指導者に任命されたベンガ―は、まず自分に“様”をつけること、発言する時には挙手して立ち上がることを命じた。嫌悪感を示す生徒が大半だったが、今までにない規律あるスピ―ディな授業に、生徒は次第に高揚感を覚えた。生徒たちとベンガ―自身は、家族や仲間にその日の興奮を熱く語った。
実験2日目(火曜日)
姿勢正しく着席してベンガ―を迎える。
ベンガ―は階下の教室で教える無政府主義の担当教師ビ―ラントのクラスを仮想対立者と見立て、みんなでいっせいに足踏みをすることを命じた。そして団結の力を更に実践するために、いつも仲良し同士で座る席順を、お互いの欠点を補い合う者たちと組み合わせ座らせた。生徒達は、この授業の面白さを他のクラスに自慢し始めた。
実験3日目(水曜日)
カロ以外のクラス全員が、白シャツを着て登校。
目に見える団結の形として制服を取り入れたクラスは、団結名を“ウェイヴ”と名付け、クラスの誰もが自発的にホームページやステッカーを作製し“ウェイヴ”のために動き始めた。今までバカにされたいたティムや不良のボンバーなど全く接点のなかった者同士がクラスの一員としてお互いに認め合うようになる。一方で白シャツを拒否したカロはクラスの熱狂から急速に取り残されていく。
カロは、友だちと一緒に反対のビラまきを実行する。洗脳されていく友だちを何とか制止しなければ、危ない!
実験4日目(木曜日)
“ウェイヴ”は他の学年や親たちの話題の的に。
校長から呼び出されたベンガ―は、急速に変化見せる生徒たちの親から、問い合わせの電話が相次いでいると聞かされた。注意を受けると覚悟していたベンガ―に、校長は「応援している」と意外な言葉を伝えた。一方、生徒たちは自分たちが作った“ウェイヴ”の素晴らしさを確信し、クラス以外の生徒も積極的に勧誘していった。
異様な雰囲気
実験5日目(金曜日)
ベンガ―は、生徒たちの異常な行動に直面する。
ベンガ―は家を出ると玄関の前でティムを発見する。「警護だ」と称して、一晩中家の前でうずくまっていたのだ。不気味に思いながらティムを車に乗せ登校するベンガ―は、生徒たちが“ウェイヴ”として対立していたパンクの集団からペンキの襲撃を受ける。そして、新聞をあけて目にしたのは街の工事現場の幕に“ウェイヴ”のマークがデカデカと描かれた写真だった。ベンガ―は生徒たちの熱狂が度を越したことを知る。実習最後の授業でこれまでの体験をレポートにまとめるように命じ、授業の終了を告げたが。。。。。
もはやベンガ―の制止の言葉など通じないところまでの状態になっていた。つまり走りだした“ウェイヴ”はコントロールが効かなくなっていたのである。
単純なルールがひとの心を支配してしまったのだ。
冴えないティムの行動がある悲劇を起こすことになります。大体の予想はつきますよね。大きなショックはなかったですが。生徒たちの異常な変化には何ともいえないものがありました。たった5日間でこんなに変るとは。。。。。
本作の基となったのは、20年以上前に書かれたモートン・ル―の「ウェイヴ」
そのアメリカのノンフィクション小説は、現在でも多くのドイツの学校で教材として読まれているそうです。ドイツを舞台に映画化するというアイデアは、監督デニス・ガンゼルが友人たちと食事をしている際に思いついたもの。権利取得のためにプロデューサーのクリスティアン・ベッカーは世界の裏側に飛び、ドイツとアメリカの出版社を経て筆者モートンやハリウッドの製作会社等と交渉を繰り返した。ついにドイツの名プロデューサーのコンスタンチン・フィルムのマーティン・モシュコヴィッチ(バイオハザードⅢ)の助けを借りて契約にこぎつけたということだそうです。いやあ長い道のりだったようですね。
1967年にアメリカの高校で起きた実在の事件を基に、ファシズムをシミュレーションする危険な特別授業が招いた衝撃の顛末を描くサスペンス・ドラマ。主演は「エーミールと探偵たち」のユルゲン・フォーゲル、監督は「GIRLS★GIRLS」のデニス・ガンゼル。(allcinemaより抜粋)
ドイツ映画祭:ファシズムをゲームとして使うものは破滅する-『ウェイブ-あるクラスの暴走』のデニス・ガンゼル監督の来日のコメントはこちらからどうぞ。
メディア | 映画 |
上映時間 | 108分 |
製作国 | ドイツ |
公開情報 | 劇場公開(アット エンタテインメント) |
初公開年月 | 2009/11/14 |
ジャンル | サスペンス |
映倫 | PG12 |
http://www.the-wave.jp/
映画で行われている実験も、とても他人事とは思えません。
とくに、教育現場では、「場の空気」に支配され、本人たちはいきいきと行動しているというケースになったりしますね。
そうですよね。単純なルール、これが
えらいことになるんですよね。
esもそうです!ここまで変わるか?!
というくらい人間の変化に驚きます。
ドイツが舞台というのは確かに
作品を際立てるポイントですよね。
またご覧になれましたら、ぜひおいで
下さい!!
単純なルールがここまで大きくなってしまうとは恐ろしいものがありますね。
特に舞台がドイツなのが説得力ありました。
映画は数人の生徒の行動だけに焦点をあてて描かれているので、集団全体の高揚が必ずしも効果的に表現できていなかったと思います。esを未見ならば、ぜひご覧下さい。
やっぱり人間の根幹を成すのは教育ですね。某北の国を観れば一目瞭然ですが…。
一見なんてことない日本ですが、親が子供の教育に無関心になった瞬間から、間違った方向に進み始めるのだろうと思いました。