なるほど遥昔は、言葉はひとつだったんだ人間は神に近づこうとして、天まで届く塔を建てようとしたから、神の怒りをかうことに・・・・。そのおかげで、言葉は乱され、世界はバラバラになってしまった。ーーこれは旧約聖書の創世記に記されたバベルという街の物語なのです。
21世紀の今も、地球全体がその“バベル”なのかもしれない。世界のあちらこちらで争いは絶えないたとえ、言葉が通じても、隣人や親子でさえ心を通わす事はない。本当にそうです急速な発展で、情報社会の中で暮しているのに、何処にも届く事さえない想いを抱いて彷徨う私たちは本当にこのお話は4ヶ国語が飛び交い、3大陸にわたるロケをして、製作された作品です。雄大なモロッコの自然から始まり、日本、メキシコと場面が映し出されます。バラバラのようですが、すべて繋がっていきます
舞台はモロッコ、リチャード(ブラッド・ピット)と妻のスーザン(ケイト・ブランシェッド)は旅をしていた。ある出来事がきっかけで、夫婦間の関係が壊れかけていた。幼い息子と娘をメキシコ人の乳母に託して・・・・。山道を行く観光のなかで、事件は起こった何処からか、一発の銃弾が窓ガラスを突き抜け、スーザンの肩を撃ち抜いた
リチャードはを移動させ、スーザンを医者のいる村へと運ぶ。溢れ出る血を止める応急処置がやっとだった。緊急を要するのに、救助に来ないアメリカ政府に苛立つ間、徐々に事件は解明されて行く。
銃弾を放ったのは、モロッコの少年だったモロッコの険しい山間の村に住むアブドゥラは、その朝、知り合いから一挺のライフルを買った。ライフルは2人の息子、アフメッド(サイード・タルカーニ)とユセフ(ブブケ・アイト・エル・カイド)に手渡される。生活の糧となるヤギを襲うジャッカルを殺すためにである。2人は争いがあった弟ユセフが姉の裸体を覗くので兄アフメッドは許せなかったさらにアフメッドは苛立つ銃を撃つのが、ユセフは上手いのである試し撃ちをしても上手く当らない兄に代わってユセフは眼下を走るを狙い、一発の銃を放つ
この2人の少年、アメフ役のサイードはオーディションで役をゲット一方のユセフ役のブブケは村で、パレスチナ人の女性に声をかけられ、決まったそうだ。
撃たれたのは、見失った絆を探しにやって来たアメリカ人妻夫リチャードに誘われ、気乗りのしない旅にやって来たスーザン、夫婦には葛藤があった。3人目の幼い赤ん坊が亡くなったその悲しみと罪悪感に真っ向から向き合えずいた。夫婦間の絆を修復するためにはるばるモロッコへやって来たのだ。そんなスーザンが突然襲われる彼女の鎖骨を銃弾の弾が貫通リチャードはガイドに医者のいる村へ案内を
帰れない両親、子どもたちはメキシコ人の乳母の故郷へ母スーザンの銃撃事件のため、2人の子どもにも大きな影響が・・・・。兄のマイク(ネイサン・ギャンブル)とまだ幼い妹デビー(エル・ファニング)はメキシコ人の乳母アメリア(アドリアナ・バラッザ)に連れられ、彼女の甥サンチャゴ(ガエル・ガルシア・ベルナル)が運転するでメキシコへ向かう。その日は息子の結婚式だと、かねてから伝えてあったが・・・・。両親が帰ることが出来ず。アメリアは責任があった。知らない人に預けるくらいなら、連れて行ったほうがいいと判断した。そのほうが安全だと思ったからだ初めて見るメキシコの風景に目を丸くする子どもたちに優しく見守るアメリアだった。
銃弾は国境を越え、日本に住む会社員へと繋がっていく捜査の結果、モロッコで使われたライフルの書類上の所有者は日本人の会社員、ヤスジロー(役所広司)だと判明。モロッコにハンティングに行った際、ガイドをした男にお礼として譲ったのだ。彼には心労があった最近、妻が自ら命を絶ち・・・・。そのことで警察から事情聴取を受けていたのだ。そしてそのことが原因でたった一人の家族である高校生のチエコ(菊池凛子)との心の溝が大きくなりつつあった聾唖であるチエコは母の死がショックで立ち直れず・・・・。何かにつけて父ヤスジローに反抗するのだった。抱きしめて欲しい!寂しいチエコだったが、障害のため、どのように伝えたらいいのか分からずにいた。
血を流すモロッコ、暴走するメキシコ、怒りのアメリカ、傷だらけの日本、テロのしわざだとアメリカのメディアは騒ぐが・・・・。モロッコ警察はライフルの流れを突き止めていた息子たちに真相を告げられたアブドゥラは、怒りながらも息子たちを連れて逃げる追いかける警察の発砲思わず迎え撃つユセフ
一方メキシコのアメリアたちは、無事に結婚式が終わり、またサンチャゴの運転するで国境へと向かう。ところが、サンチャゴの飲酒運転がバレて、国境を突破アメリアと子どもを砂漠に置き去りにしたまま、行ってしまう。灼熱の砂漠に置き去りにされた幼いデビー、次第に意識が薄れてくる絶対絶命の危機にアメリアは
チエコの元に刑事(二階堂智)が訪ねてくる。父と話したいらしい。部屋に招きいれた刑事に好意を伝えるチエコは全裸になる。思わず拒否そのことで、泣きじゃくるチエコの肩をそっと抱きしめる刑事。
いつまで経っても、救助は来ない政治的な問題も絡み難しい状況とうとうにも置き去りをくわされ・・・・。怒りと絶望のリチャードだ
兄が撃たれた父は兄を抱いて叫ぶ。そんな父を見てライフルを壊すユセフ。
子どもたちを抱き、助けを求めるアメリア
衰弱していくスーザンと子どもが死んだときのことを初めて語り合うリチャード
観終わったときは何て暗い気持なる映画なんだろうと思ったけど・・・・。後からじわじわ伝わるものがあることに気づいた。言葉の壁は、確かに感じることがある。それは国が違うというだけでなく、同じ国の人との会話だってそうだ。人と人の感情のすれ違いから発する言葉のニュアンスによって共感できないこともある。隣・近所だって心通じない。自分のテリトリーだけ・・・・。人を寄せ付けない助けることもないし、助けて欲しいとも言わない。それが世界がバラバラになってしまったーーということなのかもしれない。身近なところで、そういう状況はいくらでもあるんだとふと思った。
見つめたい!抱きしめたい!この思いを伝えたい!世界がひとつになろうともがき始めていたーー。本当にひとつになれることを願う何故人々は憎しみあい、傷つけ合うのか????
リチャード(ブラッド・ピット)
スーザン(ケイト・ブランシェッド)
サンチャゴ(ガエル・ガルシア・ベルナル)
ヤスジロー(役所広司)
アメリア(アドリアナ・バラッザ)
チエコ(菊池凛子)
刑事(二階堂 智)
デビー(エル・ファニング)ダコタちゃんの妹
監督・製作・原案 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
「21グラム」は観ました。ナオミ・ワッツ、ショー・ペンが出演。
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評価は色々なようですが、私は少なくとも数日間この作品に立ち止まらせられました。
様々なことを含んだ映画だと思います。理解するのに難しい部分もありましたが、映像に不思議な力があったと思います。
TBありがとうございました。
子供を潅木の下においてる場面とか、ダヴィデがゴリアトに立ち向かう場面とか、混乱とか、いろいろ。
いろんな評価されてますが、私は印象深く、いい映画として捉えました。
時制をわざわざずらしていましたが、そうする必要あったのでしょうか。そういうギミックを使って奥の深い映画に見せようとしたところにちょっと違和感を覚えました。
言語や情報ツールが多様化していく程、
素直にコミュニケーションがとりにくい世界(世の中)になってしまっているのかもしれませんね。
それでも、心と心のつながり(愛情)を求めようとするのが人間の本質なのでしょうね。
なかなか重厚なテーマであり、モロッコ編は見応えがありました。あのガイド一家の暖かい気持ちには感動しました。
ただ日本編には余り脈絡や必然性を感じませんでしたし、あのクラブでの騒音も長過ぎますね。
全般的に秀逸な内容だっただけに残念で溜まりません。
一つになりたいはずなのに、一つになれない人間社会。
そうさせるものは何のでしょうね。
答えが描かれているわけではありませんが、
答えを導くためのヒントは与えられていた気がします。
映画としての表現力に長けた作品だったと思います★
>後からじわじわ伝わるものがある
……映画だけでなく、小説でも、おいしい(辛口の)料理でも、良く出来たものは、たしかに後からくる「味わい」というのがありますね。本作もそうだったと思います。
TBをお返ししようと試みたのですが、反映されていないかもしれません。
なにかと話題になってるんで、気軽に観るとその重圧さに押しつぶされそうになりますねぇ。
難しく、重い雰囲気の作品でしたね。
この作品に対しての評価はいろいろあるようですが、私はこの作品嫌いじゃないです。
とても印象に残る作品でした。