COCO CHANEL & IGOR STRAVINSKY
遅まきながら、鑑賞して来ました。ジャック・メスリーヌに続き、これもフランス映画でした。シャネルシリーズ第三弾、これがシャネルシリーズ最後の作品となります。
さてシャネルシリーズ、皆さんはどれが好みでしょうか?
前作の2作はシャネルの生い立ちや生きざまなどが描かれていましたが、今回はそうではありません。むろんシャネルの仕事にも少しふれていましたが、ほんの僅かです。本作はシャネルとストラヴィンスキーの愛だけに焦点が当てられています。
2人の官能なベッドシーンなどの描写も細かく映し出されており。。。。。ちょっと現実から離れた愛の物語のような感じがしました。
さてシャネルを演じたアナ・ムグラリス 。とにかくスレンダー、痩せていてそんなに魅力的な体つきじゃあないけど。。。。。トップモデルの方らしい。シャネルの香水「アリュール」ミューズとして話題となり、現在もファインジュエリーや時計のモデルとして活躍している女優さん。映画の中で彼女が着ている衣装はシャネルの遺志を継ぐカール・ラガーフェルドが当時を忠実に再現してつくったものらしい。ということで衣装も一つの見どころだと言える。
STORY
パリ、1913年。
シャンゼリゼ劇場では、イゴール・ストラヴィンスキーが、自作《春の祭典》の初演を迎えていた。
革新的な《春の祭典》は、その振付と音楽があまりに斬新かつ急進的すぎたため、怒った観客たちは野次を飛ばし、あざ笑い、騒乱めいたものまで起きたほどだった。ストラヴィンスキーは悲しみに打ちひしがれる。だが、そこに居合わせたココ・シャネルは、そんな騒乱をよそに、その芸術の本質をとらえていた。
それから7年後の1920年。
すでにデザイナーとして富と名声を手にしながら、初めて心から愛した男、“ボーイ”を自動車事故で亡くし、悲しみにくれるシャネル。一方、ストラヴィンスキーはロシア革命を経た後、全ての財産を失って難民となり、パリで亡命生活を送っていた。
二人は、ミシア・セールとセルゲイ・ディアギレフの計らいで出逢う。ストラヴィンスキーの才能に惚れ込んだシャネルは、彼が仕事に打ち込めるようにと、ガルシュに所有する自分のヴィラで暮らすよう提案する。彼は一度は拒否するものの、4人の子供たちと、肺病を患う妻を連れてヴィラへと移り住んだ。
一つ屋根の下に暮らすストラヴィンスキーとシャネル。二人は、やがて恋に落ちていく。その恋は、二人の中に眠っていた新たな創造力を次々と開花させていった。妻であるカトリーヌ・ストラヴィンスキーはやがてこの家で起こっていることに気づいていく。カトリーヌにもイゴールへも強い態度で向き合うシャネル。そんな中、『女性そのものを感じる香りを創りたい』と、初めて香水創りに魂を注ぐシャネルと、《春の祭典》再演に命を賭けるストラヴィンスキー・・・・・。
情熱的なストラヴィンスキーを好演しているのは、デンマークを代表する俳優のマッツ・ミケルセン。誰がためにも出演していました。
ピアノを弾いていたけれど、実際、ミケルセン本人が弾いていたのかな?
シャネルからストラヴィンスキーを誘惑。次第にシャネルの虜になるストラヴィンスキー。。。。。
シャネルに翻弄されながら、終いには「ここから出て行って!」と言われる始末。女心と秋の空じゃあないけど、、、、、でも本音じゃなかったような?いやそう思いたいが。
でもやっぱシャネル、自立する女だけにきっぱり見切りをつけることが出来るのかもしれませんね。
使用人にも手厳しいシャネル、仕事の達人だったということも、このシーンで納得。
美しくて官能的な作品。今までのシャネルシリーズで一番好きな作品でした。
アナ・ムグラリスの低音でハスキーな声も魅力的でした。さて今回もエンドクレジット最後まで観なかった貴方、最後に極め付けのシーンが映し出されましたよ。やはり最後の最後まで立たない方がいいですわ。
追記:一つ屋根の下に、ストラヴィンスキーの妻がいるのに。シャネルとストラヴィンスキー、ベッドインというのはかなり大胆な話でしたね。私は「ちょっと家政婦は見た!」っていう感じで覗いているような気分になりましたよ。
これってちょっと不謹慎かしら(汗)
解説(allcinemaより抜粋)
「ドーベルマン」の鬼才ヤン・クーネン監督が、シャネルとストラヴィンスキーの愛憎の行方を描くラブストーリー。芸術家として互いを刺激しあい、愛を深めていく姿と、そこに秘められた最も有名な香水“N°5”誕生の物語を華麗かつ官能的に綴る。ココ・シャネル役はシャネルのミューズとして広告モデルも務めている「NOVO/ノボ」のアナ・ムグラリス。一方、ストラヴィンスキー役には「アフター・ウェディング」のマッツ・ミケルセン。
メディア | 映画 |
上映時間 | 119分 |
製作国 | フランス |
公開情報 | 劇場公開(ヘキサゴン・ピクチャーズ) |
初公開年月 | 2010/01/16 |
ジャンル | ドラマ/ロマンス/伝記 |
映倫 | R18+ |
公式サイト(日本語)
Official website(フランス語)
この作品でマッツ・ミケルセンのファンになっちゃったんですよ~。この後に『誰がため』とかではまた渋い演技みせてくれてますし、この間やってた『ミュータント・クロニクルズ』ではゾンビと戦う軍人とかやってます。(笑)今度公開の『タイタンの戦い』でもメッチャカッコいいですよ~^^
前作は『ココ・アヴァン・シャネル』の方だけ観たのですが、3作の中では本作が一番っていう人、多いみたいですね。
エンドロール後のモノクロなワンシーンにはぐっときました。アナ・ムグラリスのハスキーヴォイスがさらに大人なシャネルを感じさせましたよね。
いいですね。すべてを知っているのは、実は妻だった・・みたいな感じでしたよね。
雰囲気がとってもあって、結構好きなタッチの映画でした。
懇切丁寧に人物の歴史をたどるのもいいのですが、こういう浮世離れした感じもいいですよね。
彼女自身に迫ろうとしたのに対して、
この作品ではストラヴィンスキーとの出会い
という一点に絞ってクリエイターとしての
シャネルの心情や意思を描いていました。
私はこの作品が一番、成功していたように
思えます。