銅版画制作の日々

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チェンジリング●○CHANGELING

2009-03-03 | 映画:シネコン

アンジェリーナ・ジョリーの母親魂がこもっていた!!

タイトルのチェンジリングとは?「取り換えられた子供」の意。背景に、「さらった子供の代わりに妖精がが置いていく醜い子供」という伝説が宿るこの言葉は母親にとってどれほどの悪夢をもたらすものなのか?それを身をもって体験するのが、本作の主人公クリステイン・コリンズなのである。

3月3日~~!ひな祭りですね。3月最初の映画レビューは、アンジー主演、クリント・イーストウッド監督の「チェンジリング」です。鑑賞したのは2月24日でした。今回のアンジーは今までとはちょっと違うよね。彼女のイメージは派手でセレブぽい女性って感じがしたのですが・・・・。さすが女優さんです。(当たり前ですが)芯の強いシングルマザーを見事に演じていました。息子への深い愛情を切なく訴えるあのいたいけな雰囲気が、ズシンと心に堪えました。アカデミー賞取れなかったのがちょっと残念です。クリント・イーストウッドも今や監督業での活躍が凄い。この作品もそのひとつと言えるでしょうね。

A True Story 実際のウォルター・コリンズ事件について少し・・・・。

今から81年前に、アメリカ、ロサンゼルスで実際に起こったウォルター・コリンズ失踪事件。当時の新聞によると、クリスティン・コリンズは戻って来た少年を見た最初から、「自分の息子ではない」と確信していたと記されている。さらに事件の聴聞会で、警察によって群立病院に入院させせられる直前にいったい何があったのか、委員長から尋ねられた彼女は、ジョーンズ警部の彼女への次の言葉を証言した。「警察を笑いものにしたいのか?母親としての義務を怠り、州にお前の息子の面倒を押しつける気か?バカも休み休み言え」 

警察の目論見、偽の「ウォルター」という少年、ノースコット事件、この3点が、軸となり、映画「チェンジリング」の物語は展開していきます。

STORY

クリステイン・コリンズは9歳の息子ウォルターとともにロサンゼルス郊外で暮らすシングルマザー。電話会社に勤めながら女手ひとつ子供を育てていく生活は、決して楽ではなかった。しかし父親の顔を知らないウォルターに辛い思いをさせまいと、多忙な日々の中で懸命に母親と父親の2役をこなしていた。

そんな彼女にとって、ウォルターは生き甲斐であり、彼の成長を見守ることは唯一の楽しみだった。だが、その幸せは、あるとき唐突に終わりを告げる。

1928年3月10日、同僚の頼みで休日出勤したクリスティンは息子をひとり家に残し、会社に出かけた。後ろめたさを感じながら・・・。夕方、大急ぎで戻った彼女を待ち受けていたのは空っぽの家ーーー。クリスティンは近所を必死に探しまわったが、ウォルターの姿はどこにもない。その晩、心配で一夜を過ごした。翌日から警察の捜査は始まった。しかし有力な手がかりはなく、誘拐か家出かの判別つかないまま時だけが過ぎていく。彼女は仕事を続けながら、全米各地の行方不明者相談所に電話をかけ、息子の消息を尋ね続けた。

アンジーのローラスケーター姿が可愛かった。

発見?事件が思いがけない進展を見せたのは、5ヵ月後。ロサンゼルス市警青少年課のジョーンズ警部から、ウォルターがイリノイ州で見つかったという朗報だった。喜びに震えながら職場で同僚と抱き合う!そしていよいよ、ウォルターが列車でロサンゼルスに帰ってくる日がやって来た。ロサンジェルス市警は本部長、デイヴィス(コルム・フィオール)の肝いりで母子対面のセレモニーをセッティング!駅には多くの報道陣が詰めかけた。派手な演出に戸惑うクリスティン、わが子を迎えるためプラットホームに駆け出していく。しかし列車から降り立った少年の姿を見たとたん、彼女は凍りつく。

「あの子は私の息子じゃない」 それは母親なら誰しも一瞬にして気づく「事実」だった。

別人!クリスティンは別人だとジョーンズ警部(ジェフリー・ドノヴァン)に訴え出た。しかし、警察の功績をアピールしたい警部は、5ヶ月間でウォルターの容貌が変わっただけと主張。引き取るように強行に少年を押しつけた。この少年は何者?何故私のことをママと呼ぶの?混乱の渦中で、仕方なく少年を連れて帰る。見知らぬ少年との生活の中で、彼が息子でないということは日々明白になっていく。マナーや言葉遣いも違う。身体的特徴も違う。身長が失踪前の息子より、7センチも低い。それらが別人であるという動かぬ証拠!手遅れになる前に再度捜索して欲しいと警部に訴える。しかしかたくなに人違いを認めない。「母親の責任から逃げている」と逆にクリスティンを非難。警部の差し金で少年を診察した医師までが「身長が低くなったのはストレスのせいだ」と主張。息子がわからないクリスティンに問題があるという“診断”を下す。時間はどんどん失われていく。本物の息子を見つけ出すチャンスが刻一刻と遠のくことに焦りと歯がゆさをつのらせるも、彼女にはどうすることもできなかった。

権力 そんなある日、クリスティンの元に一本の電話がかかってくる。相手は、長老教会のグスタフ牧師(ジョン・マルコヴィッチ)だった。ラジオを通じて警察の腐敗摘発キャンペーンを展開していた。ウォルターを診察した医師の談話を新聞で読み、警察がクリスティンを危険人物とみなす事態が発生したことに気づき連絡してきたのだ。


「警察と闘うなら力になる」と牧師の申し出を、「私は警察と闘いたいのではなく、息子を取り戻したいだけです」と言って断るクリスティンだが。「正しく闘えば不幸な事態を終わらせられる」という牧師の言葉が彼女の心を動かすことに。こうして始まったウォルターを取り戻すための闘い。歯科医や教師など、失踪前のウォルターをよく知る人々から必要な証言を得た彼女は、これまでの経緯を人々に知ってもらおうと牧師のラジオ番組に出演を決意。だが、その直前に警察に連行された彼女は、“警察に騙されたと主張し、息子は別人だと主張した”という理由により、ロサンゼルスの精神病棟に送りこまれてしまう。

悪夢 外部に助けを求める暇も与えられずに病棟に送り込まれたクリスティンは、同じ入院患者のキャロル(エイミー・ライアン)から、自分たち同様に警官を怒らせたことが原因でここへ送られて来た女性が、他にも大勢いることを聞かされる。「ここに入れられたら従うだけよ」 それが生き残りの鉄則だと教えられる。だが「人違いの主張は間違いだと認めろ」と迫る医師の言葉には」どうしても従うことは出来なかった。従えば、本当のウォルターを探すチャンスは永遠に失われてしまう。歯を食いしばり、来る日も来る日も医師に「ノー」と言い続けるクリスティン、反抗的な態度から電気ショックの治療室に送り込まれる彼女だったが、グスタフ牧師の尽力により、寸前のところで治療を逃れ、退院許可となる。

事件 病院からの悪夢から解放されたものの、クリスティンには別の試練が待ち受けていた。ロサンゼルス近郊にあるゴードン・ノースコットの農場で、複数の子供の死体が発見されるという事件が発生。逃亡中のゴードンに命じられて20人あまりの少年誘拐殺人を手伝った従弟の証言により、被害者のひとりがウォルターである可能性が出てきたのだ。

ウォルターの写真を見せるレスター・ヤバラ刑事(マイケル・ケリー)その写真で、この子だと証言するゴードンの従弟の少年。

新聞で報じられる至り、さすがの警察も人違いのミスを認めざるをえなくなってきたきた。が一刻も早く事件の幕引きをしたい彼らは、ウォルターがノースコット農場で死亡したと断定し、捜査の打ち切りを決定する。息子を取り戻すための闘いをあくまで続ける、という彼女の元に、ゴードンが逃亡先で逮捕されたという知らせが届く。


ゴードン(ジェイソン・バトラー・ハーナー)の裁判。彼の供述は二転三転だ。


真実が知りたい!クリスティンの叫びは通じるのか?


クリスティンはウォルターに手をかけたのか?とゴードンに迫るも・・・・。答えは返ってこなかった。訪ねて来いと呼ばれたのに、何で!


果たして、ウォルターはゴードン手をかけられたのか?ウォルターだと名乗った少年の正体は?失踪事件発生から7年という長い歳月の果てに、クリスティンは驚きの真実を知ることになる・・・・・。

解説

クリント・イーストウッド監督がアンジェリーナ・ジョリーを主演に迎えた感動のミステリー・ドラマ。1920年代のロサンゼルスで実際に起きた事件を映画化。5ヶ月の失踪ののち保護され帰ってきた幼い息子が別人だったことから、本物の我が子を取り戻すため、捜査ミスを犯した警察の非道な圧力に屈することなく真実を追及していくシングルマザーの長きに渡る孤独な闘いを綴る。


アンジーとクリント・イーストウッド監督のコラボは本当に素晴らしかった。

私生活でもアンジーは子供さんの母親。少し躊躇もあったらしい。もし自分の子供に何かが起こったら?と恐れ続ける状態に陥れたくなかった。この作品で伝えることは、正義、民主主義、行動の物語。クリスティンはすばらしい女性。ちょうどその年に亡くなった私の母を思い出させた。だから最終的に私はこの物語を語りたいと思った。

クリント・イーストウッド監督→ もっと気楽な映画を作れば、確かに私の人生はもっと楽になるのかもしれない。でも私が興味を持つのは、中身がぎっしり詰まったダークな話なんだよ。いいドラマが成り立つためには、葛藤が必要。それは自分の中での葛藤かもしれないし、他人との葛藤かもしれない。感情的葛藤であったり、肉体的葛藤であったりする。そこから人々の関心をそそるものが生まれる。だからといって必ずしも不幸な話である必要はないよ。中にはハッピーな話もあるだろう。「チェンジリング」は、たまたまそうではなかった。(インタビューより抜粋)

監督のこの言葉が印象的です。

人はなんと残酷になれるのだろうか。

しかし、残念なことにもう二度と起こらないとは断言できない。

 

オフィシャル・サイト
http://www.changelingmovie.net/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://changeling.jp/

失踪事件から起きた様々な出来事はクリスティンを強くしたのは、間違いない。きっとそうだ!
 

 

 

 

 

Comments (4)    この記事についてブログを書く
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4 Comments

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我が子 (sakurai)
2009-03-04 08:06:55
じゃないのを連れてこられて、これがあんたの子です!と言われてもねえ。
母を馬鹿にしてるのにもほどがありました。
でも、本当にあった話だというのが空恐ろしいですわ。
そうですよね。悠々自適に過ごせるくらいの年齢になっても、こんな重いテーマの映画を撮らせ続ける社会は、とんと成長がないですね。
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Unknown (mig)
2009-03-04 13:45:29
こんにちは、TBありがとうございます☆
イーストウッドの大袈裟すぎない演出が好きです。

アンジーもいつも肉体的に強い女を演じてますが今回は精神もタフでしたねー
これが実話だったとは本当、ひどい話ですよー
返信する
こんばんは (オリーブリー)
2009-03-04 17:34:14
mezzotintさん、いつもTBありがとう!

イーストウッドのテーマはいつも重いけど、
真摯に受け止めなければ…とそんな気持ちにさせられます。
彼の物作りに人柄が現れているからでしょうか。

アンジーも他の俳優さんも熱演でしたね。
アカデミーにノミネートされなかったのは不思議でした。
返信する
Unknown (hyoutan2005)
2009-04-02 22:36:58
TBありがとうございました!
お返しが物凄く遅くなってしまってごめんなさい。
アンジーの演技が素晴らしかったです。
イーストウッド監督の作品は外れたことがないので、「グラン・トリノ」も楽しみにしているところです。
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