♪ビール瓶にもいろんな大きさ・種類がありますね。↑
何年か前のできごとです。
その夜もステージに上がっておりました。
チラホラお客さんはおられたのですが、客席には空席が目立っていました。
バンドさんもどことなく不完全燃焼のような演奏です。
店の雰囲気もやや盛り下がっておりました。
そんな時に彼らはやってきたのです。
男性2人に女性4~5人のグループでした。
静かな店内が一度に騒がしくなります。
男性のうちの年長者がいろいろ仕切っているようです。
「おい、みんな早う入ってこんかい」
「早う、空いてるところへ座らんかい」
その声のデカイこと・・・。
ステージで音を出していることや、
他にもお客がいることなんて、てんで眼中にない様子です。
連れの女性陣たちも嬌声をあげています。
彼女たちはライヴ・ハウスへ初めて来たみたい。
どうやら男性の年長格が、
「自分はこういうジャズの生演奏のあるおシャレな店も知ってんねんぞ~」
と女性たちに自慢したかった感じです。
ワイワイキャーキャー言いながらドヤドヤと店内に入ってきた彼ら、
もう完全に自分たちだけの世界に浸っています。
ライヴ・ハウス(イメージです)
他のお客さんもさすがに迷惑そうな顔つきになっています。
ステージ上のわれわれもお互い顔を見合わせて、
「なんやねんあれは。かなわんなー」とタメ息。
でも彼らの口調やド派手なスーツ、察するにどうもカタギではないようです。
注意する度胸もないわれわれは、
なるべく彼らを刺激しないように、大人しく弾き続けるのでした。
と、そこへひときわ大きな声が!
「おーい!早よ注文取りにこいや!」
かの年長格がややイライラしながら怒鳴っています。
お店のバイト君、おどおどしながらもあわててテーブルへ走っていきます。
年長格、片手を開いてさらに怒鳴ります。
「ビール!とりあえずこんだけや!早うせんかい!」
よく見ると、その開いた片手の小指がない!
うわ~ヤバ~、ホンマモンのヤーさんや~
そこへ気の弱そうなバイト君、
その小指のない片手を突きつけられて、思わず口走りました。
「ビール大瓶4本と小瓶1本ですか?」
・・・。
一瞬店内がシーンとした後、
ステージにいたわれわれはとばっちりがくるのを恐れて、
さも何事もなかったかのように、いきなり熱心に演奏を始めたのでした。
おしまい。
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何年か前のできごとです。
その夜もステージに上がっておりました。
チラホラお客さんはおられたのですが、客席には空席が目立っていました。
バンドさんもどことなく不完全燃焼のような演奏です。
店の雰囲気もやや盛り下がっておりました。
そんな時に彼らはやってきたのです。
男性2人に女性4~5人のグループでした。
静かな店内が一度に騒がしくなります。
男性のうちの年長者がいろいろ仕切っているようです。
「おい、みんな早う入ってこんかい」
「早う、空いてるところへ座らんかい」
その声のデカイこと・・・。
ステージで音を出していることや、
他にもお客がいることなんて、てんで眼中にない様子です。
連れの女性陣たちも嬌声をあげています。
彼女たちはライヴ・ハウスへ初めて来たみたい。
どうやら男性の年長格が、
「自分はこういうジャズの生演奏のあるおシャレな店も知ってんねんぞ~」
と女性たちに自慢したかった感じです。
ワイワイキャーキャー言いながらドヤドヤと店内に入ってきた彼ら、
もう完全に自分たちだけの世界に浸っています。
ライヴ・ハウス(イメージです)
他のお客さんもさすがに迷惑そうな顔つきになっています。
ステージ上のわれわれもお互い顔を見合わせて、
「なんやねんあれは。かなわんなー」とタメ息。
でも彼らの口調やド派手なスーツ、察するにどうもカタギではないようです。
注意する度胸もないわれわれは、
なるべく彼らを刺激しないように、大人しく弾き続けるのでした。
と、そこへひときわ大きな声が!
「おーい!早よ注文取りにこいや!」
かの年長格がややイライラしながら怒鳴っています。
お店のバイト君、おどおどしながらもあわててテーブルへ走っていきます。
年長格、片手を開いてさらに怒鳴ります。
「ビール!とりあえずこんだけや!早うせんかい!」
よく見ると、その開いた片手の小指がない!
うわ~ヤバ~、ホンマモンのヤーさんや~
そこへ気の弱そうなバイト君、
その小指のない片手を突きつけられて、思わず口走りました。
「ビール大瓶4本と小瓶1本ですか?」
・・・。
一瞬店内がシーンとした後、
ステージにいたわれわれはとばっちりがくるのを恐れて、
さも何事もなかったかのように、いきなり熱心に演奏を始めたのでした。
おしまい。
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