ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ポール・マッカートニー 『back in the u.s.』

2007年06月18日 | 見る聴く感じるその他
 
 今日はポール・マッカートニーの65回目の誕生日ですね。



 4、5年前の暮れだったと思いますが、


 ポール・マッカートニーのライヴ映像が、深夜にテレビで放映されるというので、とっととスキーを切り上げて、その番組をとても楽しみに帰って来たことがあります。
 ポールが来日公演を行った年じゃなかったかなぁ。
 番組は、ポールのライヴDVDをほとんどそのまま流していました。カッコよかった~。


 そして


 翌朝、開店時間とともに店に飛び込んで、そのDVD買いました!
 それが、この『back in the u.s.』です。


     


 「何度でも観たくなる」作品です。
 ドキュメンタリー・タッチで編集しているため、「ポールのライヴ」をリアルな雰囲気で味わうことができました。とくに観客席の様子にも重点を置いて撮影しているので、これが映像にはかりしれない迫力を与えています。
 「All My Loving」で涙ぐむ中年男性。「Jet」で大はしゃぎするミリタリー・ルックのロー・ティーンの女の子。「Let It Be」で感極まってしまった黒人青年。「Back In The U.S.S.R」で興奮する女性たちなどなど。


 舞台裏の様子もふんだんに見ることができ、これらがツアー・クルーのアット・ホームな雰囲気をとてもわかりやすく伝えてくれています。
 ツアー最終日、「The Long And Winding Road」のイントロが始まると同時にスタッフ達がハートのついたカードを一斉に掲げ、これを見たポールが思わず涙ぐんでしまう場面はちょっと感動ものです。胸が詰まって一瞬歌えなくなったポールを見たぼくは、恥ずかしいことに貰い泣き(ちょっとだけね)してしまう始末でした。


     


 サウンド・チェック用に演奏される曲も興味深いものがあります。
 「Hey Jude」のハード・ロック・ヴァージョンがあったり、メンバーの夫人やガールフレンドたちが思わず踊りだしてしまう「Matchbox」、「Coming Up」などは、本番さながらの迫力ですね。


 客席でジャック・ニコルソンやトム・クルーズ、ジョン・キューザック、マイケル・ダグラスなどの面々が、ステージをとても楽しんでいる姿を見ることもできます。


 肝心の演奏シーンですが、一番印象に残っているのが、バンドのチームワークの良さと、パワフルかつ非常に洗練されている、技術的レベルの高さです。
 といって、ポールに必要以上に規制されているわけではなくて、みんながとてもリラックスしつつ、自分のパートを完璧にこなしている、という感じでした。
 「Maybe I'm Amazed」で、ドラマーのエイブ・ラボリエルのあまりのエキサイトぶりに、いつもはクールなキーボーディストのポール・ウィックスのテンションまでどんどん高まっていくさまは、見ていて微笑ましいですね。
 「The End」のトリプル・ギター・バトルも強烈にホットです。


     


 このツアーのバンドメンバーを紹介しておきましょう。
 ☆ポール・マッカートニー(vocal, bass, guitar,piano)
 ☆ポール・"ウィックス"・ウィッケンス(keyboards)
 ☆ラスティ・アンダーソン(guitar)
 ☆ブライアン・レイ(guitar,bass)
 ☆エイブ・ラボリエル Jr.(drums)


 とにかくバンド、観客、スタッフすべてが心からショウを楽しんでいます。それも郷愁ではありません。ビートルズをリアルタイムで知らない30代以下の世代が非常に多く、これは年々「ビートルズ・ファン」が増えていることの裏づけにもなるでしょう。親子でファン、という家族も珍しくはないですからね。


 見ているこちらまでがいつの間にか興奮している、とても楽しい一枚でした。
 ところで、ドラマーのエイブ・ラボリエルJr.って、やはり、あの名ベーシストのエイブ・ラボリエルの息子なんでしょうか。


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コメント (8)
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