ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

マジカル・ミステリー・ツアー (Magical Mystery Tour)

2005年12月03日 | 名盤


 ぼくはビートルズのアルバムは全部好きだ。
 なかでも「マジカル・ミステリー・ツアー」は、そのカラフルなところがとても気に入っている。
 このアルバムに収められている11曲中、1~6曲目は、同名テレビ映画のサウンド・トラックである。
 ビートルズがこのテレビ映画で意図したところは、「ドラッグ体験に基づくサイケデリック感覚の映像化」だそうだが、まさしくこのアルバムの曲群は、サイケデリックな感覚に満ちた、色彩感覚あふれるものだと思う。そしてそれは、6曲目までだけではなくて、収められている11曲全てから感じられるものだ。





 メロトロンやホーン・セクションの効果的な使用、実験的かつ前衛的なアレンジ、インド音楽への接近、機械操作による効果音、シュールな歌詞などが、この作品が醸し出している独特の空気を形作っていると思う。
 収録されている曲の作風も、非常にバラエティに富んでいる。
 はじめてこのアルバムを聴いてから20年以上になるが、全然飽きがこないのだ。もっとも、それはこの作品に限ったことではないのだが。





 アルバムの中ではとくに、『ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー』と『アイ・アム・ザ・ウォルラス』に惹かれる。この2曲の持つシュールな雰囲気とトリップ感が大好きなのだ。
 『ハロー・グッドバイ』や『ユア・マザー・シュッド・ノウ』のポールらしいポップな曲も、もちろん大好きである。





 ビートルズの作品は、ぼくにとっては「どのアルバムが好きか」というより、「アルバムのどこが好きか」である。
 ビートルズの作品には駄作がないと思う。そして、デビュー作からラスト・アルバムを発表するまでの間に聴くことのできるさまざまな音楽性や、「進化の度合い」も驚異的だと思っている。



◆マジカル・ミステリー・ツアー/Magical Mystery Tour
  ■歌・演奏
    ビートルズ/Beatles
  ■リリース
    1967年11月27日(アメリカ)、1968年12月5日(日本)
  ■プロデュース
    ジョージ・マーティン/George Martin
  ■収録曲
   [side A]
    ① マジカル・ミステリー・ツアー/Magical Mystery Tour (Lennon-McCartney)
    ② フール・オン・ザ・ヒル/The Fool On The Hill (Lennon-McCartney)
    ③ フライング/Flying (Harrison, Lennon, McCartney, Starkey)
    ④ ブルー・ジェイ・ウェイ/Blue Jay Way (Harrison)
    ⑤ ユア・マザー・シュッド・ノウ/Your Mother Should Know (Lennon-McCartney)
    ⑥ アイ・アム・ザ・ウォルラス/I Am The Walrus (Lennon-McCartney)
   [side B]
    ⑦ ハロー・グッドバイ/Hello, Goodbye (Lennon-McCartney)
    ⑧ ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー/Strawberry Fields Forever (Lennon-McCartney)
    ⑨ ペニー・レイン/Penny Lane (Lennon-McCartney)
    ⑩ ベイビー・ユーアー・ア・リッチマン/Baby You're A Rich Man (Lennon-McCartney)
    ⑪ 愛こそはすべて/All You Need Is Love (Lennon-McCartney)
  ■録音メンバー
   [Beatles]
    ジョン・レノン/John Lennon
     (lead-vocals①⑥⑧⑩⑪, harmony & backing-vocals, scat③, acoustic & electric-guitars,
       acoustic & electric-piano, mellotron, organ, clavioline, harosichord, banjo, harmonica, jew's-harp)

    ポール・マッカートニー/Paul McCartney
     (lead-vocals①②⑤⑦⑨, harmony & backing-vocals, scat③, bass, acoustic-guitars, piano, mellotron, harmonium, recorder, penny-whistle)
    ジョージ・ハリスン/George Harrison
     (lead-vocals④, harmony & backing-vocals, scat③, guitars, organ, swarmandal, violin, harmonica)
    リンゴ・スター/Ringo Starr
     (drums, percussions, backing-vocals⑦, scat③)
   [additional musicians]
    マル・エヴァンス/Mal Evans (percussion①⑧)
    ニール・アスピノール/Neil Aspinall (percussion①)
    ジョージ・マーティン/George Martin (piano⑨⑪)
    デヴィッド・メイスン/David Mason (piccolo-trumpet solo⑨)
    backing-vocals on⑪=Mick Jagger, Keith Richards, Marianne Faithfull, Keith Moon, Eric Clapton,
                   Pattie Boyd Harrison, Jane Asher, Mike McCartney, Maureen Starkey, Graham Nash etc...  

  ■チャート最高位
    1967年週間アルバム・チャート アメリカ(ビルボード)1位
    1968年年間アルバム・チャート アメリカ(ビルボード)4位


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ジングル・ベル | トップ | スピーク・ロウ (Speak Low) »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
アルバム・ジャケット通りのカラフルな楽曲の仕上りですね (たろ)
2006-03-30 10:13:41
2005-12-04 02:46:08



こんばんは。

幣ブログへのコメント、いつもありがとうございます。

コメント、失礼いたします。



このアルバムは、僕も好きな「I Am The Walrus(アイ・アム・ザ・ウォルラス)」 等のジョン・レノンさんのサイケデリック後期の楽曲がありますね。この後のJ.レノンさんの楽曲は寄りシンプルな形に移行したという感じがします。

そして、MINAGI様が記事中で書かれていらっしゃる様に、楽曲の進化がシンセサイザーの使用に代表される楽器と録音技術の進化が伴なった事であると僕も考えています。



また遊びに来させて頂きます。

ではまた。

返信する
たろさん (MINAGI)
2006-03-30 10:14:25
2005-12-04 15:12:30



こちらこそ、いつもありがとうございます



「アイ・アム・ザ・ウォルラス」、サイケでシュールで、いいですね~。大好きです。

この頃のビートルズは、アイデアが尽きない、って感じですね。彼らこそ、本来の意味の「プログレッシブ・ロック」グループかもしれませんね。

返信する
Unknown (bugalu)
2006-03-30 10:15:21
2005-12-06 23:02:58



どうも、こんにちは。



ビートルズのアルバムの中では、分かりやすい曲が一番少ないアルバムではないでしょうか。(Hello Goodbyeくらいですよね。)

ワタシは、ビートルズのアルバムは、これを一番最初に聴きまして(当時、中学生でした)、当初、コレはすっかり謎の音盤でした。

聴き進むにつれ、ツー好みの曲が多いとう感じになっていき、私もこのアルバムが好きになりました。

B面のトッ散らかりようが、今なら好きかもしれません。
返信する
bugaluさん (MINAGI)
2006-03-30 10:16:26
2005-12-06 23:52:26



>分かりやすい曲が一番少ない

 言われてみると、ビートルズの作品中、アクの強さでは有数のアルバムかもしれませんね。

 そのあたりが「ドラッグ体験に基づくサイケ感覚」だったりするのかも。

 で、その妙な味わいがぼくには「カラフル」に感じられたんだろうな~。

返信する

コメントを投稿

名盤」カテゴリの最新記事