ジョン・ロードのオルガンによるインプロヴィゼーション風のイントロ。
それに被さってくるイアン・ペイスのど迫力のドラム。
興奮した聴衆の大歓声で始まる1曲目の「ハイウェイ・スター」からこのアルバムは超ハイ・テンションで飛ばしまくります。
1972年8月15~17日にかけて行われたディープ・パープルの日本公演の模様が収録された「ライヴ・イン・ジャパン」、ライヴ・アルバムとしてはロック史上ベスト5に入るであろう素晴らしい演奏です。
ぼくはもともとあまりハード・ロックが好きではなかったし、ロックのライヴ・アルバムはスタジオ録音盤に比べて演奏が拙い、あるいは粗っぽいものが多いと思っていたので、あまり聴いてみようとは思ってなかったんです。
しかしディープ・パープルの「メイド・イン・ヨーロッパ」を聴いてその迫力に惹かれ、次にこの「ライヴ・イン・ジャパン」を手に取ってみたわけです。
一聴してその凄まじいパフォーマンスに興奮してしまいました。おかげでハード・ロックやライヴ・アルバムに対する偏見を消すことができたのです。
このアルバムは、そもそもは日本側から制作を申し出たようです。それに対し、ライヴでのできが良くなかったらアルバムにはしない、というディープ・パープル側の意向があったようですが、日本公演のテープを聴いたパープル側はライヴの出来の良さに大満足、無事レコード化されました。
全7曲が収録されていますが、1~3、5、7曲目が大阪厚生年金会館、4、6曲目が東京の日本武道館でのライヴです。
ライヴだけあって長尺の曲ばかりなのですが、全然たるみがありません。
イアン・ペイスのスピード感満点のドラムが曲を引き締めていると言っていいでしょう。リッチー・ブラックモアは、何か神がかったような凄まじいギター・プレイを聴かせてくれます。ジョン・ロードのオルガンは、バッキングに回った時とソロの時のメリハリがはっきりして、バンドのサウンドの均整化に貢献しています。ロジャー・グローヴァーのベースはドラムスと一体化して激しいビートを出しています。そしてイアン・ギランのヴォーカル、ど迫力ですね。強烈なシャウトがまたカッコいいんです。
メンバー全員のテンションが異常なほど高くなっていることが、激しくて素晴らしい演奏につながっているのでしょうね。
疾走する「ハイウェイ・スター」、劇的な「チャイルド・イン・タイム」、貫禄さえ感じる「スモーク・オン・ザ・ウォーター」、ドラム・ソロが堪能できる「ミュール」、ヴォーカルとギターの掛け合いが面白い「ストレンジ・ウーマン」、オルガンとギターのインプロヴィゼイションが素晴らしい「レイジー」、バンドが一体となって実に19分にも及ぶ大熱演を繰り広げる「スペース・トラッキン」。
どの曲もスタジオ・テイクより迫力があり、またスタジオ盤では聴くことのできないインプロヴィゼイションが随所に出てきます。これらはライヴ・アルバムならではの醍醐味ですね。
このアルバム、当初は日本のみの発売でしたが、演奏内容、録音状態などは最高の状態で、あまりの評判の良さに世界各国でも発売されることになりました。
本国イギリスでのチャートは16位でしたがアメリカでは6位と大ヒット。ドイツとオーストリアでは1位を記録するなど、セールス面でも大成功を収めました。
後に3日分の全コンサートをほぼノーカット収録した3枚組アルバム『ライヴ・イン・ジャパン'72完全版』が発売されています。これも一度は聴いてみなければ。
◆ライヴ・イン・ジャパン/Made in Japan
■歌・演奏
ディープ・パープル/Deep Purple
■リリース
1972年12月(イギリス)
1973年4月(アメリカ)
■プロデュース
ディープ・パープル/Deep Purple
■収録曲
[side 1]
① ハイウェイ・スター/Highway Star
② チャイルド・イン・タイム/Child In Time
[side 2]
③ スモーク・オン・ザ・ウォーター/Smoke On The Water
④ ミュール/The Mule
[side 3]
⑤ ストレンジ・ウーマン/Strange Kind Of Woman
⑥ レイジー/Lazy
[side 4]
⑦ スペース・トラッキン/Space Truckin'
※All songs written by Blackmore, Gillan, Glover, Lord, Paice
■録音
1972年8月15日 大阪・厚生年金会館・・・③
1972年8月16日 大阪・厚生年金会館・・・①②⑤⑦
1972年8月17日 東京・日本武道館・・・・④⑥
■録音メンバー
イアン・ギラン/Ian Gillan (vocals, harmonica, percussion)
ジョン・ロード/Jon Lord (organ, piano)
リッチー・ブラックモア/Ritchie Blackmore (guitar)
ロジャー・グローヴァー/Roger Glover (bass)
イアン・ペイス/Ian Paice (drums)
■チャート最高位
1973年週間アルバム・チャート アメリカ(ビルボード)6位、イギリス16位
1973年年間アルバム・チャート アメリカ(ビルボード)26位
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ディープパープルファンは盛り上がりますね(笑)
「ライブインジャパン」はライブ盤ベストで必ず上位にランキング。た だねトップにはならない。4位か5位か。
72年パープル初来日。東京と大阪。
73年パープル2度目。東京大阪名古屋→イアンギランとロジャーグローバー脱退。名古屋の海賊盤にはイアンギランがジョンロードに「さようならジョンロード」と語りかけジョンロードが会釈する様子が収録されています。
とにかくブラックモアとイアンギランが修復不可能になってしまい残念。
1985年再結成のパープルもよかったね。イアンギランが「我々のギターはリッチー!ミスターリッチブラックモアだあ」
紹介をしたのを聞いて涙が出たなあ。
大阪フェスティバルと日本武道館の3日間でベストテイクを「ライブインジャパン」に収録をしたんだけど。
録音は当時発売されたばかりのSONY「デンスケ」あんまり録音状態がいいので
「このギターは誰が弾いているのか」
とリッチブラックモアが質問をしたらしい。
英国のホールと武道館やフェスティバルの音響は比べられないくらいの差があったらしくパープルのメンバーは「日本の音響は素晴らしい」と言ったとか。
そうだったのですか。知りませんでした。偶然とはいえタイムリーなエントリーになってたんですね。
>録音
バンド側スタッフが日本製機材を使って録音したそうですね。
このアルバムの成功でいろんなバンドがライヴ・アルバムを出すようになったそうですね。その意味でも偉大な作品だと思います。
いったいどこから読もうか迷ってしまうほどですけど、まずはここに(^^)
ディープ・パープルのこのアルバム、よく聴きましたね、擦り切れるほど。高校生時代はコピーしてましたよ、みんなそうだと思いますけど。
あ、送れましたがこれからよろしくお願いしますね。
勝手にリンクしちゃいますのでお許しを~!
ではまた。
>濃~いですね
いやいや、恐縮です。好き勝手書いてたらこんなになってしまいましたよ。
>高校生時代はコピー
エレキギターを持つとみんなとりあえず「天国への階段」か「スモーク・オン・ザ・ウォーター」のさわりを弾いてましたね。
ぼくの周りにもリッチー・フリークが結構いたなぁ。
こちらこそこれからもよろしくお願いいたします。
こちらからもリンクさせて頂きますね。
興味がある記事ばかりなので、過去ログを少しずつ読んでいきたいと思います♪
私はレインボーは前から好きだったんですが、ディープ・パープルは、最近ベストを一枚聴いただけなんですよね。このライブ盤、よさそうですね~~
レインボウがお好きなんだったら、たぶんディープ・パープルも気に入ると思いますよ。
パープルの数あるアルバムの中でも、ぼくはこのライヴ・アルバムが好きなんです。
またいつでもお越し下さいね。ぼくもまた遊びに行かせて頂きます。(^^)