21世紀に入ってからも、なおいっそう精力的に活動しているポール・マッカートニー。
60歳を過ぎているというのに、若々しい雰囲気は以前のまんまです。
このまま、70歳になっても80歳になっても(さすがにそれはムリかな・・・)ロックンロールし続けてほしい。ロックが反体制の音楽ならば、ポールだってストーンズの面々に負けず劣らず「永遠の不良」なんですね。改めて「カッコいい!」って思います。
ビートルズ脱退後のポールは、自分のバンド「ウィングス」を率いて、名曲佳曲をたくさん発表しています。
ウィングスは1975年9月からワールド・ツアーを開始しましたが、1976年5月3日から6月23日までは26都市31公演の大規模なアメリカ・ツアーを行いました。ツアーは大成功のうちに幕を閉じ、このうちのアメリカ・ツアーのベスト・トラックを収録したアルバムが、「Wings Over America」として発表されました。なお、日本では当初「ウィングスU.S.A.ライヴ!!」のタイトルでリリースされていましたが、現在ではオリジナル・タイトルの「ウィングス・オーヴァー・アメリカ」に改められています。
ちなみにこのワールド・ツアーでは日本にも来る予定になっていたのですが、ポールは大麻所持容疑で入国を拒否され、たいへんな騒ぎになりましたよね。結局日本公演はキャンセルされてしまったのでした。
たしかNHKの音楽番組でこのワールド・ツアーのアメリカ・ライヴの様子が放映され、それを食い入るように見た記憶があります。まだビデオなんてほとんど普及してなかった頃ですからね、まばたきするのも惜しいような気持ちで見たんですよ。
今聴いても、テンションの高い、エキサイティングなステージであることが伺えます。『ヴィーナス&マース』でスペーシーに、そしてロマンチックに始まったこのステージ、『ロック・ショウ~ジェット』で一気にエネルギーが爆発します。ここで早くも、ポールの世界にどっぷり浸っている自分を感じます。
ビートルズ・ナンバーや、アコースティック・ナンバーなどを交えながら聴かせてくれるヒット曲の数々、しめて28曲。『バンド・オン・ザ・ラン』『マイ・ラヴ』『あの娘におせっかい』『イエスタデイ』『レディ・マドンナ』などなど、名曲のオン・パレードです。
この中でぼくが好きなのは、オープニングのメドレー『ヴィーナス&マース~ロック・ショウ~ジェット』、ブルージーな『レット・ミー・ロール・イット』、デニー・レインがヴォーカルをとる『ゴー・ナウ』、原曲に比べて遥かにワイルドな『ハイ・ハイ・ハイ』、ハード・ロック・バンドを思わせるソリッドでエキサイティングな演奏と、ポールのシャウトが存分に楽しめる『ソイリー』などです。
このライヴ・アルバムは、発売当時はLPレコード3枚組。金額は、いくらだったかな~、6000円くらいだったでしょうか、とにかく子供がおいそれと手を出せるような値段ではなかったので、友達に借りた時に録音しておいたテープを大事に大事に聴いていたものです。
臨場感と熱気に満ちている作品です。とても楽しめました。
バンドのまとまり具合の良さも感じることができます。
この頃のポールやリンダ、ウィングスの面々の写真って変顔をしているものが多いのですが、これはバンド内のいい雰囲気の現れとも言えるんじゃないかな、と勝手に思ったりしています。
演奏面では、目立たないけれど、デニー・レインの「内助の功」というか「陰の功労者」と言っていいサポートぶりは貴重です。
またギターのジミー・マッカロックの荒々しくも瑞々しいプレイぶりも特筆しておきたいですね。ジミーは将来を期待されたロック・ギタリストでしたが、ドラッグの過剰摂取のためこのライブの3年後に急逝しています。
このアルバムのテンションの高さ、30年も時が隔たっているのに、ここ数年の間に発表されたDVDなどと比べても遜色ないんです。
それだけのエネルギーを維持しているポールに、改めて驚かされますね。
◆ウィングスU.S.A.ライヴ!!/Wings Over America
■歌・演奏
ウィングス/Wings
■リリース
1976年12月10日
■収録曲
Side-A
1 ヴィーナス・アンド・マース~ロック・ショウ~ジェット/Venus and Mars ~ Rock Show ~Jet (Paul McCartney)
2 レット・ミー・ロール・イット/Let Me Roll It (McCartney)
3 遥か昔のエジプト精神/Spirits of Ancient Egypt (McCartney)
4 メディシン・ジャー/Medicine Jar (Colin Allen, Jimmy McCulloch)
Side-B
5 メイビー・アイム・アメイズド/Maybe I'm Amazed (McCartney)
6 コール・ミー・バック・アゲイン/Call Me Back Again (McCartney, John Lennon)
7 レディ・マドンナ/Lady Madonna (McCartney)
8 ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード/The Long and Winding Road (McCartney, Lennon)
9 007死ぬのは奴らだ/Live and Let Die (McCartney)
Side-C
10 ピカソの遺言/Picasso's Last Words (McCartney)
11 リチャード・コーリー/Richard Cory (Paul Simon)
12 ブルーバード/Bluebird (McCartney)
13 夢の人/I've Just Seen a Face (McCartney, Lennon)
14 ブラックバード/Blackbird (McCartney, Lennon)
15 イエスタデイ/Yesterday (McCartney, Lennon)
Side-D
16 幸せのアンサー/You Gave Me the Answer (McCartney)
17 磁石屋とチタン男/Magneto and Titanium Man (McCartney)
18 ゴー・ナウ/Go Now (Larry Banks, Milton Bennett)
19 マイ・ラヴ/My Love (McCartney)
20 あの娘におせっかい/Listen to What the Man Said (McCartney)
Side-E
21 幸せのノック/Let 'Em In (McCartney)
22 やすらぎの時/Time to Hide (Laine)
23 心のラヴ・ソング/Silly Love Songs (McCartney)
24 愛の証し/Beware My Love (McCartney)
Side-F
25 ワイン・カラーの少女/Letting Go (McCartney)
26 バンド・オン・ザ・ラン/Band on the Run (McCartney)
27 ハイ・ハイ・ハイ/Hi Hi Hi (McCartney)
28 ソイリー/Soily (McCartney)
※CD Disc-1=1~15、Disc-2=16~28
■プロデュース
ポール・マッカートニー/Paul McCartney
■録音メンバー
☆ウィングス/Wings
ポール・マッカートニー/Paul McCartney (bass, acoustic-guitar, piano, keyboards, lead-vocals, backing-vocals)
リンダ・マッカートニー/Linda McCartney (piano, keyboards, percussion, backing-vocals)
デニー・レイン/Denny Laine (electric-guitar, acoustic-guitar, bass, piano, keyboards, percussion, harmonica, lead-vocals[3,11,18,22] backing-vocals)
ジミー・マッカロック/Jimmy McCulloch (electric-guitar, acoustic-guitar, bass, lead-vocals[4], backing-vocals)
ジョー・イングリッシュ/Joe English (drums, percussion, backing-vocals)
★サポート・メンバー
トニー・ドーシー/Tony Dorsey (trombone)
ホーウィー・ケーシー/Howie Casey (sax, percussion)
スティーヴ・ハワード/Steve Howard (trumpet, flugelhorn)
サデュアス・リチャード/Thaddeus Richard (sax, clarinet, flute)
■チャート最高位
1977年週間チャート アメリカ(ビルボード)1位、イギリス8位、日本(オリコン)4位
1977年年間チャート アメリカ(ビルボード)35位、日本(オリコン)51位
ウィングスもしてったけど
リンダが亡くなってからのポールは大変な事になっていますよね
今一番大変なのかな~?
離婚騒動は何十億の話しだし、、いつもすごいな
慰謝料47億円! それでもポールの財産の数パーセントの額なんだってね。すごいね~
でもヘザー・ミルズさんの評判、相当悪くなってるみたいです。お金で人が変わったみたい、っていう人もいるみたいですよ~
ダブル オー セブンの映画音楽も在りましたか?
バンド オン ザ ランも良いですね\(~o~)/
「007 死ぬのは奴らだ」は、残念ながらこれには入っておりませんでした。
「バンド・オン・ザ・ラン」、ちょっとした組曲風でこれまたカッコいいです(^^)。
このアルバムの選曲がこれまたベスト・アルバムといっていいほど豪華なんですよね。
NHKでのライブ放送も僕も見てましたよ!
しっかり記憶に残っています。
それと僕が呆けていないとすればたしか、この3枚組アナログ盤LPには『死ぬのは奴らだ』入っていたよね。
そうでした!アナログ盤だけどころじゃなくて、CDでもしっかり9曲目に入っておりました(汗)。ぼくは何を血迷ってたんでしょうか・・・(呆)moondreamsさん、ご指摘ありがとうです~。ひろさん、ゴメンナサイ<(_ _)>
NHKでのライヴ放送はたしか「ヤング・ミュージック・ショウ」でしたよね。ミュージシャンの動く姿をなかなか映像で見る機会のなかった当時、貴重な番組でしたよね。
先日の4月17日はリンダの10回目の命日でした。
それで彼女のお葬式の様子を伝えるビデオを見直していたら、ポールが「リンダのことはこれからも一生愛していく。」って言っていました。
う~~~ん。
あ、このアルバムは私もテープにダビングしたのを持っています。(汗)
リンダが亡くなってもうそんなになるんですね~。
そういえばポールは、ヘザーと再婚してからも、ステージではリンダに捧げる曲を歌ってましたね。
今更ですが、ポールとリンダは公私共に最高のパートナーだったんでしょうね。
このアルバムは120分テープに録音してました。早くダメになりそうで、CDを買うまではオソルオソル聴いてましたよ~(^^;)
勿論、好き、好き!
ウィングスの絶頂期ですよね♪
その後のアルバムで好きなのは「ロンドンタウン」くらいかな~
ちなみに「007 死ぬのは奴らだ」はEPレコードで持っていて、ふと考えたらCDが無いですわ(汗)
当時、6000円もしてましたか!
私は、まだあの頃は少なかった輸入レコード屋で買った記憶があります。
おっ、やはりNobさん、お好きでしたか。(^^)
そうそう、ウィングス、ノリにノッてた頃のライヴ盤です。
ちなみに「死ぬのは奴らだ」はオリジナル・アルバムには入ってないですが、「ウィングス・グレイテスト・ヒッツ」に収録されておりますよ。
当時の6000円は大きかったです。なにせ小遣い2~3ヶ月分ですからね。このレコードを持っている友達もひとりしかいませんでした(羨)。
輸入盤は国内盤より2~3割安かったですよね。ぼくは中古ショップの方にたいへんお世話になりました~