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1月19日はジャニス・ジョプリンの誕生日だったんですね。
今夜はなんとなくジャニスの歌が聴きたくなって、CD棚から「パール」を取り出して聴いています。
ちなみに、宇多田ヒカル、松任谷由実、ロバート・プラントらのそうそうたるシンガーたちも、ジャニスと同じ誕生日だそうですね。
「パール」は1970年8月末から制作に取り掛かりましたが、レコーディング途中の10月に、ジャニスはヘロインの過剰摂取のため、わずか27歳で急逝してしまいます。アルバム中、ヴォーカル・トラックの入っていない曲が1曲あるのはこのためです。
その曲のタイトルは、「生きながらブルースに葬られ」(Buried Alive In The Blues)。ちょっとビックリしますね。
しかし、このアルバムはジャニスの最高傑作、というより、ロック史上に残る名作といえるでしょう。
このアルバムは、ジャニス自身のニックネーム「パール」をそのままタイトルにしています。
ジャケットで微笑んでいるジャニス、人生を謳歌しながらもどこか悟ったような、とてもいい表情をしています。その写真は紫色で縁取られていますが、紫はジャニスが好きだった色だそうです。
収められているものは、名曲・名唱のオン・パレード。
ジャニス自身の作で、ハード・ロックの古典ともなっている『ムーヴ・オーヴァー(ジャニスの祈り)』、ハードでブルージーな『クライ・ベイビー』、ファンキーなギターが大活躍する『ハーフ・ムーン』、恋人と言われたクリス・クリストファーソン(近年は俳優として活躍していますね)が書いたカントリー・バラードの名作『ミー・アンド・ボビー・マギー』、アカペラで迫る『メルセデス・ベンツ』、トラディショナル・フォークの味わいもあるR&B風ナンバー『トラスト・ミー』、ジャニスの息遣いと温もりが感じられるソウルフルな『愛は生きているうちに』など、どの曲もとてもグレードの高いものばかりです。
なかでもぼくが好きなのは『寂しく待つ私』。ピアノとオルガンから漂ってくる寂寥感と、ジャニスの熱気と感情のこもった抜群の歌唱力がたまらないのです。
このアルバムのジャニスは、さらに表現力に磨きがかかっています。まさに、シンガーとして脂の乗り切った頃だったのでしょう。
ジャニスのあのしゃがれた歌声には、ジャニスの音楽性だけではなく、彼女の持つ埋めがたい寂しさだとかコンプレックス、そして彼女自身の生き様が詰まっているような気がします。
きっと彼女は、ブルースを歌うために生まれてきたのでしょうね。
◆パール/Pearl
■歌・演奏
ジャニス・ジョプリン/Janis Joplin
フル・ティルト・ブギー・バンド/Full Tilt Boogie Band
■リリース
1971年1月11日
■プロデュース
ポール・ロスチャイルド/Paul A. Rothchild
■収録曲
[side-A]
① ジャニスの祈り/Move Over
② クライ・ベイビー/Cry Baby ☆(全米42位)
③ 寂しく待つ私/A Woman Left Lonely
④ ハーフ・ムーン/Half Moon
⑤ 生きながらブルースに葬られ/Buried Alive in the Blues
[side-B]
⑥ マイ・ベイビー/My Baby
⑦ ミー・アンド・ボビー・マギー/Me & Bobby McGee ☆(全米1位)
⑧ ベンツが欲しい/Mercedes Benz
⑨ トラスト・ミー/Trust Me
⑩ 愛は生きているうちに/Get it While You Can ☆(全米78位)
☆=シングル・カット
■録音メンバー
ジャニス・ジョプリン/Janis Joplin (lead-vocals, backing-vocals, acoustic-guitar⑦)
[Full Tilt Boogie Band/フル・ティルト・ブギー・バンド]
リチャード・ベル/Richard Bell (piano, backing-vocals)
ケン・ピアソン/Ken Pearson (organ, backing-vocals)
ジョン・ティル/John Till (guitar, backing-vocals)
ブラッド・キャンベル/Brad Campbell (bass, backing-vocals)
クラーク・ピアソン/Clark Pierson (drums, backing-vocals)
[guests]
ボビー・ウーマック/Bobby Womack (acoustic-guitar ⑨)
ボビー・ホール/Bobbie Hall (congas, percussion)
フィル・バデラ/Phil Badella (backing-vocals)
ジョン・クック/John Cooke (backing-vocals)
ヴィンス・ミッチェル/Vince Mitchell (backing-vocals)
サンドラ・クロウチ/Sandra Crouch (tambourine)
■チャート最高位
1971年週間チャート アメリカ(ビルボード)1位、イギリス20位、日本(オリコン)10位
1971年年間チャート アメリカ(ビルボード)4位
「ロック史上に残る名作」。
大賛成です。スペシャル名盤ですね。
今は、そんなに愛聴はしてませんが、最近、再びこのアルバムから「Me And Bobby McGee」にハマッています。
歌が間に合わなかった「Buried Alive In The Blues」も、結局バックトラックでしかない筈なのに、とんでもないグルーヴがあって大好きですし、もうとにかくロック史上に燦然と輝きまくっている名盤だと思います。
>燦然と輝きまくっている名盤
ですよねですよね~。個性も味もある、まさに不朽の名作だと思います。
>「Me And Bobby McGee」
最初にこのアルバムを買った時は、「Move Over」などのロック寄り、またはブルース寄りでけっこうストレートなものが好きだったんですが、ある程度いろんな音楽に接するようになってからは「Me & Bobby McGee」の土くささにホレこんでいます。
MINAGIさん、宇多田ヒカル、松任谷由実、ロバート・プラントとジャニスの誕生日って一緒なんですね~~~~!!
知らなかったです!教えて頂きありがとうございます☆
そういえばロバート・プラントとジャニスって何となく表現が熱い同士だし、宇多田ヒカルと松任谷由美は歌は決して上手ではないと思いますが(私は思うのですが)・・曲作り、詩などの才能が似てるかも。。
ジャニスはかっこいいですね!好きです!私は高校生の時に父に聞かせてもらい、衝撃を受け、あのステージ、歌に対する魂は半端じゃなく、私もそこは大事にしたいなぁと影響受けました
やっぱり声がずるいですよね~~
MINAGIさん、今年もいろんなアーティスト、曲の事など教えて下さいね
楽しみにしています
いやしかし、「誕生日が1月19日の歌い手」はすごい顔ぶれですね。4人ともすばらしい表現者ですよね。
あの声でブルースを歌われると、鳥肌が立ちますよね。そしてビデオでジャニスのステージングのアツさを見て、決定的にメロメロになったワタクシです。
しかし、お父さんにジャニスを教えてもらっただなんて、なんてうらやましい環境なんだ!(笑)
いつもありがとうございます!今年も頑張って記事を書いてみます。yukaさんのところも覗かせて頂いてますので、よろしくね~(^^)