今年も12月がやってきて、例年のようにロイヤルコペンハーゲンの
イヤープレートを買いました。今年の絵柄は、お母さんが二人の子
どもと暖炉の前に座っている、暖かいお部屋の光景です。ここ数年
海辺の風景など、寒々した戸外の絵柄が多かったので、こういうほ
んわかしたのが心温まります。無難といえば無難な絵柄ですが。
別にキリスト教徒でない私も、リースやちっちゃなツリーを飾ります。
緑と赤と金がとてもきれいなのでつい。クリスマスツリーの起源には
いくつもの説があります。戦争の捕虜を樫の木に吊りしたとかいう残
酷なものもあります。でも常緑樹に豊穣と平和を託したというのがい
いですね。あちこちでツリーや電飾飾りがきれいな季節です。今スエ
ーデンでノーベル章を受賞しようとしているお三方のの開発したLED
のお陰でもありますね。
ちいさなもみのき (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本) | |
バーバラ クーニー,Margaret Wise Brown,Barbara Cooney,上条 由美子 | |
福音館書店 |
あす小学校へ絵本のよみきかせに行きますが、このところ毎年12月には
マーガレット・ワイズ・ブラウンの古典的な絵本「小さなもみの木」を読み
ます。ぽつんと寂しく立っていた小さなもみもの木が根ごと掘り起こされ、
ある年、足の悪い男の子のお部屋に行ってクリスマス・ツリーになり、男の
子を慰めます。春になるとまた元の場所に植えられ、毎年クリスマスになる
と男の子のところに行きます。ところがある年、男の子のおとうさんはもみ
の木を掘り起こしに来ませんでした。もみの木は寂しくてたまりません。
でもその時、歌声が聞こえて来ました。足の悪かった男の子が歩けるよう
になって、友だちと一緒にもみもの木のところにやってきたのです!
しみじみした良いお話です。温かい気持ちになります。ところが、
もみの木 (国際アンデルセン賞受賞画家絵本シリーズ) | |
スベン・オットー,木村 由利子 | |
ほるぷ出版 |
アンデルセンの「もみの木」は違います。童話や昔話は「めでたし、めでたし」
で終わることが多いのですが、アンデルセンの童話はそうではなく、なんだか
やるせないほど悲しことがあります。人魚姫やマッチ売りの少女や赤い靴や。
主人公が死んでしまうことも多いのです。このもみの木はクリスマスには大層
華やかに飾られて得意満面ですが、次の日にはもう切り刻まれて薪になるの
です!栄枯盛衰ということでしょうか。クリスマスのお話にしては悲しすぎます。
こういうお話が多いのは、彼の貧しい幼年時代や、社会への失望や、持って
生まれた心配性やらから来ているようです。でもこのお話は彼の名作の一つ
として読み継がれています。子どもたちはこれを読んで何を感じるでしょうか?