キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

春の古都を彩る花々

2016-04-19 10:43:47 | 季節の花々
             

             先日来数日間、関西へ戻り、お寺や公園など散策しました。染井吉野が終わっ

             て、いよいよ青葉の季節です。いにしえの都の時代から、奈良には八重桜がよ

             く似合います。でも、くいしん坊の私は、その柔らかそうな葉っぱを見ていると、

             どうしても桜餅の方へ心が動きます。

                  奈良七重七堂伽藍八重桜              松尾芭蕉

             

             牡丹も奈良には縁の深い花です。長谷寺の登廊の両側に咲き乱れる牡丹

             の見事さは一度見たら忘れられません。

                  本堂は牡丹ほむらの上にあり            川井玉枝

             

             女人高野と呼ばれる室生寺の石積みの階段沿いには、この季節ピンクの

             石楠花が咲き乱れます。ここの石楠花は、お寺の清らかな雰囲気と相まっ

             て、牡丹とはまた違う優しい柔らかい風情です。英名はRhododendronなん

             ていう長い名前ですが、英国の小説を読んでいると出てきたりして、西洋で

             も結構人気の花のようです。

             

             もっとも、西洋ではある種のツツジもRhododendronと呼ばれるようです。

             遠い昔訪れた、若草山を遠い借景にした奈良の名園依水園のツツジが

             見事だったのを思い出しました。

             

             ふらっと訪れた小さなお寺で、赤い花が満開の木を見ました。紅花マンサクだ

             そうです。マンサクって黄色かと思っていたら、こんな赤い花もあるんですね。

             

             これは山査子の仲間でしょう。山査子は古くから日本にもあって、実は漢方

             薬にも用いられるようですが、メイフラワーと言う方がピンとくる人が多いで

             しょうね。赤毛のアンが大好きだった可憐な花です。

             

             著莪の花は、故郷の奈良吉野の家の裏山にたくさん生えていました。この

             季節になると、小暗い杉の木の間に白い星のように点々と光っているのが

             見えたものでした。見るたびに、故郷への思いと相まって複雑な思いにとら

             われる花です。

                   花著莪やくらきをたどる吉野びと          原裕

             

             花ではありませんが、春紅葉も今きれいです。昔実家の庭にもあって、猩々

             紅葉だよと教えられました。春なのに秋みたいと思ったのを覚えています。  
コメント
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