奈良西ノ京の薬師寺は日本で最も名高いお寺の一つでしょう。
御本尊は国宝の薬師三尊像、薬師如来、日光菩薩、月光菩薩。
フェノロサが「凍れる音楽」と賛美した東塔はいま解体修理
中ですが、最近再建された西塔も、新しいだけに古さびた含
蓄はないものの、あでやかな美しさです。
修理中の東塔の頂部分の水煙が公開されています。天女
たちが踊り笛を奏でる美しい装飾です。実際に下から見
上げたら、高すぎて、どんな形か見えないところなのに、
すばらしく芸術的な緻密な細工です。
衰退していた寺を、名物管長高田好胤さんが、大企業などの
スポンサーに頼らず、写経勧進だけで再建を始め、金堂、西
塔、講堂、食堂など出来上がり、天武天皇が7世紀に創建した
当時の堂々とした姿を取り戻しています。写経勧進はまだ続
いており、好胤さんの名調子を引き継ぐ若いお坊さんたちの
説法や説明が、このお寺を訪れる魅力の一つになっています。
紅梅が早春の境内に趣を添えていました。