
紅葉の浄瑠璃寺を訪れました。京都市加茂町、当尾という山里にあ
ります。京都と言っても奈良駅からほんの30分、古来から南都の、つ
まり奈良仏教の聖地で、僧たちが世俗を逃れ修養する場所だったそう
です。御本尊の薬師如来さまの浄土、浄瑠璃世界がその名の由来です。
九体の薬師如来さまのおられる本堂の屋根が紅葉とともに前の池の水
面に移り、えも言われぬ美しさです。




池の東に薬師如来さまを祀るこの三重塔があり、西に本堂があります。
古来から人々は池の東、つまり此岸から阿弥陀様のおられる本堂の方、
つまり彼岸を礼拝する習わしだそうです。どこかで見た景色だと思っ
たら、こちら規模は小さいながら宇治の平等院と同じ配置なのですね。


池をめぐり本堂に入ると、そこは外の色鮮やかな秋景色とは打って
変り、荘厳な雰囲気です。ずらりの御並びになった阿弥陀如来さま
に圧倒されます。もっとも今は、修復のために二体の阿弥陀さまが
おでかけになっておられましたが。パンフレットに「未熟な私たち
を理想の未来へ導いてくれる如来さま」とありました。心洗われる
御寺です。ここも関西の花の寺の一つ。春の馬酔木の季節もそれは
美しいそうです。


池の端の野菊の優雅な濃紫が今も目に焼き付いています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます