キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

何を齷齪

2012-08-08 17:16:20 | 旅行
         

            小諸なる古城のほとり
            雲白く遊子悲しむ
            緑なすはこべは萌えず
            若草も藉くによしなし
            しろがねのふすまの岡邊
            日に溶けて淡雪流る

        ご存知、島崎藤村の「小諸なる古城のほとり」の最初の一節です。

        今は「懐古園」となっている小諸城から千曲川を見下ろした風景です。

         

         軽井沢へ行った次の日の早朝、車なら2、30分の小諸懐古園を訪れました。

         
        
        城跡の石垣だけになっていても堂々とした佇まいで、築城の名手

        山本勘助の手になるというのがうなづけます。

         

        藁葺き屋根の風情ある東屋から、緑濃い千曲川を望み、500年ほども前

        に築かれた城の跡に立っているのだと思うと、同じく「千曲川旅情の歌」

        の次の一節が心に響きました。

            昨日またかくてありけり
            今日もまたかくてありなむ
            この命なにを齷齪(あくせく)
            明日をのみ思ひわづらふ

        それにしても、"齷齪"(あくせく)って、すごい字ですね。

        藤村は書けたのでしょうね。私は読めませんでした。

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