『チボー家の人々』の処分ためらひて今回もまた書棚に戻す 瀬川幸子
今朝の新聞の歌壇でこんな歌を見つけて、ああ私と同じような人がいるな、
きっと年も近いのだろうなと思いました。壮大な大河小説で大部なので、か
なり場所を取ります。この方は違うでしょうが、こう言う本って、中身を全部
いえ一部でも読んでいる人が、どれぐらいいるのか?私の場合、それは、
本棚の大部分を占めている全集類です。森鴎外全集も、山椒大夫や高瀬
舟をちらっと読んだかな。ここ何十年ほとんど開いてもいないんです。でも
捨てられない。
日本古典文学体系、これは書棚を一段まるまる占めています。
枕草子、源氏物語、万葉集以外は開いたこともない。買った時
の薄い油紙が着いたままのもあります。「こんなもの要るの?」
時々夫に言われます。でも、こう言う全集を、倒産の危機に見ま
われながらも、粘り強く出し続けてきた筑摩書房さんって偉い、
奇特な存在!
この頃はそれに辞書類も仲間入りしました。以前は大いに活用した
のですが、パソコンで検索できるようになって以来、全く使わなくなり
ました。ランダムハウスの英和大辞典など使いに使ったものですが、
あまりの字の細かさに、老眼の今では読み取るのは苦行に近いも
のになりました。使わないなら、捨てればいいのですが、捨てられ
ない。本に限ったことではなく、色々整理する時期に来ているとは
思うのですが。断行、捨行、離行、ヨガの行ですからね。断捨離は
むずかしい!
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