灼熱の夏には、それに負けない赤い色が似合います。その名も鶏頭の赤。
南国の花、ハイビスカスの赤。
百日紅の赤。
ダリアの赤。
インパチェンスの鮮やかな赤。
でも赤と言っても、色々あります。特に日本の古代からの赤系統の色の
名前はとてもたくさんあります。ほんの少しの濃淡で名前が変わります。
紅色、朱色、緋色、丹色、茜色、これに牡丹色などピンク系統の色を加
えるともっと増えます。英語でもred以外、scarlet,crimson,vermilionなど。
scarletはスカーレット・オハラやスカーレット・スウェンソンのように女性
の名前に使われるようですが、英米の2つの有名な小説の名前にも使
われています。シャーロック・ホームズの『緋色の研究』とナサニエル・
ホーソーンの『緋文字』。どちらも読んで楽しい気分になる小説とは言
えません。特に『緋文字Scarlet Letter』は17世紀ニューイングランドの
ピューリタニズムの暗部を描いたやりきれないような、でも多分、実際
あったであろうようなお話です。ヒロインのヘスター・プリンは不義・密通
を犯したものという印の緋色のA(Adultry)を胸につけて一生を送ります。
「セーラムの魔女狩り」という実際に起こったおぞましい事件が連想され
ます。理想郷をつくろうとして新大陸に渡った清教徒たちだったのに、そ
重さによる破綻と相克が産んだ悲劇だったのでしょうか。松岡正剛さん
の千夜千冊『緋文字』が参考になります。緋は罪の色?
緋文字 (新潮文庫) | |
鈴木 重吉 | |
新潮社 |
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます