貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

籠もりて句づくり?

2021-08-17 11:33:53 | 日記

籠もりて句づくり?

令和3年8月17日(火)

屏風には 

  山を絵書て 

     冬籠

屏風には 

  山を画て 

     冬籠

  こうなると、絵画の方がはっきり

してくる。

 山の形が問題になる風景画だと

はっきり分かる。

 松の方を詠んだ句が4作ある。

 山の景色を描くか、松そのものを

描くかで、画家の目は違ってくる

からだ。

  松は古びて大きい。

 金屏風のかなりの面積を松の絵が

しめているようだ。

金屏風の 

  松のふるびや 

      冬籠
金屏に 

  松のふるびや 

      冬籠り

金屏の 

  松もふるさよ 

      冬籠

金屏の 

  枩のふるびや 

      冬籠

 やれやれ俳句一句作るのに、

大変な感性と思考とを使わねば

ならない。

 一語一語に、接尾語、仮名遣い、

そして切字、少しずつ完成句に近づく。

 連句を巻くとなれば、議論もあれば、

賛成もある。

 やっとできあがった一句に、

芭蕉が「これだ」という訳を下すまで、

あゝでもない、こうでもないという

選択と議論と工夫の連続だ。

 これが面白いのだし、芭蕉の決定句

ができて、弟子たちを成る程と納得

させるだけの力を持っていたこと

が弟子たちに分かることが素晴らしい。

 元禄六年(1693)の作。

金屏風の 

  松の古さよ 

     冬籠