ありがたや 年越し米五升!
令和3年8月26日(木)
はる立や
新年のふるき
米五升
立春となり、新年を迎えた我が庵
には、去年から持ち越した米が
5升もある、
の意。
貞享元年以前の作。
『三草子』に上五「似合しや 」が
残念で直したとあり、
『鵲尾(び)冠(かん)』 の編者越人の
前書きからは、延宝九年作の可能性
も浮上。
上五を「我富り」とする真蹟短冊
もあり、「我富り」→「似合しや」
→「はる立つや」の推敲過程を想定
すれば、芭蕉は客観的叙述を通して
感慨を表す手法をつかんでいったと
言える。
◎ 天和四年(1684)の新年になった
けれども、我が家には去年の米五升
しかない。僅かな侘び住まいであるが、
五升あれば十分食っていける。
ありがたや。ありがたや。
芭蕉は本気だ。
米があれば困りはしない。
万歳というわけだ。