貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

秋 その寂寥感?

2021-08-07 14:36:23 | 日記

秋 その寂寥感?

令和3年8月7日(土)

秋の夜を 

 打崩したる 

  咄(はなし)かな

  前書き「菊月廿一日 潮江車庸亭」

 秋の夜の寂しさも打ち崩すほど、

今宵の咄は和やかで楽しいことだ、

の意。

 元禄七年(1694)の作。

  「菊月」・・・九月

「打崩したる」・・・打ち解けた談笑

の様をいい、それが秋の夜の寂寥感を

破ったとする。

 底本に、これを立句とする半歌仙を

収録。

 之道・酒堂間の調停を意図した大坂

での興行で、人の和を大切にする芭蕉

らしい一句。

◎ 細雨がしとしとと降る。

 静かな秋雨である。

 沈黙は憂鬱を誘う。

 句会に集まった人々は、敢えて声高

に面白い話をする。

 しかし、話が途切れると、

沈黙が雨に打たれる心地になる。

 そこで、誰かが声高らかに面白い

話をする。

 しかし、その声高話も秋雨に負け、

沈黙に落ちる。

 陽気な話の主は返って侘しさを

深くする。