籾の擦る音!
令和3年8月10日(火)
芭蕉冬の句第2首。
面白し
雪に野ならん
冬の雨
籾を擦る音が、霰のように
景気よく響き、冬など無縁に
ぬくもりのある家だなあ、
の意。
貞享元年(1684)の作。
挨拶吟で、千里(ちり) の孫が
所持する芭蕉真蹟を島酔が書写して
底本に掲載したもの。
◎冬の寒さをなど知らないはずの、
この大和の国の宿屋で、
籾摺りで玄米を作っている。
その音は、まるで本当の霰が
降っているようにも聞こえる。
温かい室内で、霰という冷たい
物の降る音を聞いているの一興だ
というのだ。
貞享元年(1684)、芭蕉41歳の
時の、穏やかな冬の情景だ。
農家の働く人の息と機械の音が
混じって聞こえる冬の音の句。