貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

籾の擦る音!

2021-08-10 11:33:47 | 日記

籾の擦る音!

令和3年8月10日(火)

 芭蕉冬の句第2首。

面白し 

  雪に野ならん 

     冬の雨

  籾を擦る音が、霰のように

景気よく響き、冬など無縁に

ぬくもりのある家だなあ、

の意。

 貞享元年(1684)の作。

 挨拶吟で、千里(ちり)  の孫が

所持する芭蕉真蹟を島酔が書写して

底本に掲載したもの。

◎冬の寒さをなど知らないはずの、

この大和の国の宿屋で、

籾摺りで玄米を作っている。

 その音は、まるで本当の霰が

降っているようにも聞こえる。

 温かい室内で、霰という冷たい

物の降る音を聞いているの一興だ

というのだ。

 貞享元年(1684)、芭蕉41歳の

時の、穏やかな冬の情景だ。

 農家の働く人の息と機械の音が

混じって聞こえる冬の音の句。