貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

入相の鐘なきこと あゝ無常!?!

2021-08-24 11:50:25 | 日記

入相の鐘なきこと あゝ無常!?!

令和3年8月24日(火)

鐘つかぬ 

  里は何をか 

      春の暮

   春も末の夕暮れ、鐘を撞かない

この里では何を頼りにしているの

だろうか、

の意。

 元禄二年(1689)の作。

 春の暮れの寂しさ、心許なきを

問いかける形で表したもの。

◎ 夕暮れとともに入相の鐘を

撞くのが世の習いなのに、

この里は鐘を撞かない。

    何だか落ち着かない。

 「何をか」は、何か異変があった

感じを与える言葉である。

 人が亡くなって僧侶は鐘撞き堂を

離れて檀家の家で経を読んでいるか。

   ともかく、春の入相の鐘がないので、

落ち着かない芭蕉の鋭い耳が、

鐘の音のないのを捉えて,

無常を思うまでに至る。