★ベルの徒然なるままに★

映画、ゲーム、アニメ、小説、漫画・・・管理人ベルの、大好きな物をいっぱい集めた徒然日記です。

綾辻行人著『ANOTHER』

2010年02月03日 | 小説・漫画・書籍
今日は、節分ですね(^^)b
鬼は~、外♪ 服は内~~~~♪♪

と言うわけで、今日の夕食は巻き寿司と鰯です。
てか、節分に巻き寿司を食べる習慣って、西日本だけ・・・と聞きますが、どうなのでしょうね?
でも、でも、節分と巻き寿司の謂われについては、確か、秀吉の時代とかなんとか言いますよね。
ある武将が、合戦前の節分の日に、太巻きを食べて、戦に臨んだら、大勝して。そこから、縁起物になった~~とか。
う~ん、なかなか、奥が深い、節分と巻き寿司の関係。

あっ!
そうそう!!!

今日は、節分でもありますが・・・・・・私の大好きな、セサミストリートのエルモのお誕生日でもあります☆
エルモ、お誕生日、おめでとう~~~~~~~~~!
って、彼、一体、何歳なんだ????笑
いつまで経っても、幼児のようだけど(^m^)
そういや、エルモの喋る英語を真似するなって言われたなぁ。エルモが喋っているのは、英語の幼児言葉だ・・・・って(^0^; い~じゃんっ。私、エルモ、好きだよん。
そんな訳で、節分は、エルモのお誕生日でもあります。
エルモが好きな人・・・いらっしゃいましたら、覚えてあげませう!


さてさて☆
ちょっと、雑談が多くなりましたが。

今日は先日読み終わった、本の感想なんぞを書いてみます。
うん。
たまには、こういう話題の日記も良いだろう。最近、BLな話ばっかだった気もするし(でも、そんなBLの話題ばかりな自分がとっても愛おしいです・爆)

少し前に、日記にも書きましたが。

綾辻行人さん著の、新作ホラー『ANOTHER』。

綾辻氏といえば、もともとは、本格推理作家さんで。デビュー作『十角館の殺人』は、乱歩賞の最終候補作まで残られてますし、また、デビューされた後は『時計館の殺人』で、日本推理作家協会賞を受賞されています。
彼の作品は、どれも面白いですが、本格推理物好きさんには、この二つ、『十角館の殺人』と『時計館の殺人』は、メッチャクチャゴリ推し的にオススメしたいでありますね。
また、推理物であり、ホラータッチな雰囲気もある『緋色の囁き』をはじめとする「囁きシリーズ」も好きです。
あとは、ちょっとグロ系ホラー、『殺人鬼』なども書いていらっしゃいますが・・・・・。
私は、これは、読んでません(>_<)
オットが読んでるので、本自体は家にありますが。オット曰く、結構、グロいらしい。ので。グロが苦手な私が、『殺人鬼』を読むことはないでしょう!

で。
『ANOTHER』。
昨年発売された、新作なので、まだ、ハードカバーです。700ページ近くある長編でした。
が、面白くて、読み出すと止まらず・・・一気に読んじゃった感じです。

ジャンル的には、完全にホラーなのですが。最後まで読んでから思うと・・・推理できる部分もあって。
ちゃんと推理しようと思えば、推理できる伏線部もいっぱいあったかも~と思います。
どこをどう推理か・・・というのを言うと、ネタバレになってしまうので、詳しくは言えませんが、ね(^^)b

私が読み終わったので、この本、今は、オットに貸してまして。
是非とも、推理しながら読んで欲しいです。つーか、早く、語り合いたいので、早く読み終わってくれ~~~~~(>_<)って感じですが(笑)
・・・・・・・怖くてなかなか読み進まないらしい・・・・・・・。
この恐がりめ!


この物語。
以前も少し書きましたが、1998年・・・今から12年前の、ある地方都市が舞台です。

東京の私立中学に通っていた主人公・恒一が、父親が海外赴任する為、母方の祖父母の居る、夜見山市というところに引っ越してきます。
・・・もう、町の名前が、「夜見山」・・・「よみ」・・・「黄泉」・・・つーところがニントモカントモ。
彼の母親は、彼を産んですぐに亡くなったので、父一人・子一人の生活だった訳ですね。

そして、3年に進級する4月から、夜見山の公立中学に転入する予定だったのですが。肺の持病の発作により入院。
結局、新学期が始まって一ヶ月が経った、5月のGW明けに初登校することになったのです。

恒一は、新しい学校の、新しいクラス3年3組で、不思議な少女の存在が気になっていきます。
みんなとは違う、妙に年季の入った古い机に座っていて、誰とも話をしない少女・ミサキ。
恒一が話しかけると、ミサキは普通に、会話してくれるのですが・・・でも、クラスメイトや教師達は、誰も、ミサキを認識していないというか、あたかも居ない存在のように振る舞っています。
そんな皆の態度が気になってしょうがない恒一なのですが・・・・。
果たして、ミサキという少女は、恒一にだけ見える存在なのか? それとも、本当に、実在する人間なのか・・・・・・・・・・・?

そんな謎に包まれた毎日を送る内に、クラス内で、どんどん不幸な出来事が起こっていきます。
クラスメイトや、その家族の、連続死。
ひと月に、数人ペースで増えていく、クラス関係者の死。

そして、恒一が転校してきた時から感じていた、3年3組の「何かに怯えてる」ような雰囲気。

実は、遡ること23年。
その中学の3年3組では、奇怪な出来事が起こっており、それ以降、面々と、3年3組に語り継がれている怪談があったのです。
真偽の程は今となっては分からないのですが。
23年前の3年3組。
「ミサキ」という人気者の生徒が居た。けれども、夏休みに、事故により、「ミサキ」は死亡。
人気者の死を受け入れられなかったクラスメイト達は、ミサキの死後も、ずっと、ミサキが居るように、時に話しかけ、時に一緒に遊び・・・3年生の残りの1年を過ごし。
そして、卒業式の時。
クラスの集合写真には、確かに死んだはずの「ミサキ」が写っていた・・・。
因みに、その23年前の3年3組とは、当時中学生だった主人公・恒一の母親が、在籍していたクラスでもあったのです。

きっかけは、クラスメイトの死を受け入れられなかった皆の善意から・・・。けれども、結果として、それ以降、3年3組は、「呪われた」クラスになってしまい。
毎年、1年間に、複数のクラスメイトやその家族の死が連続する・・・という年があるらしい。

因みに、その呪いが起こらない年もあるのですが。呪いが「ある年」と「ない年」をどうやって見分けるのか・・・というと。「ある年」は、クラスメイトに、一人死者が混じっているという・・・。けれども、その死者が誰なのかは、誰にも分からない・・・。ただ、新学期が始まったとき、生徒の数と机の数が合わず・・・。誰か一人、確実に増えているのに、その一人が誰なのか、絶対に分からない・・・。



感想としては、さすが、ストーリーテラーな綾辻さんの作品!という感じで、面白かったのですよ。
全体的に、古来の怪談や、典型的な怪談テイストを多分に含んでいて。
その「典型的」な怖さというか、こういうのって、「典型的」っていうのが面白かったりするのですよね。
卒業写真に死んだ子が写ってるとか、誰か一人増えてるのに、その一人が誰だか分からないとか。典型的な怪談ですが。こういう要素が良かったと思います。

で、この物語は、大きく分けて、前半と後半の2部構成になっているのですが。

前半は、主人公・恒一にしか見えない、謎のミサキという少女のお話。

この謎な関しては、色々と推理してみました。

まず、本当に、この「ミサキ」という少女が死者で、なぜか、主人公にだけ見える存在であること。
はたまた、「ミサキ」という少女は実在しているのに、何らかの理由・・・例えば、教師ぐるみのイジメなどで、皆から、「居ない存在」として扱われている。
もしくは。恒一自体が、冒頭の肺の持病で既に死んでいて、死人である。

と、この3つのどれかだろうなぁ~と思いながら読んでいて。

でも、彼女の謎については、第一部で明らかになります。
わたし的には、「ああ、やっぱりね」という感じで・・・でも、この謎が分かってしまって、まだ、あと300ページ以上・・・。どうやって物語が進むのか? このままダラダラと続くのなら、ちょっとアレだなぁ~と心配になったりもしたのですが。

でもでも!

そこは、ストーリーテラーな綾辻さん!

第二部からは、大分、趣向が変わっていて、後半も引き続き楽しめました。

前半が「ミサキ」という少女の謎。
それが解明され、今度、後編は、面々と続く3年3組の不審死の謎と怪。
そして、今年も紛れ込んでいるという「死者」はクラスメイトの一体誰なのか?
更に、この連続不審死を止める為に、「死者」が誰なのか突き止め、そして、連続死を止めること。
これがテーマになっています。
第二部のサブタイトルが「Who? How?」だったのですが、なるほどなるほど。

っていうか、なんとなく、『ひぐらしの鳴くころに』を連想しちゃうストーリーでもありましたね。
もちろん、『ひぐらし』とは全然違うお話なのですが。

都会から田舎に転校してきた男の子(密かに訳ありな転校)。
何かホラーチックなことを隠しているクラスメイト達。
連続する不審死。
そして、後半、それを食い止めるために、友達同士で結託すところとか。
なんとなく、私の中で、被っちゃったです(笑)

で。

第二部の大きなテーマである、「紛れ込んだ死者は誰なのか?」。
これは、その気になれば、絶対に推理出来たと思うのですよね。
最後、衝撃の結末の時に、
「ああ!」
って思ったのですよ。

実は、物語冒頭から、ずっと気になっていたコトがあって。
ずっと、頭の中に「?????」が渦巻いていたのですが。それをあまり突き詰めて考えることなく、ただただ先が気になって、どんどん読み進めちゃったのですが。ですが!
その「?????」って思ったことを、ちゃんと突き詰めて考えれば、「死者が誰なのか?」という謎に辿り着けたような気がしてならないです。
あ~う~~~っ。
ちょっと悔しいぞぉ~。

伏線は、いっぱいあったと思うのですよね。
特に、最初から、九官鳥の言葉がずっと気になってたのにっっっっ! ちゃんと考えれば良かった。

なので。
前半は、ホラーとして。後半は、ちょっぴり推理っぽいホラーとして、楽しめましたです。

でも、やっぱり、怖い!!!!!
綾辻さんの作品って、本格推理よりも、ホラーの方がなんというか・・・雰囲気が物凄く怖いんですよね。
夜中に一人で読んでると、ホント、怖かったです。

あと、これは、私の個人的な問題ですが・・・。
終始、「ミサキ」、「ミサキ」と、気になってしょーがないのなんのって。

どうしても、「ロマンチカ」の美咲クンが脳裏にチラついてしまいましたです(^m^)

そんな訳で。まだまだ、寒~~~~い冬の夜長。
もっと寒くなりたい方には、オススメなホラー小説でした。