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★ベルの徒然なるままに★

映画、ゲーム、アニメ、小説、漫画・・・管理人ベルの、大好きな物をいっぱい集めた徒然日記です。

映画『バリー・シール/アメリカをはめた男』

2017年11月07日 | 映画鑑賞記
今日は、先日見た映画の感想を。

『バリー・シール/アメリカをはめた男』。


■映画『バリー・シール/アメリカをはめた男』予告編



この映画、実話に基づいたお話だそうですね。

主人公のバリー・シールも、実在した人物とのことです。

民間航空会社のパイロットでトップクラスの操縦技術を持つバリー・シールは、その高い操縦技術を見込まれ、ある日、CIAのエージェントにスカウトされます。
かくして、CIAの偵察機のパイロットとなったバリー。
しかし、CIAのエージェントとして働く過程で、麻薬組織と接触することになり、今度は、麻薬組織のボスに、運び屋としての才能を見込まれスカウトされます。
そんな訳で、CIAの任務と並行して、違法な麻薬密輸ビジネスを行う・・・という二つの顔を持つようになったバリー。
麻薬の密輸で荒稼ぎし、尋常ではないほどの巨額の富を手にするバリーでしたが、その一方で、当然のことながら、彼の身辺には、刻一刻と危険が迫っていたのでした・・・。

というお話です。

てか、これが、実話って凄い!!

面白いお話でしたが、最初から最後まで、ずっと緊張して、ドキドキハラハラでした。

とはいえ、見ているこちら側の緊張とは逆に、当のバリーは飄々と悪事をこなし、荒稼ぎしていますし、映画自体も、重くならない軽快さがありまして。

凄い話なんだろうけど、でも、軽く楽しめるエンターテイメント作品になっていたと思います。


タイトルには「アメリカをはめた男」とありますが、映画を見ていて、バリーが、そこまで国をはめたという感はありませんでしたし、また、逆に国にはめられたというのとも違うような気がしました。

ただ、国によって、彼は、人生が変わってしまったのは確かなのですよね。

それが良かったのか、悪かったのかは、分かりませんが・・・。

あのまま民間航空会社のパイロットとしての人生を歩んでいても、何不自由ない良い生活が続いていたでしょうし。
でも、CIAのエージェントを引き受けたことにより、麻薬の密輸に手を出し、巨額の富を手にするようになる・・・。
その富は、いくら、エリートパイロットと言えども、一生かかっても稼げないような、猛烈な凄い額で。

マネーロンダリングをする猶予もないくらいのハイペースでお金が手元に入り、会社や銀行を作っても作っても間に合わず、挙句の果てには、現金を詰めたボストンバッグをクローゼットに押し込め、文字通り、タンス貯金状態で、しかも、そのボストンバッグがクローゼットを開けたとたんに雪崩を起こすとか、はたまた、家にも収納しきれなくなったお金を庭に埋めたり・・・と。、

「お金があり過ぎて困る」っていう現象があるんだなぁ(^^;;と、妙な所で感心してしまったくらいでした。

きっとバリー自身も、パイロットとして働いていただけでは、絶対に味わえないような豪遊生活が出来たことと思います。その家族も・・・。

でも、結果として、大きな代償を伴うことになったわけですから・・・結局、彼は、国・・・つまりCIAに人生を狂わされたのではないかなぁと思いました。
そう思うと、巨額の富がどんどん手に入るにつれ、それとは反対に、少し切ないような、空しいような気持ちにもなりましたです。

とはいえ、バリーは、一介のパイロットや、一介のCIAエージェントでは収まりきらなかった人間なのかもしれませんね。
有能過ぎるが故に、「普通」では満足しきれない種類の人間だったのかも。

そう思うと、彼がCIAにスカウトされたのも、麻薬の密輸に手を染めたのも、大富豪になったその先に待っていた破滅も、全てが必然的だったようにも思えました。

そうそう、映画を見ていて思ったのが、こんな風に、どんどん大金持ちになっていくと、夫婦関係や家族の仲も悪くなって行きそうに思うものの、バリーの場合は、ずっと、奥さんや家族を大事にしてて。
家族皆で、豪勢に暮らしていたのは、ちょっと印象的でした。
っていうか、とことん奥さんや家族を大事に想っているバリーって、良いなぁと。
ラストの展開も含め、ね。
悪事に手を染めているいるにも関わらず、そういう所が、「バリーってカッコイイ!」って思えた理由の一つかもしれません。

本当にトンデモナイ話なのですが、シリアスにならず、軽快に描かれ、そして、舞台となった1970~80年代のレトロテイストがオシャレで。
気軽に楽しめる、おもろしい映画だったと思います。