★ベルの徒然なるままに★

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映画『 IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』

2017年11月17日 | 映画鑑賞記
一昨日見てきました。

映画『 IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』の感想です。

スティーヴン・キングの小説『IT』の映画化。

いつも、本屋さんで見かけて、昔っから気になっている作品なのですが、原作は未読。
でも、凄く怖い小説って評判ですよね!

映画館で劇場予告を見た時から、ずっと気になってて!!

早々に見てきました。


■映画『 IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』予告編



始まりは、ある大雨の日。
とある田舎町で、幼いジョージが遊びに出掛け、そのまま行方不明になります。
ジョージの兄・ビルは、あれから1年が経っても、その日、幼い弟ひとりで遊びに行かせたことを後悔し、自分を責め続ける日々を送っていました。
しかし、街では、ジョージに続き、ビルと同じ学校の女の子も行方不明になったり、ビル達を苛めていた不良グループの少年も行方不明になったり・・・と、連続して子供が消える事件が起こっていきます。

そして、ビルの友人達は、自宅や図書館、街中で、恐怖の「それ」と遭遇していました。
更に、ビル自身も、自宅の地下室で「それ」を目にします。

街で続く、子供の連続失踪事件、子供だけが見える「それ」の存在。

「それ」を経験したのが自分だけでないと知ったビルは、「それ」の正体を調べ始めます。
そして、彼らの暮らす田舎町に伝わる、恐ろしい歴史を知るのでした。
27年に一回、「それ」は訪れる。。。
他の街に比べ、彼らの街での殺人事件や失踪事件は、6倍の多さとのこと。子供に関しては、更に多いと。

明らかに、「それ」が関係している怪現象。
ビルは仲間達と「それ」の正体を突き止め、立ち向かおうとするのでした・・・。


というのが、あらすじ。

面白かったです!!
ホラー度に関しては、わたし的には、思っていたよりは、そんなに怖くなかったかなぁ~って感じでしたが。
なんというか、殺人ピエロのペニ―ワイズそのものよりも、映画全編を通して感じられるおどろおどろしさの方が怖かったかなぁ。

でも、冒頭、大雨の中を、鮮やかな黄色いレインコートを着た男の子が、折り紙の船を追いかけてずんずん進んでいくシーンは怖かった!

何か起こりそうで、なかなか起きない。
不穏な空気。

大雨で薄暗く、全体的に灰色を帯びたスクリーンの中に、唯一、目立つ黄色。

冒頭から一気に、映画世界に引き込まれました。

ペニ―ワイズのシーンは、結構、ビックリさせる感じなのが多かったと思うのですが、私は、寧ろ、主人公達など街の子供達にじわりじわりと忍び寄って来る、恐怖の雰囲気が怖かったです。


子供達が、学校の女子生徒が居なくなった話をしているところや。

また、主人公達が、自分達の街について調べている時、「この街の殺人事件や失踪事件は他の街の6倍なんだ。そして、子供はもっと多い」って、ひとりが言うシーンや。

一見、凄く平和で退屈そうな田舎町なのに、27年に一回、何かしらの大惨事が起こっているところや。

はたまた、子供達が「恐怖」を感じると、必ず現れる、赤い風船。

「怖い」という気持ちに相反するかのような、赤い風船は。
本当なら、子供の喜ぶアイテムだったり、もしくは、取るに足らない玩具だったりするかもしれないのに。

その風船の存在が凄く怖い。

そういう、なんとも言えない不気味感が怖かった!

そして、それは、街が、平凡で退屈であればあるほど・・・その田舎町全体が、まるで怪物であるかのように感じられました。


あっ。
そうそう、私が一番ゾッとしたのはというと。
これまた地味なシーンではあるのですが、子供達が、諸悪の根源となった「井戸の家」に乗り込みますよね。
その時、入ってすぐの所で、リッチーが自分の名前や顔写真が掲載された、行方不明者のビラを見つけるシーンです。
あれは、ゾッとしました。

もちろん、それは、ペニ―ワイズお得意の、子供達の一番怖がるモノを見せる・・・という作戦に過ぎないのは分かっているのですが。
でも、自分はまだちゃんとここに存在しているにもかかわらず、まるで、自分の行く末を予知するかのような、自分の行方不明ビラ。
見つけた本人の気持ちを想像すると、本当に怖いですよね(>_<)

何が怖いって、私は、あのシーンに一番、ゾッと来ましたです。

そして。
もうひとつ怖かったのは、大人の存在。

主人公達「ルーザーズ・クラブ」のメンバー達も、何かしら、家庭に悩みや問題を抱えている子が居ます。
父親に虐待されている女の子や、母親の過保護ゆえに潔癖症になっている子。
主人公ビルも、弟の失踪から、両親と少しギクシャクしてそうでしたし。

更に、「ルーザーズ・クラブ」を苛めていた不良グループのリーダー格の子も、父親に虐待されていました。

平和な街の中で続く、連続子供失踪事件、そして、子供達を狙う「それ」の存在、更に、親ですら子供を脅かす存在であるところが、気持ちがモヤモヤし、心にズーンと来ました。

深読みし過ぎかもしれませんが、あの街に巣食った瘴気の影響で、本来、子供を守るべき大人も、何か病んでいるのではないかなぁ・・・とか。

そんな、おどろおどろしい展開ではあるものの。
でもでも、「ルーザーズ・クラブ」のメンバー達の軽快な会話のやりとりが、見ていて和ませてくれました。
自らを「ルーザーズ」って呼んでいますが、いやいや、彼らは立派な勇者です。

苛められてた黒人の男の子・マイクを助けて、不良たちに石を投げるシーンは、スッとしましたし。

そして、この恐怖のひと夏を通して、「ルーザーズ」の彼らは、一気に勇敢な子供へと成長していくのですよね。

子供達の友情と青春の冒険っていうと、『スタンド・バイ・ミー』テイストでもあるかなぁと思いました。


子供達が自分の心の中の恐怖と立ち向かい、ペニ―ワイズを退けた夏。

映画はここで終わるのですが、この映画は「第一章」とのことで。

続きがあるとは!

確かに、原作小説も、彼らが大人になってる感じですものね。
27年に一度起こる、怪事件・・・第二章は、27年後、彼らが大人になってからのお話なのかな?

続きもとても楽しみです。

そして、今回、映画を見て、『IT』、とても気になりました!

学生の頃から、ずっと、読もう読もうと思ってて、なかなか手には取らなかった作品でしたが、これを機に読みたいと思います。

映画は、少し怖くて、でも子供達の友情と成長が見られる良いお話でした。