★ベルの徒然なるままに★

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映画『ザリガニの鳴くところ』

2022年12月15日 | 映画鑑賞記
12/12に『ザリガニの鳴くところ』を鑑賞して来ました。




原作はベストセラーのミステリー小説。

ミステリ好きとしては、原作も含め気になる映画でした。

で。
とにかく凄い作品だったです!!

ストーリーも映像美も圧巻!!

ただ、鑑賞後は、いろいろ余韻というか…私はズーンとした複雑な気持ちになりました。

時代は1960年代。
ノースカロライナ州の湿地帯で不審死をした青年の遺体が発見されます。
その遺体は、街の裕福な有力者の息子チェイス。
容疑者とされたのは、6才の時に家族に捨てられて以来、世捨て人のように1人湿地帯で暮らし、街の人達からは「湿地の娘」と呼ばれ蔑まれているカイアという少女。

カイアとチェイスが交際している…という噂があり、実際、彼の遺体に付着していた赤い繊維と同じ繊維のニット帽が彼女の家から見つかります。

こうして警察に拘束された彼女は、弁護士に、自分が湿地帯で生きてきたこれまでの人生を語り始めます。

父親の暴力、家族から捨てられ1人で生きなくてはならなかったこと、読み書きを教えてくれた幼馴染との初恋と別れ。
その後の、チェイスとの交際について。

彼女を犯人だと決めつける警察や街の人達の中で、裁判の行方はどうなるのか?

果たして彼女は罪を犯しているのか犯していないのか?

真犯人はいるのか?

……というストーリーです。

原作はミステリ小説なので、「真犯人」という存在は居ます。

皆が、偏見によりカイアを犯人だと決めつけますが、実際、これと言った決定的な証拠はありません。
むしろ、事件当日には鉄壁とは言えないまでも、まず犯行は不可能ではないか?と思われるアリバイまであるのです。

それでも、ちょっとしたアリバイの隙を突いて「犯行は可能かもしれない」と指摘する者。
偏見に満ちた陪審員達。

彼女を弁護する老弁護士が、
「すべての偏見を捨てて、裁判で並べられた証拠やアリバイだけを見て、判決を下してください」
と陪審員達に呼びかけるシーンは印象的でした。


犯人に関しては、わたし的には推理通りだったので、衝撃の結末ではなかったかな。

でも、ミステリ以外の要素も素晴らしくて、とても惹きつけられる作品でした。

壮大な人間ドラマであり、ラブストーリーであり、偏見と差別の中で闘う法廷物であり、DVに怯える女性の話でもあるというか。
てかDVシーンは見てて辛かったな…。
元はと言えば、父親の家族への暴力さえなければ、カイアはごく普通の少女として生きていけてただろうに…って。
彼女の人生を狂わせなのは、やっぱり「暴力」なのですよね。

そして、そのような生い立ちゆえに幼い頃から街の人達にも子ども達にも蔑まれてて。

カイアが「私は最初から、街の人達を嫌っていたわけではない。街の人達の方から、何もしていない私を馬鹿にしたり蔑んだりしてきたのではないか」というような台詞を言うのですが、これは心に刺さる言葉でした。


もちろん、ミステリなので、推理要素もありますよ。

モノローグや、登場人物達のセリフ、行動の中に真相への伏線が散りばめられていると感じました。

これから鑑賞される方は、セリフや動作のひとつひとつも注意深く観察したながら、是非是非、真相を推理して欲しいです(^_−)−☆

私は、原作小説も読みたくなっています。


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