昨日、見て来ました、映画『インターステラー』。
凄く面白くて、一気に物語世界に引き込まれ、169分という長い作品だったのですが、その長さを全然感じさせませんでした。
・・・おおっ!
年末になってきて、私の中での、2014年の洋画No.1かも知れない~~と思うくらい、面白かったです。
なんというか。
SFなんだけど、ただのSFではなくて。
ミステリーでもあり、そして、ラストはちょっとロマンチックでもあるというか。
普通のSFとは、ひと味違う要素だったと思います。
あっ!
ちょっとゲームっぽいのかもしれません。
だから、ゲーム好きな私のツボにハマっちゃったのかも(^m^)
■映画『インターステラー』予告編
近未来の地球。
そこは、科学技術の発展による環境破壊が進み、砂漠化した大地、農作物もろくに実らなくなってしまった世界。
頻繁に起こる砂嵐。
農作物の疫病により、収穫できる食べ物の種類は、年々、減ってきています。
その世界において、科学や学問は、最早、不要なもの。
学校でも、大学に進学することよりも、立派な農夫になることに重点を置く教育がなされています。
主人公のクーパーは、元宇宙飛行士兼エンジニアだったのですが、世の中の変化により、今では、亡き妻の実家の農場で働きながら、15歳の息子と10歳の娘を育てている父親です。
彼は、科学を否定する世の中や教育には反発的であり、農業しか教えない学校のスタンスにも不満を抱いていました。
そんなある時、10歳の娘のマーフの部屋で不可解な現象が度々起こります。
同じ本が何度も本棚から落ちたり、部屋に吹き込んだ砂嵐の砂が、何かの模様を描いていたり。
自然では起こりえない、不可解なことばかり・・・。
「自分の部屋に幽霊が出る」と言うマーフ。
科学者であるクーパーは、幽霊など存在しないと否定しながらも、娘と一緒にその現象を観測し、やがて、それがモールス信号やバイナリ信号であることに気が付きます。
そして、それらが、「ある地点」を指し示している位置情報であることを突き止めるのでした。
なぜ、誰が、どうやって、10歳の子供の部屋に、これらの信号を送ってきているのか、重力や地場の影響なのか、全く分からないまま、クーパーとマーフは、その信号が示す地点に行ってみるのでした。
すると。
そこは、この世に科学なんか必要ないと言って解体されたNASAの極秘基地! そこでは、現役パイロット時代のクーパーの恩師だった教授を中心に、人類の危機を救うための、極秘プロジェクトチームが組まれていたのでした。
彼らの研究によると、最早、地球の寿命は目の前。
いくら農業を改良しても、やがて植物は育たなくなり、それによる、酸素の減少。
未来において、人類は飢餓で死ぬか、もしくは、窒息死するかしか無い。
しかも、それは、マーフ達の世代が大人になった頃に起こるであろう・・・・と。
もう一刻の猶予もない中、実は彼らには、10年前から、遂行している研究があるとのこと。
10年前、土星近くに突如として現われたワームホール。
そこを通れば、銀河系以外の宇宙に行ける。
そして、新たな宇宙で、人間が移り住める惑星を探し出すべく、この10年で、もう12人の科学者たちが、宇宙に旅立って行った・・・と。
その12人は、ワームホールを通り、新たな開拓地を探し、もし、「ここは!」という惑星に辿り着いた時は、地球に信号を発し、そして、自分はその地で冷凍睡眠に付き、後から来た開拓者たちに起こして貰うのを待っている・・・と。
もちろん、生物が生きられる場所に辿り着けなかった時は、死ぬ覚悟です。
このプロジェクトにより、これまで、12人中3人の科学者から、「居住可能な惑星を見つけた」という信号を受け取っているということ。
地球の寿命から見ても、もう、一刻の猶予もない。
ゆえに、誰かが後発隊として探索に行き、早急に人類移住計画を遂行しなければならない・・・と説明を受けるクーパー。
そして、飛行士時代の才能を買われ、その探索チームの一員として、宇宙に行ってくれないかと頼まれます。
クーパーが宇宙に探索の旅に出るということは、すなわち、家族・・・子供たちとの別れ。
おまけに、無事帰って来られる保証もない。
無事に帰って来られても、宇宙の「時間の流れ」の問題があります。
冷凍睡眠を繰り返しながら、土星付近まで行き、そこでワームホールを通る。
時空の違う宇宙に置いては、時間の流れが違うのです。
例えば、宇宙で1時間過ごしたとしても、それは、地球での7年に相当する・・・というように。
例え、彼が、無事、地球に帰還したとしても、10歳のマーフは、その時、クーパーと同い年になっているかもしれない・・・。いや、もっと年を取っているかもしれない。
再会の保証のない、何十年と言う別れです。
それゆえ、マーフは最後の最後まで大反対します。
「行かないで」と引き留めます。
しかも、彼女の部屋に送られてくる不可解なモールス信号を解析すると「STAY」となってて・・・。
これは、誰かが行くなと止めている合図だ・・・とも説得するのですが。
結局、クーパーは、そんな娘を置いて、宇宙に旅立っていきます。
何より、愛する娘たちの未来を守るために。
そして、3人の博士たちの信号を頼りに、新たな開拓地を求める旅にをする訳ですが、時間の流れのひずみから、彼らは、地球でいう所の何十年・・・という時を過ごすこととなり・・・。
というストーリー。
とても長い作品なのですが、まず、最初は、ハンパない地球の荒廃っぷりが描かれています。
そこは、もう死にかけた地球と、そこに生きる人類の過酷な世界。
とにかく生き残るためには、食糧を、つまり、農業が第一だという考え方。
なので、「月面着陸」の歴史的事実も、この時代の教育では、「でっちあげであって、事実では無い」と書籍を改訂して教えているのですよね~。
マーフが、改定前の本を学校に持って来ていた・・・と言って、問題になるシーンがありましたが・・・。
それって、思いっきり、焚書ですよね><
とはいえ、人間が生きるために何よりも必要なのは「食べること」。それすら、危うい世の中になってしまったら、確かに、学問云々と言っていられないのも、事実なのかもしれません・・・。
呼吸が出来ないくらいの砂嵐が起こったり、植物はどんどん枯れて行ったり。
もう、まさに、終末という感じ。
そんな中で、クーパーの娘・マーフの部屋で起こる、一連の幽霊騒動が、本当に謎なのですよね。
でもでもでも!
この作品の中で描かれていること、語られている台詞、全てが、結末への伏線になっているのですよ。
最初は、何気なく見ていた、これらの伏線ですが、最後にすべての事実が分かった時、「なんとっ! あれは、こういうことだったのか!!」とか、「あの時の台詞は、これを意味していたんだ!!」と目から鱗で、大感動でした。
本当に伏線の張り方が見事です。
特に、冒頭の幽霊騒動は、重要!!!
クーパーが、自分の旅立ちに反対するマーフに語って聞かせていたことも、後か考えると、なるほど~って思えましたし。本当に驚きでした。
そして。
NASAが極秘で行っていたプロジェクトも。
突如現れたワームホールによって、居住可能な惑星を探せるようになった・・・ということでしたが。
一体、誰が、そんなに都合よく、ワームホールを作ったのか?
教授たちは、自分達には想像もつかない、「5次元人」が人類を救おうとしている・・・と解釈していましたが。
その5次元人の真実も、びっくりでした。
まさかまさか、こんな展開になるとは、思いもしなかった・・・!
素直に、「凄い~~~(≧▽≦)」と思う結末というか。
物語中、色々と小難しい宇宙の話や、物理の話なんかも出て来るのですが、でも、そこは、ある種のファンタジー的な感じで。
難しく聞こえるけど、解りやすく解説されていたと思います。
ちょっとゲームっぽいなぁって思って面白かったは、そういう点があるからかもしれません。
例えば『シュタインズ・ゲート』みたいな、「想定科学アドベンチャー」っていうのかな(^m^)
宇宙物理とか科学とかを扱ってはいるんだけど、決して難しい科学映画ではなくて、そこは、ファンタジーなのですよ。
最後に出てきていた「5次元人による世界の観測」というのも、やっぱり、ゲームの『ever17』を思い出しちゃったり。
そういえば、『ever17』で、4次元人は「神の視点」とか説明されていたと思うのですが、この映画の5次元人の観測点もまさに、そんな感じで。
過去も未来も、あらゆる時間軸を同時に観測出来る「神の視点」というのが、分かりやすかったのは、もしかしたら、私が『ever17』をプレイしていたからかも?(笑)
でもでも、あの、5次元の世界観・・・無数の時間軸に存在するマーフの部屋の繋がりは、実に良く、5次元世界の概念を表していたと思いました。
あっ。
ちょっと『四畳半神話大系』の最終回の、無限に続く四畳半地獄も同じ感じですよね。
あれも、結構、近い概念だと思いました。
なので、『シュタゲ』とか『ever17』とか『四畳半神話大系』とかがお好きな人なら、「ふむふむ」って楽しめちゃうような気がします。
・・・と、そんな感じでゲーム的に楽しめちゃうポイントも多々なのですが、なんと言っても、このお話、切ないのですよね。
最初から最後まで・・・。
だって、主人公は、愛する子供達の未来のために、新天地を求め宇宙に旅立つ訳ですよ。
時間流れが違うから、それは、もう何十年という別れ。
ちょっと海外に2、3年ほど赴任・・・というのとはわけが違います。
しかも、再会の保証なんて皆無ですし。
寧ろ、再会出来ることの方が奇跡でしょう。
それを分かってても、クーパーは行かなくてはいけなかったのですよね。
マーフ達が生きられる環境を見つけるために。
そして。
地球から離れるにつれ、こちらからのメッセージ送信は出来ず、受信のみになってきたりで。
自分の時間は変わらないのに、どんどん大人になっていく子供達。
しかも、こちらからのメッセージは届かないので、彼らには、父親が生きているのか死んでいるのかも分からない訳で。
それでも、「生きている」と信じて、送られてくるメッセージ。
ある惑星では、そこで過ごす1時間が、地球の7年に相当し。
ステーションに戻って来た時で、23年経過。
23年もの間、冷凍睡眠も行わず待っていた仲間は、23年分老けてて。。。。
そして、23年分のメッセージ。
「高校を卒業した」、「彼女が出来た」、「結婚した」、「お祖父ちゃんが亡くなった」・・・と時間の経過を刻々と告げる息子からのメッセージ。
やがては、「もう、父さんは居ないと諦めて、メッセージを送るのは、これを最後にするね」という息子は、もう、立派にオジサンの姿。多分、クーパーより年上になったのでしょう。
また、「今、私は、旅立って行った時のお父さんと同い年になったわ」と告げる、娘のマーフ。別れた時は10歳だったのに。
きっと、クーパーにしてみれば、ほんの数時間、新たな惑星に降り立ち、そこで、命の危機にさらされ、必死で逃げかえって来た。短い時間の冒険だったのかもしれない。
でも、その間に23年も過ぎていたなんて。
切な過ぎます~。
はたまた。
探索チームの女性クルー、アメリアの言葉も印象的でしたよね。
「科学の力も大事だけど、人間の本能である『愛』の力にも可能性がある」
みたいな。
彼女のこの言葉が、実に、物語のキーだったと思います。
【以下、ネタバレ有り】
先行隊の中で、移住可能な地を発見したという信号を送って来た3人の博士たち。
最初の惑星は失敗に終わり(しかも、この時間の歪みのタイムラグがまた・・・)、そして、2人目の博士の地で起こる衝撃の事件と、明かされる事実。
一人ずつ減っていくクルー。
そして、最後は、クーパー自身も、ブラックホールに飲み込まれ、5次元の概念の中に組み込まれる訳ですが・・・。
ここでも、またまた、「届かないメッセージ」が切ない!
ステーションでのビデオレターの時は、子供たちが一方的にメッセージを送信してくるだけで、クーパーの方から送信できなかったのですよね。
そして、5次元の世界では、クーパーが必死にメッセージを送っているのに、娘のマーフには届かない・・・。
そう。
物語の冒頭で、クーパーの部屋で起こり続けていた不可解な幽霊騒動。
送られてくるモールス信号とバイナリ信号。
これらは、ブラックホールに吸い込まれ、過去のあらゆる時間を同時に観測できる5次元人の視点を手に入れた、クーパーからのメッセージだったのですよね。
だから、「STAY」と。
過去の自分に、「宇宙に行くな!」と必死で止めようとしていた。
マーフに知らせようとしていた。
その5次元世界が、あらゆる時間軸のマーフの部屋と繋がったのは、やはり、アメリアが言っていた「愛」の力だったのだと思います。
でも。
5次元の視点でも、過去を変えることは出来ない。
幼いマーフには、どうすることも出来なかった訳ですが。
そのメッセージを、大人になったマーフが、「お父さんからのメッセージだ」と気付き、解読しようとする。
この展開は、とても感動的でした。
そして、人類移住計画のキーとなった、謎のワームホールも。
教授は、5次元の存在からの救いの手だ・・・と言ってましたが。
まさに、それを出現させたのが、クーパー自身だったとは!
物語の最初では、全然、思いつきませんでした。
こういう結末も、ちょっとゲームっぽい感じで、私は好きです~。
そしてそして。
クーパーとマーフの再会も、嬉しいような悲しいような切ないような・・・とても印象的でした。
無事、救助され、姿は若いままですが、124歳になっていたクーパー。
世界は一変し、彼と娘のマーフの功績によって作られたコロニーで、人類が平和に暮らす美しい緑に囲まれた世界。
ここで、クーパーは、やっと愛娘と再会する訳ですが。
そのマーフも、もう老婆で、臨終間際な感じ・・・。
若いままの自分と、老婆になった娘。
浦島太郎のようですよね・・・。
そして、マーフは、クーパーに宇宙に行くように促しますよね。
新たな新天地を見つけ、一人で冷凍睡眠をして待っているアメリアの元へ行け・・・と。
幼い頃のマーフは、ベッドにふて寝して、涙ながらに必死でクーパーを引き留めていた。
老女になったマーフは、ベッドに寝たきりになっても、笑顔でクーパーを送り出した。
この対比がとても印象的で。
とても、切なかったです。
でも、彼らの「愛」の力が、人類を救ったのですよね。
そこには、科学でも物理でもない、アメリアが言っていた、人類の可能性があったわけで。
切なかったけど、良いラストだと思いました。
本当に、いろんな要素の詰まったSFで、実に面白い感動大作だったと思います!
でも、やっぱり、ゲームっぽい気がするっ。
めっちゃ、ツボにハマってしまったのは、私がゲーム好きだからかしらん?(^m^)♪
凄く面白くて、一気に物語世界に引き込まれ、169分という長い作品だったのですが、その長さを全然感じさせませんでした。
・・・おおっ!
年末になってきて、私の中での、2014年の洋画No.1かも知れない~~と思うくらい、面白かったです。
なんというか。
SFなんだけど、ただのSFではなくて。
ミステリーでもあり、そして、ラストはちょっとロマンチックでもあるというか。
普通のSFとは、ひと味違う要素だったと思います。
あっ!
ちょっとゲームっぽいのかもしれません。
だから、ゲーム好きな私のツボにハマっちゃったのかも(^m^)
■映画『インターステラー』予告編
近未来の地球。
そこは、科学技術の発展による環境破壊が進み、砂漠化した大地、農作物もろくに実らなくなってしまった世界。
頻繁に起こる砂嵐。
農作物の疫病により、収穫できる食べ物の種類は、年々、減ってきています。
その世界において、科学や学問は、最早、不要なもの。
学校でも、大学に進学することよりも、立派な農夫になることに重点を置く教育がなされています。
主人公のクーパーは、元宇宙飛行士兼エンジニアだったのですが、世の中の変化により、今では、亡き妻の実家の農場で働きながら、15歳の息子と10歳の娘を育てている父親です。
彼は、科学を否定する世の中や教育には反発的であり、農業しか教えない学校のスタンスにも不満を抱いていました。
そんなある時、10歳の娘のマーフの部屋で不可解な現象が度々起こります。
同じ本が何度も本棚から落ちたり、部屋に吹き込んだ砂嵐の砂が、何かの模様を描いていたり。
自然では起こりえない、不可解なことばかり・・・。
「自分の部屋に幽霊が出る」と言うマーフ。
科学者であるクーパーは、幽霊など存在しないと否定しながらも、娘と一緒にその現象を観測し、やがて、それがモールス信号やバイナリ信号であることに気が付きます。
そして、それらが、「ある地点」を指し示している位置情報であることを突き止めるのでした。
なぜ、誰が、どうやって、10歳の子供の部屋に、これらの信号を送ってきているのか、重力や地場の影響なのか、全く分からないまま、クーパーとマーフは、その信号が示す地点に行ってみるのでした。
すると。
そこは、この世に科学なんか必要ないと言って解体されたNASAの極秘基地! そこでは、現役パイロット時代のクーパーの恩師だった教授を中心に、人類の危機を救うための、極秘プロジェクトチームが組まれていたのでした。
彼らの研究によると、最早、地球の寿命は目の前。
いくら農業を改良しても、やがて植物は育たなくなり、それによる、酸素の減少。
未来において、人類は飢餓で死ぬか、もしくは、窒息死するかしか無い。
しかも、それは、マーフ達の世代が大人になった頃に起こるであろう・・・・と。
もう一刻の猶予もない中、実は彼らには、10年前から、遂行している研究があるとのこと。
10年前、土星近くに突如として現われたワームホール。
そこを通れば、銀河系以外の宇宙に行ける。
そして、新たな宇宙で、人間が移り住める惑星を探し出すべく、この10年で、もう12人の科学者たちが、宇宙に旅立って行った・・・と。
その12人は、ワームホールを通り、新たな開拓地を探し、もし、「ここは!」という惑星に辿り着いた時は、地球に信号を発し、そして、自分はその地で冷凍睡眠に付き、後から来た開拓者たちに起こして貰うのを待っている・・・と。
もちろん、生物が生きられる場所に辿り着けなかった時は、死ぬ覚悟です。
このプロジェクトにより、これまで、12人中3人の科学者から、「居住可能な惑星を見つけた」という信号を受け取っているということ。
地球の寿命から見ても、もう、一刻の猶予もない。
ゆえに、誰かが後発隊として探索に行き、早急に人類移住計画を遂行しなければならない・・・と説明を受けるクーパー。
そして、飛行士時代の才能を買われ、その探索チームの一員として、宇宙に行ってくれないかと頼まれます。
クーパーが宇宙に探索の旅に出るということは、すなわち、家族・・・子供たちとの別れ。
おまけに、無事帰って来られる保証もない。
無事に帰って来られても、宇宙の「時間の流れ」の問題があります。
冷凍睡眠を繰り返しながら、土星付近まで行き、そこでワームホールを通る。
時空の違う宇宙に置いては、時間の流れが違うのです。
例えば、宇宙で1時間過ごしたとしても、それは、地球での7年に相当する・・・というように。
例え、彼が、無事、地球に帰還したとしても、10歳のマーフは、その時、クーパーと同い年になっているかもしれない・・・。いや、もっと年を取っているかもしれない。
再会の保証のない、何十年と言う別れです。
それゆえ、マーフは最後の最後まで大反対します。
「行かないで」と引き留めます。
しかも、彼女の部屋に送られてくる不可解なモールス信号を解析すると「STAY」となってて・・・。
これは、誰かが行くなと止めている合図だ・・・とも説得するのですが。
結局、クーパーは、そんな娘を置いて、宇宙に旅立っていきます。
何より、愛する娘たちの未来を守るために。
そして、3人の博士たちの信号を頼りに、新たな開拓地を求める旅にをする訳ですが、時間の流れのひずみから、彼らは、地球でいう所の何十年・・・という時を過ごすこととなり・・・。
というストーリー。
とても長い作品なのですが、まず、最初は、ハンパない地球の荒廃っぷりが描かれています。
そこは、もう死にかけた地球と、そこに生きる人類の過酷な世界。
とにかく生き残るためには、食糧を、つまり、農業が第一だという考え方。
なので、「月面着陸」の歴史的事実も、この時代の教育では、「でっちあげであって、事実では無い」と書籍を改訂して教えているのですよね~。
マーフが、改定前の本を学校に持って来ていた・・・と言って、問題になるシーンがありましたが・・・。
それって、思いっきり、焚書ですよね><
とはいえ、人間が生きるために何よりも必要なのは「食べること」。それすら、危うい世の中になってしまったら、確かに、学問云々と言っていられないのも、事実なのかもしれません・・・。
呼吸が出来ないくらいの砂嵐が起こったり、植物はどんどん枯れて行ったり。
もう、まさに、終末という感じ。
そんな中で、クーパーの娘・マーフの部屋で起こる、一連の幽霊騒動が、本当に謎なのですよね。
でもでもでも!
この作品の中で描かれていること、語られている台詞、全てが、結末への伏線になっているのですよ。
最初は、何気なく見ていた、これらの伏線ですが、最後にすべての事実が分かった時、「なんとっ! あれは、こういうことだったのか!!」とか、「あの時の台詞は、これを意味していたんだ!!」と目から鱗で、大感動でした。
本当に伏線の張り方が見事です。
特に、冒頭の幽霊騒動は、重要!!!
クーパーが、自分の旅立ちに反対するマーフに語って聞かせていたことも、後か考えると、なるほど~って思えましたし。本当に驚きでした。
そして。
NASAが極秘で行っていたプロジェクトも。
突如現れたワームホールによって、居住可能な惑星を探せるようになった・・・ということでしたが。
一体、誰が、そんなに都合よく、ワームホールを作ったのか?
教授たちは、自分達には想像もつかない、「5次元人」が人類を救おうとしている・・・と解釈していましたが。
その5次元人の真実も、びっくりでした。
まさかまさか、こんな展開になるとは、思いもしなかった・・・!
素直に、「凄い~~~(≧▽≦)」と思う結末というか。
物語中、色々と小難しい宇宙の話や、物理の話なんかも出て来るのですが、でも、そこは、ある種のファンタジー的な感じで。
難しく聞こえるけど、解りやすく解説されていたと思います。
ちょっとゲームっぽいなぁって思って面白かったは、そういう点があるからかもしれません。
例えば『シュタインズ・ゲート』みたいな、「想定科学アドベンチャー」っていうのかな(^m^)
宇宙物理とか科学とかを扱ってはいるんだけど、決して難しい科学映画ではなくて、そこは、ファンタジーなのですよ。
最後に出てきていた「5次元人による世界の観測」というのも、やっぱり、ゲームの『ever17』を思い出しちゃったり。
そういえば、『ever17』で、4次元人は「神の視点」とか説明されていたと思うのですが、この映画の5次元人の観測点もまさに、そんな感じで。
過去も未来も、あらゆる時間軸を同時に観測出来る「神の視点」というのが、分かりやすかったのは、もしかしたら、私が『ever17』をプレイしていたからかも?(笑)
でもでも、あの、5次元の世界観・・・無数の時間軸に存在するマーフの部屋の繋がりは、実に良く、5次元世界の概念を表していたと思いました。
あっ。
ちょっと『四畳半神話大系』の最終回の、無限に続く四畳半地獄も同じ感じですよね。
あれも、結構、近い概念だと思いました。
なので、『シュタゲ』とか『ever17』とか『四畳半神話大系』とかがお好きな人なら、「ふむふむ」って楽しめちゃうような気がします。
・・・と、そんな感じでゲーム的に楽しめちゃうポイントも多々なのですが、なんと言っても、このお話、切ないのですよね。
最初から最後まで・・・。
だって、主人公は、愛する子供達の未来のために、新天地を求め宇宙に旅立つ訳ですよ。
時間流れが違うから、それは、もう何十年という別れ。
ちょっと海外に2、3年ほど赴任・・・というのとはわけが違います。
しかも、再会の保証なんて皆無ですし。
寧ろ、再会出来ることの方が奇跡でしょう。
それを分かってても、クーパーは行かなくてはいけなかったのですよね。
マーフ達が生きられる環境を見つけるために。
そして。
地球から離れるにつれ、こちらからのメッセージ送信は出来ず、受信のみになってきたりで。
自分の時間は変わらないのに、どんどん大人になっていく子供達。
しかも、こちらからのメッセージは届かないので、彼らには、父親が生きているのか死んでいるのかも分からない訳で。
それでも、「生きている」と信じて、送られてくるメッセージ。
ある惑星では、そこで過ごす1時間が、地球の7年に相当し。
ステーションに戻って来た時で、23年経過。
23年もの間、冷凍睡眠も行わず待っていた仲間は、23年分老けてて。。。。
そして、23年分のメッセージ。
「高校を卒業した」、「彼女が出来た」、「結婚した」、「お祖父ちゃんが亡くなった」・・・と時間の経過を刻々と告げる息子からのメッセージ。
やがては、「もう、父さんは居ないと諦めて、メッセージを送るのは、これを最後にするね」という息子は、もう、立派にオジサンの姿。多分、クーパーより年上になったのでしょう。
また、「今、私は、旅立って行った時のお父さんと同い年になったわ」と告げる、娘のマーフ。別れた時は10歳だったのに。
きっと、クーパーにしてみれば、ほんの数時間、新たな惑星に降り立ち、そこで、命の危機にさらされ、必死で逃げかえって来た。短い時間の冒険だったのかもしれない。
でも、その間に23年も過ぎていたなんて。
切な過ぎます~。
はたまた。
探索チームの女性クルー、アメリアの言葉も印象的でしたよね。
「科学の力も大事だけど、人間の本能である『愛』の力にも可能性がある」
みたいな。
彼女のこの言葉が、実に、物語のキーだったと思います。
【以下、ネタバレ有り】
先行隊の中で、移住可能な地を発見したという信号を送って来た3人の博士たち。
最初の惑星は失敗に終わり(しかも、この時間の歪みのタイムラグがまた・・・)、そして、2人目の博士の地で起こる衝撃の事件と、明かされる事実。
一人ずつ減っていくクルー。
そして、最後は、クーパー自身も、ブラックホールに飲み込まれ、5次元の概念の中に組み込まれる訳ですが・・・。
ここでも、またまた、「届かないメッセージ」が切ない!
ステーションでのビデオレターの時は、子供たちが一方的にメッセージを送信してくるだけで、クーパーの方から送信できなかったのですよね。
そして、5次元の世界では、クーパーが必死にメッセージを送っているのに、娘のマーフには届かない・・・。
そう。
物語の冒頭で、クーパーの部屋で起こり続けていた不可解な幽霊騒動。
送られてくるモールス信号とバイナリ信号。
これらは、ブラックホールに吸い込まれ、過去のあらゆる時間を同時に観測できる5次元人の視点を手に入れた、クーパーからのメッセージだったのですよね。
だから、「STAY」と。
過去の自分に、「宇宙に行くな!」と必死で止めようとしていた。
マーフに知らせようとしていた。
その5次元世界が、あらゆる時間軸のマーフの部屋と繋がったのは、やはり、アメリアが言っていた「愛」の力だったのだと思います。
でも。
5次元の視点でも、過去を変えることは出来ない。
幼いマーフには、どうすることも出来なかった訳ですが。
そのメッセージを、大人になったマーフが、「お父さんからのメッセージだ」と気付き、解読しようとする。
この展開は、とても感動的でした。
そして、人類移住計画のキーとなった、謎のワームホールも。
教授は、5次元の存在からの救いの手だ・・・と言ってましたが。
まさに、それを出現させたのが、クーパー自身だったとは!
物語の最初では、全然、思いつきませんでした。
こういう結末も、ちょっとゲームっぽい感じで、私は好きです~。
そしてそして。
クーパーとマーフの再会も、嬉しいような悲しいような切ないような・・・とても印象的でした。
無事、救助され、姿は若いままですが、124歳になっていたクーパー。
世界は一変し、彼と娘のマーフの功績によって作られたコロニーで、人類が平和に暮らす美しい緑に囲まれた世界。
ここで、クーパーは、やっと愛娘と再会する訳ですが。
そのマーフも、もう老婆で、臨終間際な感じ・・・。
若いままの自分と、老婆になった娘。
浦島太郎のようですよね・・・。
そして、マーフは、クーパーに宇宙に行くように促しますよね。
新たな新天地を見つけ、一人で冷凍睡眠をして待っているアメリアの元へ行け・・・と。
幼い頃のマーフは、ベッドにふて寝して、涙ながらに必死でクーパーを引き留めていた。
老女になったマーフは、ベッドに寝たきりになっても、笑顔でクーパーを送り出した。
この対比がとても印象的で。
とても、切なかったです。
でも、彼らの「愛」の力が、人類を救ったのですよね。
そこには、科学でも物理でもない、アメリアが言っていた、人類の可能性があったわけで。
切なかったけど、良いラストだと思いました。
本当に、いろんな要素の詰まったSFで、実に面白い感動大作だったと思います!
でも、やっぱり、ゲームっぽい気がするっ。
めっちゃ、ツボにハマってしまったのは、私がゲーム好きだからかしらん?(^m^)♪
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます