先日、『六人の嘘つきな大学生』鑑賞しました🎬
今日はその感想を。
原作小説が大好きで映画も楽しみにしていた作品。
就職活動で大変な経験をした方々の心には刺さる作品なのではないかなぁと思います。
若者の憧れの新進気鋭IT企業の採用試験。1万人を超える受験者の中から最終選考に残った6人の就活生。
最終試験のグループディスカッションの成果次第では6人全員に内定を出すと言われた彼らは、全員で力を合わせて内定を取ろうと共に勉強をし、友情を育んでいきます。
しかし、試験本番直前に「本当は六人全員を採用予定だったが事情により採用は1人だけに。グループディスカッションのテーマは、6人で話し合って内定者を1人選ぶこと」と試験内容の変更のメールが…。
そこから崩れていく6人の友情。暴露されるそれぞれの知られたくない過去。
互いに疑心暗鬼になり罵り合いながらの最終選考の行方と、謎の告発の真相とは?というミステリーです。
令和の就活についてはわからないのですが、思いっきり就職氷河期だった私は自身の就活の理不尽さ等を思い出し、懐かしくほろ苦い共感がありました。
就活中の、あのなんともいえない独特の感覚。
映画の中でも、「あの時は異常だった」と登場人物によるモノローグがありますが、確かに、就活の時の精神状態は異常だったと思います。
就活の結果により一生が決まってしまう…みたいな焦り、不安、苛立ち、嫉妬。
なので、映画前半での告発シーンにおける彼らの心理状態も分かる気がしました。
そして、その緊迫感な演出は原作そのものでとても面白かったです。
試験会場という1つの部屋だけのシーンも、舞台を見ているかのようで圧巻👏
一方で後半の真相編は原作を端折った感もあり、物足りなさも否めなかったかな…。
でも、あの理不尽な就活において、どこまで本来の自分を抑え、自らを偽れる(良く見せられる)かというのは、凄く分かります。
とにかく「企業に求められている人材」を演じちゃうのですよね。年齢を重ねた今から思うとそれは滑稽で、採用側にも演じていることがバレバレだっただろうなぁとは思うものの…でもその時はとにかく必死なのです。
けれども、本来人間というものは多面的で。演じることなんて所詮無理なのかもしれれません。
自分も他人も「見えてる面だけが真実ではない」という大事なことを考えさせられるテーマでした。
このお話の舞台は就活でありますが、就活においてだけでなく、日常生活様々な面において、「見えてるものだけが全てではない」、「見えてるものだけを信じてはいけない」ということを教えてくれる作品だと思いました。
人間に関しても、物事に関しても、ほんの少しを見ただけで「全て知っている」と勘違いする傲慢さ……普段からも気をつけたいなぁ。
青春ものとしても、就活物語もしても、そしてミステリーとしても面白い作品です。
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