★ベルの徒然なるままに★

映画、ゲーム、アニメ、小説、漫画・・・管理人ベルの、大好きな物をいっぱい集めた徒然日記です。

映画『それでもボクはやってない』

2007年02月01日 | 映画鑑賞記
昨日は、久しぶりに時間が取れて、丸一日中、映画を見ていました~。
朝から、『武士の一分』、『マリーアントワネット』、『ボクは妹に恋をする』と、3本ハシゴ。
『武士の一分』は、もう、文句なしに良かったです~。
『マリーアントワネット』は、良かったのですが、まあ、色々と思うところもあり・笑
としいう訳で、また、後々、こちらの3本に関しても、感想を書きたいです。

今日は、少し前に見た、『それでもボクはやってない』の感想を。

この映画は、社会派映画・・・というか、痴漢をテーマにした冤罪裁判について描かれた作品です。

主人公の金子徹平は、26歳。フリーター。
就職活動中で、ある会社の面接試験を受けに行く途中、満員電車の中で、痴漢と間違えられます。
そして、通報した駅員によって、警察の手へと引き渡されます。

とはいえ、全くの潔白である徹平。
警察の取り調べでも、「やっていない」の一点張り。

「認めて、謝れば、初犯だし、罰金払って直ぐ出られるんだ」
という警察の言葉にも、真っ向から反抗します。
あまりに彼の態度が頑ななため、ついに留置場行き。

検察による取り調べも始まります。けれども、徹平はあくまでも否認。

そして、とうとう、裁判へともつれ込むことになりました。
友人や、田舎から出てきた母親、そして、同じように、痴漢冤罪の罪で苦しんでいる人たちの協力を得て、そして、親身になってくれる弁護士も雇うことができました。

こうして、徹平の痴漢冤罪を争う裁判・・・長い闘いが始まるのでした。

とはいえ、事件直後のずさんな警察の調書、被害者の女子中学生への同情、また、様々な証言が、彼にとってどんどん不利な状況を作っていくのです。
また、定職に就いていなかったこと、自宅から、痴漢物のアダルトビデオや、制服姿の女の子の載ったヌード雑誌が出てきたことなども、どんどん、彼への疑いを濃くしていくのでした。

けれども、本当にやっていないと主張する彼と、それを信じる弁護士、そして仲間達は、事件当時の電車内を再現するビデオを作成。
すると・・・驚くべき真実も分かってきました。

そして、公判はどんどん進んでいきます・・・。
果たして、徹平の無罪は証明されるのか?
はたまた、無実のまま、有罪となってしまうのか・・・??

それは、映画を見て、確認してみてくださいねv


なかなか、理不尽さを痛感してしまう映画でした。
これは、映画ですから、観客である私たちは、主人公が無実なことは、あらかじめ分かっています。
なので、彼が、冤罪に苦しみ、また、無実なのに、検察や留置場で、非人間的な扱いを受けている場面を見ると、本当に可哀想に思えます。
その為、「痴漢冤罪は許せない!」という気持ちになるわけですが。

でも、実際の痴漢事件の場合ですと、真実は、分からないまま。「やっていない」と言われても、「嘘付け!! やったでしょ!!!」と思っちゃいますよね。そのため、「痴漢」と言われて、突き出された人に対しては、冷ややかな目が向けられますし、また、私たち自身も、そういう人の「やっていない」はなかなか信用できない・・・というのも事実。

なので、難しいなぁと思います。
「痴漢」という犯罪。その大部分が、物凄い人混みの中で行われるので、今回の映画のように、その犯人を正確に突き止めることは、困難です。その為、痴漢の被害に遭い、苦しむ女性も多いですし、また、痴漢冤罪にあって、苦しむ男性も多いのかも知れません。
女性の立場からすると、痴漢は許せませんし、厳しく取り締まって欲しい。
けれども、それが人混みの中でのため、万一、冤罪だったら・・・と思うと、安易に、「痴漢!!」と言えない部分もあり。
こういう面でも、なんだか、とても理不尽ですよね。

映画では、とにかく、主人公が遭う、不当な扱いが大きくクローズアップされます。
いい加減な警察の調書や、最初に来た当番弁護士ですら、「例え、本当にやっていなかったとしても、裁判で争えば、長い年月も、お金もかかる。それでも、君が無罪であると証明される確立は1%もない。でも、認めて、示談にすれば、すぐに解放され、経歴にも傷は付かない・・・」と提案するんですよね。
そして、やはり、世間は、被害者の女子中学生に味方しちゃいますし。

また、警察、検察、裁判の手続きなども、なんだか、杓子定規というか、お役所仕事な感じで。哀しくも可笑しい・・・という印象を受けましたね。でも、これが、日本の裁判制度の実情で、有罪であれ、冤罪であれ、こうやって裁かれていくのか・・・と思うと、かなり複雑な気持ちにさせられました。

そうそう。
映画のストーリーとはあまり関係ないのですが、私が、とても印象に残ったのは、主人公の友達。やはり、フリーターの達雄。山本耕史さんが演じています。
昼間っから、パチンコをしていたりと、初登場の時は、「どーよ??????」って感じの人だったのですが。徹平の事件を聞き、すぐに駆けつけ、そして、ショックのあまり呆然としている徹平のお母さんにも、とても親切にしてあげたり。そして、お母さんと一緒に、弁護士事務所を探してあげたり、ネットを使って、痴漢冤罪について調べたり・・・と、本当に、物凄くよく働くんですよ。
そして、物語の途中からは、妙に法律にも詳しくなっていってましたし・笑。
彼の、そんな熱意が、心温まりました。
裁判の時や、警察による家宅捜索の時もそうでしたが、いい年して「フリーター」というだけで、冷たく見られてしまう主人公。まあ、それは分からないでもないですが・・・A^^;;
達雄も、その「フリーター」なのですが、彼を見ていると、決して「フリーター」が悪いわけではない。ちゃんとやれることはやれるし、頭も良い、そして、何より、友達を親身になって思ってあげているではないか・・・と思ってしまいました。そんな感じで、山本耕史さんの演技、光っていましたね~。

そして、この映画の魅力は、裁判のことなどが分かりやすく描かれているところでしょうか。
専門的に言葉が出ると、ちゃんと、台詞の中で説明も入りますし。
私は、実際の裁判を経験したこともないですし、傍聴をした経験もありません。
なので、この映画が、リアルなのかどうかは、判断できないですが。
でも、裁判への流れなど、色々と、知らなかったことが分かりました。

長い映画ですが、展開も早いですし、結末も気になりますし・・・で、とても集中して見ることが出来ました。
とりあえず。
「痴漢」は許せませんね! 
被害者も、そして、冤罪者も・・・その痴漢の被害者です。

そうそう。
余談ですが。

映画中に、裁判の傍聴席とかも描かれていたんですよ。
で、「傍聴オタク」というのが、登場していたのですが・・・知りませんでした。
そんなオタクがこの世に存在するなんてA^^;;

で、その話を、法律に詳しいオットに話したところ、オット曰く、
「よっぽど、世間が注目している裁判でない限り、傍聴に来るのは、『関係者』か『司法修習生』、『司法浪人生』、そして『傍聴オタク』やで」
とのこと。
・・・・知らなかった・・・。
自分も、ゲームや漫画や、アニメのオタクだとは思っていますが・・・。
傍聴オタクがあるなんて。
いやはや、「オタク」のジャンルも広いのですね~っっっっ。


そうそう。
映画の話と、どんどんかけ離れていってしまっている感はありますが、ちょっと「痴漢」について少々。

最近は、ラッシュ時など、「女性専用車両」がありますよね。
痴漢に遭いたくない女性は、この車両に乗ると、まず安心。

で。
先日、ちょっと、思ったのですが。

男性専用車両というのがあったら、どうでしょう?
これに乗れば、痴漢冤罪に遭うこともない!
痴漢と間違われたくない男性には朗報では・・・・と。

とはいえ、よくよく考えると。
痴漢って、必ずしも、男→女ではないんですよね。
多分、女→男とか、女→女、男→男も、あるハズです。

昔、職場の同僚さん(男)も、サウナで、男の人に痴漢されたことがあるという経験を語っていました。
痴漢犯罪・・・良い撃退法は無いのでしょうかね?

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
裁判 (NAO)
2007-02-08 11:39:14
ベルさん、私も見てきました。
不条理さが募り、考え込んでしまった映画でした。
役者さんの演技は、とても自然で上手くて、映画というよりドキュメンタリーのようにも感じてしまったほどです。

山本さんの演技は「ひとつ屋根の下」の頃から注目してましたが、彼はほんといい役者さんになりました☆
今回フリーターを演じてましたけど、実によかったです。
2009年度から日本も裁判員制度が始まります。
その意味でも、これは見ておくべきだと思います。

人が人を裁くと言うのは、いかに難しいか??
重い映画でした。
TBさせてもらいますね~。
返信する
良い映画でしたよねv (ベル)
2007-02-08 21:48:08
NAOさんも、ご覧になったのですね(*^^*)
NAOさんのブログを拝見させていただいておりまして、
「わ~い、コメント書きにお邪魔させていただきたいなぁ」
と思っておりましたら、NAOさんから、コメント&TBをいただきまして(*^^*)
とても嬉しかったです。
ありがとうございました!!

さてさて。
この映画、本当に、BGMも無かったですし、物語と言うよりは、ドキュメンタリーの様で・・・。
真剣に見入っていると、あたかも本当の出来事のように思えてきて。
もう、ハラハラしますし、不条理さには、腹が立ちますし、物凄く考えさせられました。

山本耕史さんは、良かったですね。
彼は、大河ドラマの「新撰組!」の時から気になっている俳優さんですが、この映画では、脇役ながらも、本当に良い味をだしていたと思います。
昨年映画にもなった、ブロード・ウェイ・ミュージカルの「レント」の日本版では、主人公を演じられた・・・とのことですので、お歌も巧いのかしらね? 結構、気になる俳優さんです

 そして、なんと言っても、主人公の加瀬亮さんが、すごかったです(*><*)
本当に、普通の人・・・という感じで。彼の、あの「普通さ」がなかったら、こんなにリアルな映画は出来なかったと思います。
 
 是非とも、皆さんに見て欲しい映画です。

 それにしても・・・痴漢って、本当に、許せませんよね
 とはいえ、確かに、電車の中で、ゴソゴソしているのも不注意と言えば不注意。李下に冠を正さず・・・。男性諸君には、くれぐれも気をつけて欲しいですね。
返信する

コメントを投稿