西土佐日記
紀貫之の土佐日記というのがある。西土佐出身の若い女性との会話からおかしく面白く西土佐日記と名付けた。
訪問介護の担当者になる若い女性が見学で男性担当者についてきた。
「出身はどこ」
「高知県です」。
私も含めて三人みんな四国の出身だ。愛媛の人がいれば完璧だったのに
「高知のどこ」
「四万十市です」
「四万十市て広い、中村あたり」
「中村より上です」
「中村のトンボ池に行った事あるよ、そのあたりじゃないの」
「西土佐です」
「合併する前は西土佐村といっていたよね」
男性のスタッフも「村なんだと」傷付けるような余計な事をいう。
「四万十川がながれているよね。四国カルストを越えて檮原町から四万十川の河口まで走ったことがある」
四万十川には沈下橋が沢山ありカヌーで沢山川下りをしていた。
彼女の家からは四万十川が見えるそうだ。小学生の頃は一日沈下橋から飛び込んで遊んでいた。
沈下橋も飛び込める深いところは橋の中央部で岸まで100メートル以上あるし流れもあるので溺れる子供はいないのかと聞いた。
川下の流れに乗り次第に岸に近づいていけば大丈夫、500メートルくらい流されることもある。岸について河原をとことこと歩いて帰る。
流れに逆らうと体力をなくして溺れる。
まるで河童のような子供時代をすごしたのだ。
兄弟は三人で兄は国体のカヌー選手で高校のカヌー部を指導している
以前、NHKの特集番組(45分)で自然一杯の西土佐村の暮らしを放映していた。川の幸、山の幸に田畑の幸のある住民の暮らし。
(2001.2.3放映 にんげんドキュメント四万十川の仙人 ブログを見るとこの映像は不朽の名作と書いてある人もいる)
川での暮らし、カヌーやアユ獲りに沈下橋で飛び込む子供たちの映像がでてきた。
最も印象的だったのが罠を仕掛けて猪や鹿獲りの老名人(和田春広氏83歳)が獲った猪を自転車の荷台に乗せて帰ってくるシーンだった。
罠は細いワイヤーロープが足に食い込み逃げられなくなる。人間の匂いに敏感なために雨の前の日に仕掛けるとかかりやすいと言っていた。
そんな話をしていたら彼女は饒舌になった。
「地域の住民はだれでも猟をする。うちは今も猪を飼っている。
ウリ坊の集団を追い逃げ遅れたのをサラってくるのだそうだ」。
家の小屋で農産物のクズなどを与えて飼育する。近所はどこの家も育てている。
大きくなったら処分して冬場の猪鍋になる。一頭いればひと冬は食べられる。
猪はすぐになれるそうでリードを付けて散歩に連れて行くのが日課だった。
鹿はなかなか懐かず一度山に逃げられた事がある。
猪と散歩する少女でナニコレ珍百景にでればよかったのに
ナニコレにオートバイで猪を散歩させるおじさんが出たことがある。爆笑ものだった。
飼っているのは他に犬猫、鶏60羽 (卵を売っている)。四万十川で捕まえたスッポンも飼っている。大きくなったら鍋物になるそうだ。
高校は分校で7名、全校で20名みんな幼友達の学校だった。
高校を卒業して実家をでるまで猪や鶏はどこの家でも飼っていると思っていた。
故郷を離れて街中の周りの家を見て何で猪を飼ってないと思ったそうだ。大笑い
これは私の若いころの45年前の話ではなく現在の話なのだ。
面白い話が聞けた。これからは彼女をウリ坊姫と呼ぼうかな。
各地を旅して地域ならではの話を聞かせてもらう。
「高知出身です」「そう」で終わったら話は何も引き出せないし進展しない。どう相手から聞き出すかが肝心だ。人と対話をするのに復唱という手法がある。オウム返しの復唱ではなく会話を深めるために話題をそらせないためのものだ。NHKの司会者が参考になる。
仕事でも訓練されてもなかなか身に付かないものだ。
郷土の話を聞き出すのはサシスセソかと思う。
サ:産業、作物(魚釣り酒の話も) シ:仕事、趣味、習俗 ス:スポーツ セ:生活、世間話 ソ:祖先(歴史)
地方に旅行すれば地域の人と話す、 地方の庶民の暮らしの番組は見ておきたいものだ。NHK小さな旅、ブラタモリ、家族に乾杯、ドキュメント72、ニュースなど話のネタを日頃から仕込んでおくことか
紀貫之の土佐日記というのがある。西土佐出身の若い女性との会話からおかしく面白く西土佐日記と名付けた。
訪問介護の担当者になる若い女性が見学で男性担当者についてきた。
「出身はどこ」
「高知県です」。
私も含めて三人みんな四国の出身だ。愛媛の人がいれば完璧だったのに
「高知のどこ」
「四万十市です」
「四万十市て広い、中村あたり」
「中村より上です」
「中村のトンボ池に行った事あるよ、そのあたりじゃないの」
「西土佐です」
「合併する前は西土佐村といっていたよね」
男性のスタッフも「村なんだと」傷付けるような余計な事をいう。
「四万十川がながれているよね。四国カルストを越えて檮原町から四万十川の河口まで走ったことがある」
四万十川には沈下橋が沢山ありカヌーで沢山川下りをしていた。
彼女の家からは四万十川が見えるそうだ。小学生の頃は一日沈下橋から飛び込んで遊んでいた。
沈下橋も飛び込める深いところは橋の中央部で岸まで100メートル以上あるし流れもあるので溺れる子供はいないのかと聞いた。
川下の流れに乗り次第に岸に近づいていけば大丈夫、500メートルくらい流されることもある。岸について河原をとことこと歩いて帰る。
流れに逆らうと体力をなくして溺れる。
まるで河童のような子供時代をすごしたのだ。
兄弟は三人で兄は国体のカヌー選手で高校のカヌー部を指導している
以前、NHKの特集番組(45分)で自然一杯の西土佐村の暮らしを放映していた。川の幸、山の幸に田畑の幸のある住民の暮らし。
(2001.2.3放映 にんげんドキュメント四万十川の仙人 ブログを見るとこの映像は不朽の名作と書いてある人もいる)
川での暮らし、カヌーやアユ獲りに沈下橋で飛び込む子供たちの映像がでてきた。
最も印象的だったのが罠を仕掛けて猪や鹿獲りの老名人(和田春広氏83歳)が獲った猪を自転車の荷台に乗せて帰ってくるシーンだった。
罠は細いワイヤーロープが足に食い込み逃げられなくなる。人間の匂いに敏感なために雨の前の日に仕掛けるとかかりやすいと言っていた。
そんな話をしていたら彼女は饒舌になった。
「地域の住民はだれでも猟をする。うちは今も猪を飼っている。
ウリ坊の集団を追い逃げ遅れたのをサラってくるのだそうだ」。
家の小屋で農産物のクズなどを与えて飼育する。近所はどこの家も育てている。
大きくなったら処分して冬場の猪鍋になる。一頭いればひと冬は食べられる。
猪はすぐになれるそうでリードを付けて散歩に連れて行くのが日課だった。
鹿はなかなか懐かず一度山に逃げられた事がある。
猪と散歩する少女でナニコレ珍百景にでればよかったのに
ナニコレにオートバイで猪を散歩させるおじさんが出たことがある。爆笑ものだった。
飼っているのは他に犬猫、鶏60羽 (卵を売っている)。四万十川で捕まえたスッポンも飼っている。大きくなったら鍋物になるそうだ。
高校は分校で7名、全校で20名みんな幼友達の学校だった。
高校を卒業して実家をでるまで猪や鶏はどこの家でも飼っていると思っていた。
故郷を離れて街中の周りの家を見て何で猪を飼ってないと思ったそうだ。大笑い
これは私の若いころの45年前の話ではなく現在の話なのだ。
面白い話が聞けた。これからは彼女をウリ坊姫と呼ぼうかな。
各地を旅して地域ならではの話を聞かせてもらう。
「高知出身です」「そう」で終わったら話は何も引き出せないし進展しない。どう相手から聞き出すかが肝心だ。人と対話をするのに復唱という手法がある。オウム返しの復唱ではなく会話を深めるために話題をそらせないためのものだ。NHKの司会者が参考になる。
仕事でも訓練されてもなかなか身に付かないものだ。
郷土の話を聞き出すのはサシスセソかと思う。
サ:産業、作物(魚釣り酒の話も) シ:仕事、趣味、習俗 ス:スポーツ セ:生活、世間話 ソ:祖先(歴史)
地方に旅行すれば地域の人と話す、 地方の庶民の暮らしの番組は見ておきたいものだ。NHK小さな旅、ブラタモリ、家族に乾杯、ドキュメント72、ニュースなど話のネタを日頃から仕込んでおくことか