当世 墓事情
息子から生きている間に墓地の確保をしておいて欲しいと言われた。
出来れば墓石も用意してほしいと言われたが金を残しておくので子供でやってくれとなった。
墓など全く関心もなくやっと重い腰を上げて見に行く。
150メートル位の高さの山に墓地公園があり四季折々の花が見える。
そこに市営の墓地と私営の墓地が沢山ある。
私営の墓を一年見たがほとんど増えない。
最初に見てから2年なるが墓は増えないものだ。墓や葬儀に関しての意識も変化していて葬儀もしない墓も仏壇も持たない家が増えた。
八万円くらいの合同墓は結構人気がある。
私営の墓地など倒産したらどうなるのかネットで調べた。墓地は倒産しても保護されるようになっているようだがヤクザの手に渡り再度墓地代を請求された実例もあるようだ。
市営の墓地のほうが安全だと思い市役所に説明を聞きに行った。
毎月売り出しがあり抽選だと説明があり売り出す墓地の配置図をくれた。30年前は墓の抽選は倍率が高いと聞いていた。都会のケースをネットで見たりNHKのテレビの放送を見ても厳しいのではないかと思った。どれくらいの抽選倍率か聞いたが担当者は言わない。
抽選当日に抽選に来たのは三人だけ 拍子抜けする。売り出す墓地は150ケ所くらいある。
抽選はしたが競合などない。地方の40万人の市の墓地事情はこんなものである。
私営の墓地も市営の倍ほどあり競争にもならない。昔から住む人は地域に墓地もあり墓を置くだけスペースと人の歩ける通路だけの用地だが永代使用料は3万円だと言っていた。
市営墓地は都会へでた人が安いし定年後故郷に帰ろうと買ったが都会に永住して子供も都会に住み墓を返却する人が需要より多いのが現実だ。墓地は使用しなければ半額金を返却してくれる。6平方メートル(2mX3m)の墓地だと永代使用料46万円の半額23万円が還る。
学校を卒業しても地元に残るのは三割で7割は他府県(主に都会)
私も墓は4.5平方メートルくらいで良いと思ったが通路を車椅子が擦りそうなので通路の広い6平方メートルの墓地にする。死んだら通路は狭かろうと関係無いだろうと息子が言ったが自分の入るところ位は自分の眼で見たいわなと言った。
弟の墓は奈良市で探したが奈良は文化財が多くどこにでも墓地は造れないようだ。山の中にも奈良時代の天皇陵がある。墓地の絶対量が少なく大阪や京都の人口も多いので需要が多く抽選倍率が高く当たらないようだ。