テンポのゆったりした古典・・・。
そのなかでも、とりわけゆっくりと歌う唄があります。
私が習ったなかで、最強のゆっくりした唄は「伊野波(ぬふぁ)節」でした。
これは舞踊曲としても、新人賞の課題曲としても有名な曲です。
(他には「長伊平屋(ながいひゃ)節」なんかも。)
そしてまた、これらの唄がお約束のように、なかなかの曲者でぞろいで、
いつもてこずらされます。
どれくらいゆっくりかというと、車内に長時間放置して伸びきったテープを
聞いているような感覚といえば、分かりやすいかも・・・?
当然唄うのもすごく大変。 途中でいつも目まいがするくらいです。
そのうえ、もうひとつ大変なことが・・・。
なぜかこの手の唄はすごく高い音が出てくるんです!
最高の音が、「八(はち)」だから、シミシで調弦合わせると、高音のソの音!
この音は、歌声というよりは、『絶叫!金切り声!』という方が正解です。
かといって調弦を下げると、今度は低音が地鳴りのような不気味な音になるんです。
先生にも言われました。
「あんたは音域が狭いから、ちんだみ下げたらいかん!
高音が出るように頑張りなさい!」
「はいっ。 ところでどうすれば出るように・・・? 」
「うん。 一生懸命頑張って出すんや! 」
「・・・はいぃ・・・」
こんなアドバイスをいただきながら、夜な夜な金切り声を発する日々です。
一応9時までは、ご近所さんも許してくれるはずと信じて(ごめんなさい)
『さびれた、真夏の遊園地のお化け屋敷』
状態で、今夜もひたすら叫びつづけるのです。
「キィーーーーーーーーイッ!!」