富士山文化――その信仰遺跡を歩く(祥伝社新書325) 価格:¥ 882(税込) 発売日:2013-07-05 |
富士山が世界遺産になり多くの書物が発売された。
この本も、新聞で見つけて気になっていた。
本当にほしい本はネットで買うのだが、最近何冊か富士山の本を読んでいるので、まあ見かけたら読んでみようと思っていた。
先日、静岡に出張した帰りに寄った書店に並んでいた。
やっぱり読みましょうってことで購入。
富士山から帰って来た翌日から読み始めた。
今回、富士山の世界遺産登録は自然遺産ではない。
世界遺産の正式名称は「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」なのでる。
この本のサブタイトルが「その信仰遺跡を歩く」である。
富士山に登ろう!と題している本より、よっぽど世界遺産の意味に即している感じがした。
昨年までは「なぜ富士山に登るのですか?」という質問に対して、多くの答えが「パワースポットだから」だった。
富士山からパワーをもらおうと思うのは、今も昔も変わらない。
ところが変わったことがある、富士山の五合目まで簡単に車で行けることである。
そこで、今は頂上を目指そうと簡単に考えてしまう。
憧れであり、神聖な場所であった富士山に思いをはせ、いろいろな信仰が発生した。
それは、富士山のすそ野だけではない。
日本中各所にある富士塚や富士見などの地名もそうであろう。
そういうものも、世界遺産に含めたかったと著者の竹谷氏は語っている。
なるほど、世界遺産は観光のためではない。
世界の遺産として、大切に後世に残して保護していくものである。
残していきたいものやことは沢山あることを考えさせられた。