喪中葉書が届いたようである。
いつもならない電話が鳴る。
「やっぱりミケちゃんのお父さんだったのね」
相手は小学校の時の先生。
小学校4年生から6年生まで演劇クラブだった。
その時の顧問の先生で、小学校6年生のときには担任でもあった。
また、弟の担任にもなったことがある。
「ミケちゃんは再婚しないの?」
「こればかりは相手がいないとダメですからね」
「年を取ってからひとりは淋しいわよ」
実は先生も今年御主人を亡くしている。
「娘夫婦と一緒に暮らしているけど、やっぱりひとりになるとさみしいわ。ミケちゃんも再婚しなさい」
「そうですね。考えます」
そう答えて電話を切ったけど、ずっと隣にいた人がこの世からいなくなってしまう淋しさはすでに12年前から感じている。
夫婦仲があまり良くなかった母もきっとこれから感じていくのだろうなと思う。
だって、50年も隣にいた人なんだもの。
仕方ないよね、好きな人と一緒に死ぬことなんてまれなことだもの。
もし、大切な人が出来て一緒に過ごすことになったら、絶対に私の方が早く死にたい。
残された悲しさをもう味わいたくない。
あれからもうすぐ13年。