『カムカムエヴリバディ』とても面白い。
ジョーが戦災孤児で、
定一さんに拾ってもらった時の話は、胸にジーンときました。
(戦災孤児は戦後大勢いて、飢えて生きるために盗みをやったりして、道を歩くだけでも白い目で見られたり、まるで野良犬のように扱われたというひどい話をよく聞くのです…。)
ふと思い出したことが。終戦後10年以上経っていた頃です。
姫路の動物園やお城によく連れて行ってもらった。
幼い私はウキウキして姫路駅で降りると、
なにやら数人の人が、白っぽい着物を着て松葉づえをついたり、手足に包帯を巻いたり、並んで立っていて、もの悲しい曲をアコーディオンで弾いたりして、お金をもらっている。
楽しい気分がいっぺんに ぺしゃんとしぼんでしまうような雰囲気でした。
父に「‘しょういぐんじん’ やで」と教えてもらった。
(傷痍軍人、と大きくなってから分かりました。)
後日、叔父たちが話していた。
「傷痍軍人て、ウソやで。わざと働かんとお金もらう人も居るんや。」
……なんだか悲しくなった。
それがもし本当だとしても、叔父たちは彼らを見下げているような、非難するような姿勢を感じて、そこに反応したのです。
事実は分からない。わからないけど、例えば、
働くことは出来るけど、仕事がなかなか見つからない、何度も断られガックリきたとか、
もう働く気力が湧かない、やっと生きているとか…。
まだ子どもだった私は、そこまで考えたわけじゃないけど、
なんだか妙なものを感じ「こういうの、好きじゃないな…」と思ったのです。