ゆうべの
『菜の花畑の笑顔と銃弾』を観た。
録画して、もう一度観たけれど、
所々聴き取れない部分もあった。
でも、
とても良かった――。
大まかなところは、既に会報などで知っていたけれど、
一番大事なことを初めて知った。
それは、伊藤さんは、最初から
あんなに素晴らしいワーカー
(ペシャワール会では、‘ボランティア’でなく‘ワーカー’と呼ぶ)
であった訳ではなく、
あそこまで成長していったのだ、ということ。
志をもって現地に赴き、
現場で様々なことを体験したり、悩んだりもして、
それらのことから 学んでいったんですね☆
その、学んでいく過程こそが、
私には、まぶしく見え、素晴らしいと思ったことでした。
『現場から学ぶ』
これは、ペシャワール会活動の大きな柱(の一つ)でしたね。
番組でも紹介された、
子ども達が、立派なぶどうを手にする写真。
この写真については、会報('08.10.29発行のもの)にあって、
とても心に残っていた。
農業指導のサポートをしてこられた、高橋修さんの文章です。
抜粋すると、
『写真にはかなり立派なブドウを持った少女二人が前列に立ち、
後ろに少年一人が控えている。
三人とも僅かに微笑んでいるがどことなくバツが悪そうだ。
写真には「盗ったど~」と題名がつけられ、…』
『少女が持っているぶどうは、間違いなく試験農場の生産物であろう。
少女達が、畑から失敬してきたところへ
見回りに来た伊藤さんが出くわし、
怒るのを忘れてシャッターを押した構図と映る。』
『少女たちもまた逃げもせず、半ば見せびらかすようなポーズをとっている。
ここに伊藤君の優しさと
伊藤君と少女達との関係が鮮やかに映し出されている。』
『まず索漠とした農村に潤いをもたらすことがもっと大事だ、
子供の温かい心を育てることが将来のために より重要だと
語りかけているように感じられる。』
番組では、アルファルファ(牧草)のことも伝えていた。
動物だけでなく、近所の人たちも採って食べてしまうらしい。
高橋指導員は、メールでこう伝えたとか。
(聞き違い・記憶違いがあれば、ご指摘ください)
『盗み食いに、あまり神経質にならないで下さい。
その作物が、地域で評価されている証しなのだと思ってください。』
村人たちは、口々に、
「イトーは、兄弟みたいだった。」
「息子が亡くなったようだ…。」
など、大きな悲しみと感謝の意を表していた。
葬儀に集まった村人は、1000人を越す。
それほど伊藤さんは自身の全てをかけて
打ち込んでおられたのですね。
私たちに多くのものを遺してくれた伊藤さんに
心から感謝を捧げます――。
番組の最後に、
伊藤さんと一緒に、試験栽培に取り組んだ農夫が、
「イトーは、たくさんのことを教えてくれた。
これから、みんなに伝えていくよ。」
と、しみじみと話していたのが、
救われるような想いでした。