前回、あんな風に書いて、
「私なりの音楽」ということを、しばらく考えてみました。
曲によってとか、また状況などによって、どれだけ聴けたかは色々。
例えば『アメージンググレイス』とか『アヴェ・マリア』みたいな、よくよく知っていて大好きな曲
でも、
聴いていてメロディを追っていけない(記憶と、いま何となく聴こえてくるのとを重ねていけない)こともあって、こういうのはとっても悲しくなる。。
また、コンサート(クラシックやポップス系)に行っても、曲の紹介やトークなどがほとんど聴き取れず、みんな笑ったりしても「なんか、面白いこと言ったみたいね…」って分かるだけ。
そうなると自分だけ独り取り残されたような気分に。。
こんなんなら、TVを一人で観てる方がマシ。。
そんな悲しい体験が、より印象に残りやすいのかもしれないけど、自分の中に蓄積されちゃった。

ちょっと前にNHKで、「音楽探偵事務所」とかいう番組がありましたよね。
所長は「アマデウス」(なにやら漢字をムリに当てはめてましたが
)
スタッフは、たった一人、「響(ひびき)カノン」ちゃん。
この番組では、その回ごとに ある曲を解明するような形で、その魅力・聴き所など とても分かりやすく伝えてくれて良かった。
ただピアノを弾いて、「ここが、こうなってますよね? ふつうなら こうするところですが」
とか教えてくれても、こちらは音では違いが分からない。聴き分けられない
でも、この番組では、音譜が一行(一段)だけ大きく出て来て、カラオケみたいに 「今ここを弾いてます」と色が流れて示してくれて、ひと目で分かる。
それがあるので、耳では 何となく聴こえただけでも、「あ、なるほど
」 って納得できるんです。
また、
TVでは たいていの番組、かなりアップにしてくれるので、オーケストラなどでの繊細な音の楽器も、
たとえば、「ああ、今フルートが鳴ってるんだ
」と分かり、
観るまでは聴こえてない場合でも、
聴こえてくるような気がしてくるんですよ
(これ、自分でも面白いなぁ、って思うんです)。
弦楽器・鍵盤楽器や打楽器などは、目で見れば、だいたいの音の感じは推測できるし。

それで思いついちゃった。
コンサート会場でも、プロジェクターを舞台に設置して、
各楽器、アップの画面を映し出してくれると良いナ。
または、
楽譜一段だけ大きく映して、「今は ここ」って色で動きながら示してくれたら、かなり音楽を味わえるんじゃないかと。
自分の五感を使って総合的に楽しめそう~。
そんな風にすれば、聴こえる・聴こえないに関係なく、会場全体の空気を 共に共感、分かち合うことが出来るんじゃないかしら。
さらにさらに、、
音って、空気を通さずに、直接ヘッドホンなどで耳に入れれば、
かなり鮮明に、そして大きく聴こえる。
なので、舞台のマイクで集めた音を、直接ヘッドホンで聴くような形に出来れば――、
聴力検査で使うような、耳全体を覆うようなヘッドホンで。
それも、各々の耳に合わせて、ボリウムや、音質(低めの音を多めに とか、くっきりハッキリとか)
聴きながら自分で調節できたら…、も、言うことナシ。
(このヘッドホン形式は、講演会などでも そんな風にしてくれたらなぁ、って思っているんです。)
ちなみに、会場によっては「磁気誘導ループ」を用意してくださることもあって、
ボリウムは大きく届いて有りがたいけど、ハッキリ聴こえる(言葉として聴き取れるようになる)わけじゃないんですよね…。
これは、あくまで私の 何回かの体験ですが。

ま、そんなようなこと無くっても、なんとなく聴こえただけでも、
たいていは「それなりに」味わってますけどね~。
なので、希望を言わせてもらえれば、
音楽番組、どれも せめて字幕放送にしてほしいナ。
曲の紹介や、それにまつわるトークなど、聴きたい(知りたい)んです。

以上、こちらは専門的な知識も無く、どれだけの技術や手間ヒマ・経費などかかるかも知らないのに、
好き勝手なこと しゃべってしまいましたが、
音楽を聴いて楽しみたい難聴者とか、手話を知らない難聴者とか、
たくさんおられるということは、機会あるごとに お伝えしたいんです。
関係者の方々、どうぞよろしくお願いしたします。