緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

エッセイとフォト

日々の発見と思いのあれこれなど

男子新体操の女子選手

2023年11月30日 | 男子新体操
タイトルを読んで「どういう意味?」と思われる人もいるかもしれません。
そもそも男子に新体操なんてあるのかと思う人もいるかも。

以前にも何度か詳しく書きましたが、男子新体操は日本が発祥の、ほぼ日本固有のスポーツです。
国外では、ロシアが日本式の男子新体操を少しやっている程度。
対して女子の新体操はヨーロッパが発祥のオリンピックでも競われている世界的なスポーツです。

この二者はルールその他の内容もまるで異なるものです。
同じ新体操と名付けられたのは日本における歴史上、組織運営上の理由からです。
詳しく知りたい人はこちらの記事の中ほどに書いてありますので読んでください。⇒ここ

タイトルの「男子新体操の女子選手」というのは、だから言葉通り、男子新体操をやっている女子選手という意味。



毎年岐阜で開かれる新体操のクラブ選手権ですが、この選手権では様々なカテゴリーがあり、見ごたえがあります。
今年は私も見に行く予定でJRの切符の予約までしたのにコロナに罹り、行けませんでした。

色々なカテゴリーの中でミックスというのがあるのですが、そこで男子新体操の演技に女子選手が参加することが今までもありました。
そして今年は全員女子のチームが初めて登場するという、ある意味記念すべき年となりました。

実は男子新体操をやりたいという女子は昔からいたそうです。
ただ公的に認められていなかった。女子は女子の新体操をやってくださいということだったらしいです。
今現在、あちこちで女子の選手が出てきたのは、学校ではない民間の体操クラブでは断る理由がないからかもしれません。(クラブにとっては顧客になる?)

スポーツにおけるジェンダーフリーをあれこれ言上げするのであれば、当然学校等のクラブ活動でも女子の参加を認めなければなりません。
しかしそうなると男子新体操という名称そのものも変えなくてはなりません。
そして名称変更は国外においても歓迎されると思います。

というのも、YouTubeをはじめとするSNSで男子新体操を見た外国人の中には、日本の男子新体操が、新体操ではないのに新体操と名乗っているとして、時に非難の声があるからです。
翻訳時に女子の新体操と同じ男子の新体操(メンズ リズミック ジムナスティクス)と訳されてしまうからです。

これはよく分かります。
そんなことは実際にはないのですが、もしどこかの国が、柔道ではない武術を柔道と名乗っていれば、日本人としては『やめてほしい』と思うでしょう。それと同じです。
日本体操協会は、その問題を何年も放置していますが、早く是正した方が良いです。
そして女子の正式参加は名称変更の良い機会でもあるのです。

ここで書いたような事柄はメディアで報じられることのないことです。
男子新体操自体が、鹿児島実業高校のお笑いに特化した演技以外メディアでは見られないのです。
メディアが一面的な取り上げ方しかしないことは今更なことです。
でも、男子新体操は魅力あるスポーツです。
そうでなければ小さな女の子が男子新体操をやりたいとも思わないでしょう。

事実として、男子新体操は性別も年齢も身長差も、関係なく包み込める、いわゆるインクルーシブなスポーツです。
(この記事内で挙げたレックススポーツクラブの女子チームの身長差を見てください。)

男子新体操は超マイナーなスポーツですが、今、男子新体操に取り組んでいる少女達が、この先も奇異の目で見られることなくこのスポーツを続けられるよう、私としては応援し続けたいと思います。


新体操の西インカレを見学

2023年06月06日 | 男子新体操
先日、グリーンアリーナ神戸で開催された新体操の西日本インカレに行ってきました。
新体操のクラブ選手権や全日本には昨年行ったのですが西インカレは初めてです。

私もよく知らないのですが、新体操では西インカレと東インカレがあります。
東インカレは東京より東の大学の学生選手権大会ですが、西インカレはその前に九州インカレ、関西インカレ、東海北信越インカレなどの地域ごとインカレがあってその後に行われます。
ちなみに東インカレにはそういう地域ごとのインカレはないんです。

それを知らなかったものですから私は『あれっ、関西インカレがあったのにまた関西でインカレするの?』と不思議に思いました。
これは私の想像ですが、新体操では女子が多いという事情があるのではないかと思います。
西日本は女子の新体操が盛んですから、西インカレをやる前に地域ごとでインカレをやって参加人数を絞るのではないでしょうか。

たとえば、新体操では競技は男女交互に行うのですが、私が行った西インカレでは、個人では女子が二人続けて演技し、その後男子が一人演技してました。その繰り返し。
団体では男子は早々と演技が終了し、その後女子の演技が続いていたようです。(私は男子の演技が終了した時点で帰りました。)

それくらい女子の参加者が多いのです。
競技人口自体、男子は女子の10分の1くらいらしい。

ですから、実際には男子の方は西インカレの前に地域でインカレする必要はないと思うんです。
でもやらなくちゃいけないみたいです。
詳しい事情は分からないので間違っているかもしれません。
いずれにしても、そうやって8月に上位者による全日本インカレ(全インカレとか全カレとか呼ばれる)が開かれ、大学生の日本一が決まります。

そして全インカレの上位者(個人・団体)が10月末に行われる全日本選手権(通称はジャパン)の出場権を得ます。
全日本にはインカレで成績の良かった大学生だけじゃなく、インハイ(インターハイスクール)上位の高校生の団体や個人、またクラブ選手権を勝ち抜いた民間のクラブチームや社会人チームの個人や団体も参加できます。

インカレで全日本の出場権を得られなかった大学生は、大学のクラブに所属する形でクラブ選手権に参加し、敗者復活戦みたいにそこで勝ち抜いて全日本に出ることもできるようです。
そして全日本でその年の新体操日本一の団体や個人が決定されるわけです。
もっとも、ここ数年はコロナの影響で開催がかなり変則的だったみたいです。

とまあ、そんなこと、言われなくてもスポーツ好きな人は皆知っているのかもしれませんが、ここではスポーツ観戦初心者の私が最近知ったことを一応書いておきます。

先日私が観に行ったのは西日本インカレです。(通称は西インカレ)
グリーンアリーナ神戸は家から1時間15分の距離で、行き方も阪急電車と神戸地下鉄だけで、近いので二日続けて行きました。
場所は駅の傍で直ぐ分かったのですが、例によって会場に入るのに戸惑いました。

そこが会場だと示す看板があるわけでもなく、複数の扉には〈締め切り〉〈締め切り〉・・・と張り紙が…。
閉め切りと書かれていない扉を押しても閉まっていて…。
幸い私の後から来た人が開く扉を見つけてくれて、私はその人の後をつけて入りました。

入るのに戸惑ったのは私一人ではなく、席に座っていたら「入れなくてウロウロした」というような声が聞こえましたので、本当に『ここは秘密の花園か』と思う程、入りにくかったです。
新体操、ただでさえ観る人少ないのに、もうちょっと来てくれる人に親切にしてもいいと思いました。
ちなみに入場・観戦は無料です。

会場内は途中から入っても座れるほどの込み具合です。
私は一番見やすい男子側の席のマットの正面になる辺りに座りました。
ただ、私の座った席は選手の関係者席だったかもしれません。
そういうこともはっきり書かれていなくて分からなかったです。

個人の競技が終わり、団体の公式練習の時の写真です。


写真や動画は関係者であれば事前に申請すると撮ることができるようです。
私は関係者ではないですが、上の写真は競技中ではないのでスマホで撮りました。

向こう正面の席がガラガラみたいですが、向こう側は選手の席で一般の人は座れません。
左奥のマットは次に演技する選手達の練習用マットで、競技は手前正面のマットで行われます。
その手前のテーブルのある所は審査員席です。
右隣に縁がピンクのマットが見えますが、そこは女子用のマットです。
競技用のマットは、大きさは同じですがマットの種類が男女異なるのです。
私は男子新体操を観に行ったのですが、女子の演技もちゃんと見られる席に座りました。

男子と女子はそうやって仲良く演技するわけですが、知る人ぞ知る、新体操というスポーツは男子と女子ではやっている内容がまるで異なっていて、ほぼ別種のスポーツなのです。
そのことを知らない人が多すぎて、男子新体操の選手に向かって「リボンをクルクル回しているのか」などという失礼なマウント発言をしてしまうことにもなってます。

ついでだから豆知識的に日本の新体操について書くと、新体操の前身として団体徒手体操という競技が日本では戦前からあったみたいです。
戦後、それは第二回目の国体から正式種目として採用されています。
もちろん団体徒手体操は日本発祥のスポーツで、ヨーロッパ発祥の新体操とは異なるものです。

団体徒手体操は男子と女子に分かれていましたが同じスポーツとして活動していました。(ちょうど器械体操のような感じ。)
1967年、団体徒手体操の選手とコーチの二人の女性がコペンハーゲンで開かれていた新体操の第3回世界大会に視察に行き、その華やかさにすっかり魅了されて帰ってきて「自分達は団体徒手体操ではなく新体操をやりたい」と主張したわけです。

その願いは叶いました。
当時の日本は今の中国みたいに勢いがあったのでしょう、とにかくやることが早かった。
2年後の1969年には日本は新体操の第4回世界大会に参加し5位に入賞しています。
これは色んな意味で「凄い」としか言いようがありません。
少なくとも当時の女子の団体徒手体操の選手達は、体型的には明らかに不利だったとしても身体能力的にヨーロッパの選手達と比べて遜色がなかったようです。

ただヨーロッパの新体操は女性限定のスポーツでした。
団体徒手体操をやっていた女子選手は新体操に移行しましたが、男子選手はそのまま団体徒手体操を続けました。
その上で、個人の種目もある女子の新体操に合わせて男子も個人の種目を新たに作り、女子の新体操との整合性を持たせたのでした。

団体徒手体操はフリーハンドで、手具を持たないスポーツでしたが、男子もその時点で初めて個人競技のみ手具を持つようになったのでした。(手具も女子のそれとは違う。)
そして名称も団体徒手体操から新体操に変えたのでした。
男子新体操が女子の新体操とは異なり、日本発祥のスポーツであるというのはそういうわけです。

当時、男女が違うスポーツをやることになったのだから男子と女子の組織を分けるという発想はなかったみたいです。
その結果、今現在、様々な問題が生じているのですが、ややこしいのでそれについては書きません。

閑話休題。

二日間、私が座ったのはどうやら大学や家族等の関係者の席だったみたいです。
二日目、私の後ろには某大学の選手のママさん達のグループが座ってました。
別に聞こうと思わなくてもママさん達の会話が聞こえてきて、それが面白かった。

私は気が小さいので、全日本を観に行った時には、個人の選手の演技は手具を落下しないか思ってドキドキしたもんです。
(私はフィギュアスケートでも、ドキドキし過ぎるからテレビでライブは見られず、結果が分かってから見る人です。)

別にファンでも何でもない他人でそれですから、仮にの話、自分の息子や孫の演技を見ることになれば心臓に悪すぎると思ってました。
ところが二日目はそういうママさんが私のすぐ後ろで集団で観戦してました。
いやもう、何とも言えない緊張が伝わってきましたね。

あえて詳しい内容は書きませんが、息子選手が何度も手具を落とすと嘆いたり、息子の状態を案じたり。
かと思うと仲間の息子選手のイケメンぶりを褒めたり。
それを受けて容姿端麗な息子選手をさりげなく自慢したり。
(男子新体操といえども見た目は大事ですからね。)

個人の場合、その選手がミスっても同じ大学に迷惑をかけるわけではないので、その分、ママさん達の気持ちは楽だったと思います。
でもママさん同士で気を遣い合っていることも、同じ大学の選手の演技を祈るように観る気持ちも伝わってきました。

どんなスポーツでも同じでしょうが、スポーツやっている子供の保護者は大変です。
選手達が本当に愛情をかけて育てられているのはよく分かりました。
男子新体操は決してメジャーなスポーツではないのですが、そんなこと関係ないですね。

肝心の演技ですが、全インカレでもジャパンでもないので、やはりレベル的には低い選手もいました。
日頃、YouTubeで凄い演技ばかり見ているので、実際にはこういうもんなのだなと理解。
当たり前ですが上手い選手は本当に上手かった。
たぶん、ジャパンでも上位に行くのだと思います。

期待していた団体の演技はちょっと問題あり。
色々と考えることはありましたが、それについては私ごときが語れません。

最後に団体で勝利した福岡大学に敬意を表して、同じ福岡大学の栗山巧選手の2019年全インカレのロープの演技を紹介します。
栗山選手、現在はシルクドゥソレイユでパフォーマーとして活躍中です。






庭の植物 井原高校のこと

2023年04月28日 | 男子新体操
いつのまにか庭が花盛りです。

何年か前にも柿の木の下に生えたアミガサタケ。
有毒だけど高級珍味。


終わりかけのクリスマスローズ。


やたら増えたアマドコロ。


名前が覚えられなかった園芸種の花。


シロヤマブキ。


今が満開、ヒラドツツジ。
このヒラドツツジ、以前は赤と白の交じった花が咲いていたのですが近年はほとんど白い花ばかり。




ワチャワチャに茂って咲いてる春蘭。


シニアの学校、家庭園芸科の同じ班の人にいただいたイチゴの苗。
花が咲いて実がついてます。


ミヤマオダマキ。


放置していても勝手に毎年咲くシラー。左手前はカラー。


これも放置していても勝手に増えて勝手に咲くシラン。

名前にランと付くだけあってよく見ると美しい花です。


お隣との境界に植えているダッチアイリス。


おまけ。


            


ちょっと愚痴らせてください。
私がファンの岡山県立井原高校の男子新体操部、大変なことになっている様子。
詳しくは以下の記事参照。

揺れる「新体操のまち」 校地閉鎖で練習場から閉め出された強豪部員 | 毎日新聞

 「新体操のまち」が揺れている。岡山県立井原高校(同県井原市井原町)の南校地が閉鎖され、4月から敷地内の武道場や体育館を拠点にしていた全国トップクラスの実力を誇る...

毎日新聞



この話、井原高校の男子新体操がどれほどの価値を持っているか知らないと受け止め方がまったく違ってくると思います。
そもそも男子新体操なんてマイナーなスポーツやっている一高校のクラブがどうなろうが騒ぐことではない、などと思ってはいけないのです。

日本には、日本国内ではほとんど知られていなくても外国で高い評価を得ているものが少なからずあります。
日本で知られていないのは、ひとえにその事実を取り上げない日本のメディアのレベルの低さに起因します。
日本発祥のスポーツ、男子新体操もその内の一つです。

たとえばロシアは日本の男子新体操にかねてより熱い視線を注いでいて、選手も増やしており、すでにロシア国内で大会も開催されています。
ありていに言って、ロシア人の芸術スポーツに対する慧眼(見る目)は舐めてはいけないわけで、日本人と異なり非常に高いのです。

将来、男子新体操が国際化されることになれば、選手人口を取りそろえたロシアがルール等の主導権を握ることもあり得ます。
そうなった時に、ルール的に不利になって「男子新体操は元々日本のスポーツだったのに」などと言っても遅いのです。

前にも書きましたが、男子新体操は10年余りも国体(現在の国民スポーツ大会)からも外されていました。
ですが2024年から復帰することが決まっています。
国体から一旦外されたスポーツが国体に復帰することなど殆どないことです。
戻ることになった理由の一つは男子新体操の国際的な評価や認知度の高さにあることは間違いないでしょう。

そして国際的な評価や認知度を高めるきっかけとなったのが井原高校の男子新体操だったのです。
その技術と芸術性の高さは見る人を驚愕させました。
そこから国内国外を問わない多くの人が井原だけではない日本の男子新体操というスポーツを興味を持って見始めたのです。

記事中の〈県立高の再編で2006年に統合されるまで旧精研高校があった南校地は、男子新体操界にとって特別な場所だ〉というのはそういう意味です。

そんな井原高校の男子新体操部が、文字通りある日突然、岡山県の教育委員会によって練習場が使えなくなったのです。
その経緯が先の記事です。

もちろん、男子新体操部だけ特別扱いしていいわけではないでしょう。
他にもサッカー部、弓道部が使えなくなったそうです。
男子新体操関係では同じ場所で練習する小中学生らが所属する井原ジュニア新体操クラブ、そして倉敷芸術科学大学の男子新体操部が使えなくなりました。

私はツィッターで情報を得ていたのですが、当初はファンは、事情が分からないので心配しながらも黙って注視してました。
しかし事情が明らかになってみると、要するに、この一件は県と市が要らなくなった校舎部分をどちらが引き受けるかで勃発した騒動です。

そこでは見事なまでに生徒達が無視されています。
県立の井原高校には特例措置で男子新体操をやりに他県から来た生徒達がいます。
私学ですが倉敷芸術科学大学にも、男子新体操をやりたいがために入学した他県出身の学生達がいます。

彼らの思いはどうなるんだろうと岡山県の教育委員会の面々は考えなかったのだろうか。
というより、そういう切実な思いを質にして、井原市に要らない校舎を買わせようとしているわけで。
事実上のロックアウトまでして。しかも関係者が知らされたのは準備する間もない3月30日。
そういうのって、教育委員会がやることか。

なんやかんやで私はここしばらく心がザワザワしてしまった。
私を含めツィッターでファンは、「できることがあれば何でも言ってくれ」と言っています。
お金の問題ならクラウドファンディングでもなんでも協力すると。

今現在は岡山県は1年だけ使わせると言い、井原市議会も維持費の予算案を可決して、使用できるようになったようです。
ただし、猶予は1年だけ。

“新体操のまち” 強豪校の消えた練習拠点 市議会で「1年間、市が維持管理費負担する」補正予算案可決【岡山・井原市】(RSK山陽放送) - Yahoo!ニュース

18年前の岡山国体を契機に「新体操のまち」を掲げた井原市で、新体操強豪校の高校生らが練習拠点を失う事態となっていましたが、きょう(26日)新しい動きがありました。

Yahoo!ニュース



他県の事なので、あまり批判はできないけど、なんと酷いと思うのは私だけ?
今の日本を象徴する出来事のように思う。

来年度以降も選手達が安心して練習できるよう全面解決を祈るばかりです。


ONE GYMNASTICS FESTA(オージーエフ)を観た

2022年12月27日 | 男子新体操
この記事は4つ前の記事「旅先で現金難民になる」の続きです。
そもそも宮城県の白石まで出掛けたのは “ONE GYMNASTICS FESTA(以下オージーエフと称します)”を観るためです。

オージーエフは男子新体操に特化したイベントです。
といっても東北振興の意味もあったみたいで、チアチームの東北ゴールデンエンジェルスのような男子新体操ではない、でも多少は縁がある仙台付近のグループも幾つか出てました。

新体操のイベントだと、大抵、女子の新体操選手も出場するのが倣いなのですが、今回は男子新体操に特化したイベントです。
でも、全く女性が出場しないのもおかしいと考えての女子集団のチアチームの参加だったのかも。
とにかく女性の出場は東北ゴールデンエンジェルスだけでした。

このイベントの大きな特徴は、大抵の競技会では禁止される写真・動画撮影を許可していただけでなく、#オージーエフのタグを付けて、sns等でどんどん拡散してほしいと主催者から言われていたこと。
ですから写真・動画撮影は、フラッシュを焚かないことのみ条件に、ほぼ自由でした。
(もちろん人が見ているのを邪魔するとか、常識レベルのマナーに反したらダメでしょうけど。)

会場だった白石市の体育館、ホワイトキューブに入ると、選手たちは本番前の練習中で、すでにお客さん達が選手達の練習の写真をマットの傍まで行って撮ってました。
そこで私もカメラだけ持って、他の人の邪魔にならないように一箇所に陣取って撮影しました。

写真の方は家に帰って見て、愕然とするほど上手く撮れませんでした。
我慢して見て下さい。

練習していたのは岡山県立井原高校男子新体操部の選手達。
たぶん、一番ファンの多い学校。

井原高校名物、I字バランスです。

この状態のまま、見ていてほとんど分からない程の微かな反動をつけて反転し、頭を上げます。


このI字バランス、何気ないようだけど男子でこれをやれる人はあまりいないみたい。
井原高校の男子新体操ではそれを全員でやります。
かつてのロシアのフィギアスケーター、ユリア・リプニツカヤ選手が、この姿勢でスピンしてキャンドルスピンと呼ばれてました。



上の3枚の写真を、親しい茶道仲間の人達が見たいというので見てもらいました。
一人は学生時代に体操をやっていて、フィギュアスケートも習ったことがある人、もう一人は娘さんがバレエを子供の頃から習っていて、今はプロのコンテンポラリーダンサーだという人でしたが、二人して「柔らかい!!」「柔らかい!!」と何度も言い合って、驚いていました。

見る人が見れば分かる、まさに驚異の柔軟性です。
でも新体操の美しさは、ただ柔らかいとか、同調性が優れているだけじゃなくて、手先からつま先まで美しくあるべく神経が張り巡らされているということだと思います。
以下の写真でも、肩上にいる選手は足の甲をしっかりと反らしています。





タンブリングです。高さがあります。


これは見出しにも使用した写真ですが、井原高校が練習している奥で次に練習する佐賀県立神崎清明高校の選手達が見ています。
井原高校と神崎清明高校はバチバチのライバル関係です。
さしずめお蝶夫人と加賀のお蘭みたいな、といっても分かる人いないかな(笑)


これは神崎清明高校のタンブリングです。
6人揃っての3連続バク転、その後に伸身、だったかな。




私も詳しいことは分かりませんが、柔軟の井原、タンブリングの神崎清明と言われています。

演技が始まって、私は席で3脚を立てて撮影しました。
その方が動画が撮りやすいのです。
その代わり3脚がついているので写真が撮りにくかったです。
カメラを2台持って来れば解決しますが、無茶苦茶荷物が重くなります

鹿児島実業高校のコミカルな演技。


鹿児島実業高校はお笑いの鹿実と言われていて、観客の笑いを取ることに特化した演技で人気があります。
でも今年はお笑いを封印し、真面目な演技で勝負してインハイで3位を受賞しました。
実力はあるのです。

仙台出身歌手の天道清貴さんと男子新体操のプロパフォーマー集団のBLUE TOKYO。


プログラムをすべて終えてからは選手の方々のお写真タイムでした。


鹿児島実業の選手達。
白のスーツ姿の選手はオッサンじゃなく高校生です。
前日の夜に坊主にしたとか言ってました。


神崎清明高校の選手達、1年生と2年生のチームだそうで、あどけない顔をしてますが、皆さん驚異の身体能力の持ち主です。


この子達は地元の宮城県立名取高校の選手達。
名取高校、スタイリッシュな演技で有名。私も2019年、2020年の演技は何回見ても見飽きません。
三つ子の佐藤三兄弟はこの高校の出身。


その日に出場した個人の選手達です。大学生が大半。

私自身の写真や動画の撮影という面では反省点が多々ありました。
何事も経験なので次に生かすしかないです。

主催者が写真・動画の撮影を許可、推奨したのはひとえに男子新体操の認知度向上と普及を考えてのことだったと思います。
選手達も嫌がらずによく応えてくれてました。
正直、演技は写真を撮ることを考えず、それだけに熱中して見てみたいと思いました。

それにしても宮城県までよく行ったと我ながら感心します。
来年はどうなることか・・・。


高崎へ弾丸で行って帰る

2022年11月02日 | 男子新体操
10月30日、群馬県の高崎に行ってきました。
新体操の全日本選手権を見に、です。

チケットが、とにかく取りにくかった。
発売後、直ぐに売り切れて、何日かしてからリセールで売り出されて、結局、考えていた日程では取れず、なんとか最終日のチケットを取って、30日、高崎まで弾丸で行って弾丸で帰ることになりました。

全日本選手権のチケット販売についてはよく分からないのですが、発売と同時にアッと言う間に売り切れというのも???だし、その後、購入した人からチケット代が入金されなかったらしく、何度もリセールが繰り返されたみたいな。
何者かに機械的操作で買い占められたのかなと勘ぐります。
何の為か不明ですけど。

他の人のsnsを読むと、やはり入手できず、振り回されていたみたいでした。
後には苦労せず普通に買えたとも聞きました。
本当に行く気で、欲しかった人が苦労したみたいで、なんだか変。

というわけで私は30日、5時50分に家を出て大阪から新大阪に行き、新幹線を乗り継いで高崎まで行ったのでした。(我ながら凄い!)
選手権は11時始まりで、私が高崎駅に着いたのは10時40分。
全日本選手権の行われる高崎アリーナまで駅から歩いて8分。
余裕の筈。

ところが方向音痴の私のこと。
高崎駅の標識で東出口の方に高崎アリーナと書いてあったので、『あれっ? 西出口じゃなかったの』と思いつつ東出口から出て、見事に迷いました。
正しくは、やはり西出口だったのです。
人に聞いても正確には教えてくれず、どんどん高崎アリーナから離れたらしく、最終的にタクシーに乗って行きましたが、もちろん間に合いませんでした。
西出口から出たら迷わなかったのです。

団体演技が見たかったのに、3つ目の鹿児島実業高校の演技を途中から見ることになりました。
それでも、そこそこ見ることはできました。

休憩の時、お隣の人とお話しました。
女性で、私と同じく一人で見に来られていました。
その方は(Aさんとします)男子新体操を生では初めて見ると言ってました。
(Aさんはもちろん、私と違って迷わず高崎アリーナに辿り着いています。)

二人で男子新体操をどういうきっかけで見始めたというような話をしていると、Aさんの奥に座っていた女性が「お話が聞こえたので」と話に加わりました。
その人はBさんとします。

Aさんのきっかけは去年放映されたアニメの「バクテン!!」だったそうです。
ですからファン歴は浅そうでした。
もう一人のBさんはYouTubeのお勧めで2013年の井原高校の演技を見たことだったそうです。
そして私はYouTubeのお勧めで2016年の井原高校の演技を見たことでした。
やはりアニメやYouTubeの威力は凄いですね。

お互いにどこから来たかの話になり、私が大阪というと二人からは驚かれました。
Aさんは千葉の方からで、Bさんは名古屋方面でした。

Bさんは年季の入ったファンみたいで、私が行った新体操フェスタ岐阜にも行かれていて、なんと席も近くにいたと分かりました。
新体操フェスタ岐阜で、井原ジュニアの選手達が私の横に座っていた人達に挨拶に来て、私が感激したあの時、横にいた人達は井原新体操の後援会の人達で、Bさんはその中にいたのでした。

そして今回も、私にとっては更なるサプライズがありました。
私達の所に、井原高校の2016年にキャプテンだった小川恭平さんがやってきたのでした!!
私は知らなかったのですが、Bさんの後ろには2015年の時の選手(キャプテン?)の方が座っていて、Bさんも後援会の会員として井原に年に何度も行くような人で、選手達とは顔見知りのようでした。

私は良い意味で唖然茫然状態。
2016年の井原高校の演技の話をしていたら、そこに2016年に当の演技をしていた、しかもキャプテンだった人がやって来るなんて
いくら全日本選手権の会場だからといっても、これは偶然? それとも必然?
「実物だわ~」とか何とか、変なこと言っちゃった記憶がある。(恥ずかし~💦)

小川恭平さんは今回は社会人として全日本に参加されていたと思います。
彼は井原高校を卒業後、やはり男子新体操の名門大学である京都の花園大学に入学しました。
男子新体操には、団体と個人の競技があり、高校までは両方の練習をするのですが、大学に入るとどちらか一方を選択するのです。

小川恭平さんは個人の選手となりましたが、大学時代は怪我に苦しみ、思うような活躍はできなかったようです。
男子新体操の応援サイト「応援! 男子新体操」による動画・写真付きの彼の詳しい記事⇒こちら
怪我はもう大丈夫なのか、気になりましたが、そんなことお聞きできませんでした。

小川恭平さんは、演技の美しさもさることながら、そのイケメンぶりでも有名でした(今でもイケメン)。
その日、駅までAさんと一緒に帰ったのですが、間近で見てしまったAさんもしきりに小川恭平さんのイケメンぶりを口にしていました。
曰く「凄いイケメン」「俳優になれる」
そういえば動画の彼の演技のコメント欄でも、外国人(たぶん女性)が「なんてハンサムなの」みたいな事を書いてましたっけ。

恭平さんには小川晃平さんというよく似たお兄さんがいます。
晃平さんは個人で日本一になった選手で、むしろ晃平さんの方が有名で、今はシルクドゥソレイユで活躍しています。
どちらもイケメンですが、特に目が特徴的なのです。

先にあげた「応援! 男子新体操」の別の記事だったと思いますが、「小川兄弟の水分量の多そうな目」とか「なぜ小川兄弟の目はキラキラしているのだろう」とか。
『それは直接には男子新体操と関係ないのでは? 』と思うようなことが書かれてあったのですが、そう書かずにはいられないものがあるのでした。
(どんな目か、先のサイトの中の動画、6:43~6:48を見たら分かります。)

小川兄弟だけではなく、実は男子新体操の個人の選手にはイケメンがとても多いのです。
最近テレビにも時折出るようになった青森大学出身の三つ子の佐藤三兄弟もイケメンで有名ですが、彼らも三人とも個人の選手でした。
今回、私は双眼鏡を持っていって、個人の選手の顔をじっくりと見ましたが、不思議なくらいイケメン揃いでした。

みどりさんが男子新体操にハマったのはそれが理由かと思われそうですが、私はどちらかと言うと個人の演技より団体の方が好きなのです。
そして団体の選手達は、体育会系らしい、人の良さそうな、ごついお兄さんが多くて、顔はそれほどでもないんです。(⇐こんなこと書いていいんかいな。何事にも例外があると付け加えておく)

私は多分、男子新体操個人の演技の特徴が、彼らをイケメンにしているのではないかと思っています。
個人では、表情を含む自分の身体と技だけで美しさを極めなくてはならず、小川兄弟の場合もそうなんですが、必然的にオーラをまとっているのです。

以下はあくまで私見ですが、人の容貌って、本人の気持ちの持ちように関わることが多くって、いくら顔立ちが整っていても冴えない子は冴えないです。
今時の男の子は爽やか系イケメンが多いですが、選手はそれだけではダメで、見てる人に訴えるものが必要みたい。
逆に団体の場合は演技の同調性が重視されていて、一人が目立つことはご法度なんです。

だから最初、Bさんに「2016年にキャプテンだった」と言われた時は、実は私、ピンときてませんでした。
小川恭平さんはあくまで私にとっては個人の選手でした。
そして井原の2016年の演技は、長田監督と6人の選手達による井原2016年の演技として脳内では認識されていたのです。
これは選手達を軽んじているということではなく、団体として見ているということです。

話を元に戻します
Bさんは、とても熱心な人で、ほとんど男子新体操の追っかけをやっているみたいです。
実は今度、宮城県白石市で男子新体操のイベントがあるのですが、それに行くかどうか聞かれました。

当初、私はさすがに宮城県まで行く気はなかったのですが、行こうと思っていた全日本のチケットが取れず、それなら白石に行こうとチケットを取ったのです。(全日本のチケットのことがあったので、慌てて確保した)

ところがリセールで全日本のチケットが取れたので、白石のはキャンセルしようと考えました。
でも、白石のイベントは、公的な競技会では通常禁止されている写真も動画も撮ってOKで、撮った物もどんどん拡散してほしいという、なんとも太っ腹な主催者のイベントだったのでした。
よくよく考えて、今後、男子新体操の写真や動画が撮れるようなイベントがあるかどうか分かりません。
そういうわけで、私は行くことにしました。

ですから、Bさんとは白石でも会うことになるかもしれません。
ちなみに私は白石では1公演しか見ません。
でもBさんは、公演ごとに出場者や出場チームが少しづつ変わるからと、二日かけて3公演見るのだそうです。

12月に行われる井原フェスティバルにもBさんは行くのだそうですが、岐阜・高崎(群馬県)・白石(宮城県)・井原(岡山県)と続けば、それぞまさしく“追っかけ”ではないですか。
いやメッチャ楽しそー!!
Bさんからは色んな話を聞きましたが、Bさんは本当に楽しそうでした。

私はというと、一日で長距離を往復しないといけない今回の高崎行きはかなり緊張しました。
群馬県も高崎市もまったく知らない土地なのです。
それで、5時起きだし、新幹線で眠れるだろうと思っていたのですが、緊張と興奮で行きも帰りも眼は覚め切ったまま。
でも思いがけず小川恭平さんに会えたし、イケメンの個人選手の演技をたくさん見たし、充分に元は取れました。(やっぱりイケメンが目的かと思われそう。)

白石では、プロジェクションマッピングを使った舞台構成だそうです。
照明を使った舞台で、上手く写真が撮れるかどうか自信がないのですが頑張ってみます。