緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

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怖い話

2017年08月10日 | 思い出
昨日、NHKのBSで、京都異界中継というのをやってました。
京都に関わる怖い話ばかり百の物語を、京都の各地からライブで語るという趣向。

4時間もの長時間番組で、ほかの番組を見たり、途中でお風呂に入ったりで真剣に見ていたわけではありません。
面白かったのは生番組だったので、進行役のアナウンサーや話の話者が、結構ポカするのが分かったことです。

それとは別に、学生編で、京都の一人の大学生の話を聞いて、私自身、思い出したことがありました。
京都は大学が多く、全国から学生が大学生活を送るべく集まってくるのですが、そんな彼らは、ごちゃごちゃした街中の安い賃貸みたいなところに住むみたいです。

正確には覚えていませんが、そんな賃貸に住んでいたある女子大生、隣から話し声や笑い声など所謂生活音がよく聞こえてきたそうです。
ある日、窓からベランダに出て、隣を見ると、隣に部屋などなかったということです。
この話は京都の街中のごちゃごちゃ具合を知っていないと怖さが理解できないかもしれません。

以下はこの話を聞いて思い出した私の話です。

小学6年生の夏休み、6年生全員で学校から1泊2日の林間学校に行くことになりました。
行った場所は、市外にある、市が所有している「青少年山の家」みたいな場所です。
昼間は川遊びやらなんやら楽しみ、夜は定番のキャンプファイヤーをしました。

どこでもそうでしょうが、キャンプファイヤーでは、火の点火役はその場の最年長の人がなり、火の神とか営火長とか称して、それっぽい凝った衣装を身に着けて現れ、火をつけます。
その時の火の神は教頭先生だったと思います。やはり、凝った衣装で現れ火をつけました。

キャンプファイヤーの火が燃え盛っている時です。
私は何かが気になって後ろを振り返りました。すると遠くに白っぽい人影が見えました。
まるでシーツを頭から被っているかのような人影でした。
でも私は、ついさっき、凝った衣装の教頭先生を見たばかりだったので、その人影を教頭先生だと思いました。
まだあんな格好して、何をウロウロしているんだろうと不思議に思いました。

後になって落ち着いて考えれば、それは火の神の衣装ではなかったのですが、遠くだったこともあり、深くは考えなかったのです。
ただ、その人影の移動の仕方が、地面に対して水平に、スーと動いていったことに変な感じがしました。

キャンプファイヤーも終わり、就寝時間になりました。
子供達は2階建ての大きな建物で寝る子と、テントサイトのテントで寝る子に分かれていました。
私は建物で、2階の一番端の部屋で寝ることになっていました。
1階は男子にあてがわれていました。

部屋には2段ベッドが両側にあり、私のベッドは隣が外壁になっている側の下でした。
別の側の子達は、トントンと壁を叩いたり叩き返したりして隣室の子達と遊び始めて、私は隣が外で何もないので詰まらないなと思いました。

やがてそんな遊びにも飽きて、私は眠れずにいましたが、みんなは静かになって寝てしまいました。
すると私の真横の壁から、トントン、トントンと何者かが叩く音がしました。

隣は外の筈。しかもここは2階だし。
私はゾーーーとしました。
違う、違う。これは上のベッドの子がふざけて叩いているんだと私は思いこもうとしました。
音も止んで、私はいつの間にか寝ていました。

翌朝は大騒ぎになっていました。
かなりの数の子供達が幽霊を見たからです。
特にテントで寝た子供達が見ていました。
少なくとも私がキャンプファイヤーの時に見た白い人影は教頭先生ではなかったようです。

私も、夜のトントンと壁を叩く音の話をしました。
私の上のベッドで寝ていた子は、当然のように自分は何もしていないと言いました。
「誰かが外から叩いていたのじゃない?」という子がいて、試しに外から叩いてみましたがコンクリートの壁で、叩いてもトントンという音はしませんでした。
そもそも、私の寝ている真横を叩くには梯子が必要で、そんなことをする人がいるとは思えませんでした。

しかも、その音は私だけが聞いていたのではなく、1階の一番端の部屋の男子は全員が聞いていて、あまりに怖くて外壁側のベッドの子は内側のベッドの子と一緒に寝ていたということでした。

子供達は幽霊の話でもちきりになりましたが、何も見ず、何も聞かなかった子供達もたくさんいました。

一体あれが何であったかは今でも分かりません。
夏の夜の、私が経験した怖い話です。

お口直しにミーちゃんの可愛い写真です。
通販生活で買った私の腰痛用座椅子を占拠したミーちゃんです。