緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

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楽茶碗 脱臭成功しました。

2021年05月22日 | 茶道
よくあることのようですが、茶道で用いる抹茶碗、実際に使おうとすると、臭くって使えないことがあるようです。
原因の一つはカビだそうです。

使用後、仕舞う時に、しっかり乾燥させずに箱の中等に仕舞って、湿った部分にカビが生え、次回、使おうとするとカビ臭くて使えないんだそうです。
こういう事は古い抹茶碗でよくあるそうです。
避けるにはよく乾燥させてから仕舞うことだそうです。

新しい茶碗が臭くて使えない時もよくあるそうです。
私が経験したのがそれでした。

白の楽茶碗。新古品です。楽天で買いました。
着物などではよく新古品という言い方をします。
未使用なんだけど一度は人の持ち物だった品物のこと。私が買ったのはそれ。
去年の秋、いよいよ濃茶の点前を習い始めたので、濃茶の練習用に買いました。

ところが濡らしてみると、物凄く臭い。
土臭いのでした。
台所に置いておいただけでも、台所中、土臭いのです。

完全に乾くと匂いも消えるのですが、お茶を点てるには濡らさないわけにはいきません。
ですから、実質、お茶には使えません。
見た目、気に入っていたお茶碗なので、ネットで調べて匂いを消す方法を色々と試してみました。

茶道の先生にもお聞きしました。
分かったことは、先生も、そこの生徒さんも、私と同じ経験をしていることでした。
新しいお茶碗を買ったけど、濡らしてみると臭くて使えなかった。
匂いを消すために試した方法も皆だいたい同じ。
皆さん、匂いが抜けず、結局、諦めたみたいです。

私を含め、試した方法を書きだしてみると、
煮沸する。
米ぬかの中に入れておく。
緑茶で煮出して、その後、一晩漬けておく。
ひたすら天日干し。
何度も薄茶を点ててみる。といったところです。
こうした方法でも匂いは薄まりますが、気にせずお茶を頂けるレベルにはなりません。

ネットに載ってはいたけれど、皆さんが試していない方法が二つありました。
一つは、濡らして500Wの電子レンジで10分間チンする。
(楽茶碗って脆そうだからチンしている間に割れそうです。)
もう一つは、米ぬかをドロドロに溶かした水に三日三晩漬ける。
(茶碗もドロドロに溶けそうです。)

私は後者を試しました。
生の米ぬかを用意して、水にドロドロに溶かし、その中によく乾かしておいた抹茶碗をすっぽりと、全部浸かるように入れました。
待つこと三日三晩。
引き上げて、洗って嗅いでみたところ、微かにクッキーのような匂い。
それなら気になりません。
2度ほど薄茶を点てたところ、クッキーのような匂いも消えました。

匂いの消えた白楽の抹茶碗です。

上から見たところ。細かな貫入(ヒビのような模様)が入っています。

これは紙製の箱。


この茶碗、茶道の先生にも見ていただき、色々と説明してもらいました。

先生曰く、基本、楽茶碗は無地で模様が入ることはないそうです。
箱にお題茶碗と書いてあるので、そこから推測して、お題というのは宮中歌会始めの題のことで、新年の記念としてその年の題にちなんだ模様を付けたのではないか。
茶碗の銘が「葛屋」つまり草葺屋根の家なので、その年の題は住居とか家とかではなかったか。
記念品として同じようなものがたくさん作られ、配られたのではないか。

高価な物ではないことは、私も買っているので分かっていました。
たぶん前の持ち主はこの茶碗を記念品としてか何かで貰ったのであり、思い入れもなく、一度も使われることなく茶道具屋に売られ、楽天に並ぶことになったみたいです。

安物ですが、手に持つとホッコリと馴染む良い雰囲気の茶碗です。
先生もその茶碗で飲まれて「これは良いよ。家でこのお茶碗でお茶を点てなさいよ」とおっしゃいました。

ただ、楽天で、実物を見ずに安物を買ったことについて「たまには実物を見てちゃんとした物を買うように」ともいわれました。
眼を養うという意味で、ちゃんとした物を、身銭切って買う必要もあるみたいです。
(そうやって買った高価なお茶碗でも、濡らすと臭くて使えないことがあると思うと『なんだかなぁ』ですが。)
なるほどと思うような購入の仕方なども教えていただきました。

焼き物の話から、信楽焼の窯元の主催する本格的なお茶事の話になり、コロナが収束したら皆で行こうということになりました。
去年からお茶会もお茶事もすべて中止で(というかそれ以外のイベント的なものも大半が中止なのですが)、お稽古ばかりなのですが、コロナが収束したら皆でそれこそ弾けまくるんじゃないかと思います。

ちなみに私のワクチンの予約は、かかりつけ医で1回目は7月中旬、2回目は8月上旬に決まりました。
菅さんの言う、高齢者は7月末までになんてのは無理みたいです。


                    


雨の中、庭のお花達が元気です。
ホタルブクロは三つの花を咲かせました。


一日花のデイリリー(ヘメロカリス)も毎日違う花を咲かせ続けています。


梅雨時の花の定番、アジサイも咲きました。


サツキももうすぐ満開です。


鬱陶しい日々ですが出口があると信じて日を送っています。