肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

肝炎フォーラム IN 函館 のご案内~肝炎問題の本質を探る~

2007年09月23日 | 医療講演やイベント
函館の肝炎友の会の方から、とてもすごい企画が届いています。参加できることは光栄です、頑張ってきます。
今、わが国には350万人以上のB型C型肝炎患者さんが存在すると言われています。そして年間3万人以上の国民が肝がんで死亡しています。また、肝がんの95%には肝炎ウイルス感染が見られます(肝がん白書より)。
 過去の予防接種、輸血、血液製剤などいわゆる「医原病」(医師による投薬・手術などの医療行為が原因となって起こる病気)として蔓延化したものです。
 そして、このウイルス肝炎は、ウイルスに感染しても症状が無症状な場合も多く、感染していることに気づかない人がほとんどです。しかし、慢性肝炎からさらに肝硬変、肝がんへと進行することもあるので、放っておくと非常に危険です。

 肝炎患者さんたちは高額な医療費負担、「感染」という社会的差別・偏見に耐えながら生活しています。この格差社会の象徴ともいえる「肝炎問題」を肝炎患者さんはもちろんのこと、一般市民、医療関係者の方々にも理解していただき、多面的に捉えようと肝炎フォーラムの開催を企画しました。このフォーラムには札幌から肝臓専門医と薬害肝炎訴訟東京原告さんが、また東京から薬害肝炎訴訟弁護団が来函いたします。全ての肝炎患者さんの不安を取り除かれるようにと企画したこの「肝炎フォーラム」にどうぞ、皆さん参加してください。


○日時 2007年10月13日(土) 午後5時~8時

○場所 函館市地域交流まちづくりセンター 2F 市民交流フロア
函館市末広町4番19号 (十字街、旧丸井デパート跡)TEL:0138-22-9700

○主催 北海道肝炎友の会はまなす会  

○共催 薬害肝炎訴訟を支える会・函館 事務局
     北海道肝ガン検診団

○後援 北海道難病連 函館支部

北海道新聞社


第1部 午後5時~6時
○ 肝臓医療講演会 演題 『肝ガンの不安が無くなる世の中を目指して』
- 肝ガン検診と最新の慢性肝炎と肝ガンの治療について -

講師 北海道肝ガン検診団 医師 
北海道医療生活協同組合 札幌緑愛病院 肝臓センター長 川西 輝明先生


第2部 午後6時~7時
○薬害肝炎訴訟を支える交流会
出席者 ・薬害肝炎訴訟東京弁護団  ・北海道在住、東京訴訟 原告さん
      事務局長 福地直樹弁護士
※ 薬害C型肝炎患者さんたちの療養生活を追った”夢をかえして”上映会
    涙が止まりません。これが肝炎患者さんたちの現実です!
※ ビデオ上映→薬害肝炎訴訟東京弁護団弁護士による薬害肝炎訴訟についての解説→東京訴訟原告さんの訴え→薬害肝炎訴訟支援のお願い
  

第3部 午後7時~8時
○肝炎フォーラム・ディスカッション
肝炎に関わっているそれぞれの立場の方に出席していただき、あらゆる角度から肝炎問題について語って頂きます。また一般市民のご意見、ご質問も承ります。

パネリストのご紹介
●肝臓専門医・・札幌緑愛病院 肝臓センター長 川西 輝明先生
●薬害肝炎訴訟 東京弁護団・事務局長の福地直樹弁護士
●薬害肝炎東京訴訟 札幌市在住原告さん
●はまなす会 会員・・北海道難病連函館支部長 佐藤 秀臣さん 


※ なお別室にて肝炎患者さんのための「肝炎療養相談コーナー」「薬害肝炎訴訟相談コーナー」を開設しますので、不安のある患者さんは是非お立ち寄り下さい。

10月1日からの肝臓外来、ホームページで紹介されていました

2007年09月23日 | 肝臓センター
新発寒ファミリークリニックでの肝臓外来が10月1日からはじまります。準備進行中ですが、最初はばたばたしてしまうと思いますが、余裕を持って受診していただければと思います。出来るだけ改善しつつ継続していきたいと思います。

第13回北海道肝移植適応研究会

2007年09月23日 | 学会研究会報告新聞記事など
肝移植適応研究会に行ってきました。北大の肝移植を担当している古川教授よりお話しがあり、今回から幹事として参加させていただくことになりました。職場が移動するのでちょっとややこしいですが、これからも頑張りたいと思います。
研究会の方は、肝移植に向けての内科医からの患者さんの検討で、いろいろな場合があることが紹介されていました。
北大での肝移植の登録と実際に受けることができた人の割合、移植を受けられず亡くなる人の状態などが報告されていました。まだまだ、受けたいときにすぐ受けられる環境ではないことがわかりますが、肝癌での肝移植の成績でも5年以上の生存が70%前後となっており、非常に成績がいいことがわかります。

また、2007年6月から肝癌の肝移植について、保険の適応がしっかりと決められて、治療後の状態で肝癌が5cm1個か、3cm3個以内であれば、肝移植前1カ月以内のCTやMRIで診断できる肝癌にて判定し受けられることが確認されました。

肝癌の保険適応が認められて、移植件数がぐっと増えたあと、治療した部位も基準に入れるということになり、移植をしたあとの患者さんが保険がきかない状態にされ、医療機関が査定(保険料を支給されないこと)をうけ何億という赤字になっていました。今回の基準であればクリアされていた患者さんへの移植ストップしていたのです。このことで自己負担を強いられた患者さんもいましたし、移植を断念した患者さんもいたことは新聞等で紹介されているところです。

もちろん、移植をせずに肝臓が正常化する治療がさらに求められていることは間違いありませんが、PBCや自己免疫肝炎など正常化が難しい疾患については、移植が最終的な救済手段であることは依然として変わりません。
ウイルス肝炎である、B型C型肝炎については、ウイルスへの治療が進歩しており肝不全になる時期を遅らせることが出来るようになってきています。しかし、肝癌が増えてくるとやはり移植が可能であればしていく方が生存率がいいと言えます。
まずは、自分たちの持っている肝臓を悪くしないように以下に治癒力を引き出していくか、これが課題であると思います。