肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

第17回 北海道肝臓研究会

2008年04月05日 | 学会研究会報告新聞記事など
今回は、慢性肝炎、肝がんの残された課題と題して、旭川の吉田病院の長谷部先生と手稲渓仁会の辻先生の講演がありました。現在の状況と今後、解決していくことが期待される課題について、日常の臨床からでてくる疑問や解決策を提示してくれて、会場の先生方と、日ごろの疑問点などを議論していました。

慢性肝炎の治療では、C型肝炎でのインターフェロン療法、B型肝炎での抗ウイルス薬の使い方。まだ保険適応になっていない、ウイルスの分析方法など。興味深い話が色々ありました。
年齢や少量長期投与についても、本当に患者さんに今行うべきか、後からでてくるもっといい治療を待つという選択肢も有るだろうという話も含めありました。

肝がんについては、現在、腎癌に保険が通っている、血管新生阻害薬の抗ガン剤としての適応など、いい薬になりそうな話もありました。癌が出来てからの予防よりも現時点では出来る前の予防の方が大切であることは明白となっていますが。癌になったあとに以下に癌を出来ない状態、本当の肝がんの治癒状態を作るのはどうしていくのがいいのか。解決すべき内容がいろいろとありました。また、10年たった頃、もっともっといい治療が出来てることを期待せずにはいられないと思いました。