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B型肝炎訴訟追加提訴 道新2011.10.1

2011年10月01日 | 肝炎救済に関連して

追加提訴して、1191人。国が45万人と推測してくれていますが。こんなに救われるなら、苦労はしないです。国が除外条件を提示してるおかげで10万人は超えないでしょう。被害受けても救われない人の方が圧倒的に多い、感染の危険にほとんどすべての国民がさらされたのに、国民は自分は大丈夫と思い込んでいるのかな。。。ウイルス検診を受けていない人、一度受けて欲しいです。議員さん達からまずはじめて実感を持ってもらえたらいいのかな。
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毎日新聞 道内版 2011.9.25 新聞記事写真追加1日更新

2011年10月01日 | 肝炎救済に関連して
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以下は引用です。内容的には正確じゃない部分もありますが、思いは伝わる内容にしていただけたと思います。
ネット上の原文はこちらこちら

HOTほっとトーク:全ての患者の救済を 川西輝明所長に聞く /北海道
 ◇知らずに感染も B型肝炎訴訟和解、国の継続支援必要--札幌緑愛病院肝臓センター・川西輝明所長に聞く

 今月16日、札幌地裁で全国初の個別和解が成立したB型肝炎訴訟。予防接種時の注射器使い回しで感染が広がった国内最大規模の医療訴訟は、集団提訴から3年余でようやく救済が始まった。今後は、予防接種の証明が難しい患者らの個別和解や、肝炎患者に対する恒久対策の実現が課題となる。求められる対策は何か。北海道原告団代表、高橋朋己さん(58)の主治医でもあり、数少ない肝臓の専門医として原告団の支援を続ける札幌緑愛病院肝臓センター所長、川西輝明医師(45)に聞いた。【構成・金子淳】

 <6月28日。B型肝炎訴訟の原告・弁護団と国は基本合意書に調印し、菅直人首相(当時)が首相官邸で原告団に謝罪した>
 政府として謝ってくれて、患者さんたちの気持ちが落ち着いたし、良かった。ただし、合意書の中身については、重症な人は(和解を)急ぐとか、感染しているが発症していないキャリアーの助成制度をもっと盛り込めれば良かった。
 キャリアーでも通院していなかったり、感染を知らない人がたくさんいる。とにかく早く見つけてあげるのがこれからの課題。発症するのは1~2割と言われているが、知らないうちに肝がんになって亡くなる人もいる。発症のタイミングが分からなければ予防や治療ができない。
 CMでも何でもいいから「肝炎の検査受けましょう」と早く広報していかないと、救える人も救えなくなる。自分は関係ないと思っている人が多いので、会社の健診などに組み込んでほしい。全ての国民が一度は受けるようになれば、何万人という人が救われる。

 <個別和解では、接種痕や記録がなく予防接種の証明が難しいケースも予想される。基本合意では、こうした場合は医師の証言などから「総合的に判断する」と明記されたが、国や司法の判断はこれからだ>
 そもそも予防接種を受けていない人はほとんどいない。接種痕は必ず残るわけではないので、国はもっと譲歩すべきだ。裁判を起こさなくても、申請すれば救済されるようにした方がいい。医者にとっても証拠資料作りなど治療以外の業務が増えてしまう。例えば、100人の中に1人ぐらい予防接種ではない人が交ざっていたとしてもいい。一人も混ざらないように基準を厳しくして20人が漏れるのでは意味がない。
 感染予防の点から言えば、予防接種以外の感染者も対策を取らなくてはならない。患者を減らすことで感染リスクも減る。治療法やワクチンの開発などにも、国はしっかりと支援を続けてほしい。

 <集団訴訟の原告数は約1000人。国は被害者数を約45万人と推計し、救済には増税が不可欠と主張する>
 B型肝炎のほとんどは医療によって広まった。自分が原因ではないのに治療費を負担しなければいけないというのがおかしい。
 今は慢性肝炎や肝硬変、肝がんになった人たちが頑張っているが、そのおかげで救われる人たちが問題に気づいていない。「肝炎患者のせいで税金が高くなる」と思われてしまうと、本当は自分たちのためになることなのに「(対策は)必要ない」という世論になってしまう。
 原告さんがあんなに「増税の理由にしないでくれ」と言っているのに、国が「増税しないと対策が取れない」と言うのは、やっぱり誠意がないと感じる。

 <医師として高橋さんらの治療を行う傍ら、原告団とともに和解協議や抗議活動などにも積極的に参加。ブログ(http://blog.goo.ne.jp/ryokuai_2007)での情報発信も欠かさず、原告団を支えてきた>
 患者さんと長く関わるうち、安心して治療や生活を続けるには訴訟も一つの手段だと思った。自分にできるのは、原告が病気のことを心配しなくても済むようにサポートすること。高橋さんは体調もしんどいはずなのに、笑顔で頑張っている。原告さんはみんな最初は自分の生活を何とかしたいと思って訴訟を始めたかもしれないが、もっとたくさんの人を救うために頑張ろうとスイッチが入った。だから力がある。

 <へき地医療を志して医師になったが、研修医時代、配属された肝臓病棟で1週間に5人が立て続けに亡くなり、専門医になろうと決めた>
 こんなに悲惨な病気があるんだと突き付けられた。専門医が少なく、全道各地から札幌に患者さんが集まってくる。ある意味で無医村と同じで、医者が足りない病気だった。肝臓は診断してから亡くなるまで20~30年、患者さんと付き合っていく。こんな病気ってそうないんですよね。
 息子のように思ってくれる患者さんたちもいて、その人たちが「おれみたいにしんどい思いをする患者さんのために頑張ってくれ」とか「自分を実験台にしてもいいからいい治療法を作ってくれ」と言い残して死んでいく。だからこそ、治療面ではもちろん、生活面でも支えていけることはどんどんしていかなくてはいけない。亡くなった人たちの遺言で動かされているような感じですね。

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 ■ことば
 ◇B型肝炎
 血液を介して感染するウイルス性肝炎で、幼少時に感染すると持続的にウイルスを保有するキャリアーになる可能性がある。発症すると慢性肝炎から肝硬変、肝がんに進行する恐れがあり、決定的な治療法はない。注射器の使い回しのほか、母子感染や輸血などでも感染することがあるが、通常の日常生活で感染が広がることはない。
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 ■人物略歴
 ◇かわにし・てるあき
 1966年、札幌市生まれ。北海道大卒。勤医協などを経て07年から現職。シンガー・ソングライター「あき」の名前で訴訟の応援歌なども制作している。